いまじゅん

16年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)で働いたり、勉強したり。no…

いまじゅん

16年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)で働いたり、勉強したり。noteではベトナム情報や中国とベトナムの関係を中心に、語学好き高じて勉強してきた英語、中国語(普通話、広東話)、ベトナム語を鍛えながら、現地を見て回って感じたことを色々発信していきたいです。

マガジン

  • ハノイで考えたこと・再び

    変化し続けるベトナム、そしてハノイ。日々の暮らしやベトナム人との語らい、そしてベトナムメディアの報道から、ベトナムの今を伝えます。ベトナム語で直接得られる情報ならではの内容をお伝えしていきたいです。10年以上の付き合いとなったベトナム・ハノイ、改めてここから考えたことを伝えていきたいと思います。

  • ハノイから旅行して考えたこと

    ハノイを少し離れて、時にだいぶ離れて、違った視点で考えたこと、或いは旅行記をお届けします。

  • ハノイで思ったこと(エッセイ)

    「考えたこと」とは一味違う、ベトナム文化や人々の考えの違いなどを、徒然なるままに思ったことを書く、エッセイーシリーズです。

  • ハノイで読んで考えたこと

    こちらは自分の読書記です。ベトナムに関するものが多くなるかとは思いますが、その他中国に関してや、また全く違う分野の本についても、読んで感じたことを、書き綴っていきたいと思います。

  • (たぶん)月刊「中越関係」

    Twitterやnoteの新たな工夫として、継続的に追いかけている中国とベトナムと言う、私個人としてとても興味深い二つの国の関係についての出来事を、定期的にまとめつつ振り返りたいと思っています。視点はベトナムからが多くなると思いますが、ベトナムメディア、世論で話題となったベトナムと中国との関係に焦点を当てて、それを定点観測することで、ゆくゆくは単なる観測を超えた文章を書いていく励みにしたいと思っております。過去記事から、中越関係に関連したものもこちらに分類しておきます。

最近の記事

  • 固定された記事

メコンデルタは誰のものか?ー映画「ĐẤT RỪNG PHƯƠNG NAM」から見た中華文化とベトナム文化

久々の投稿、かつ久々になかなかマニアック、かつ長文です(笑)。今回は先日観たベトナム映画「Song of the South (Đất rừng phương Nam)」、そして同映画が巻き起こした議論から感じた、ベトナム南部、特にメコンデルタ地方における文化・社会の現在について書いてみようと思います。 ちなみに上記ツイートでは「まだ観られます」と書いていますが、この記事を書いている11月末段階では上映館はかなり縮小、主に南部でのみの上映となっています。ただ、逆に言うと10

    • テト映画キング活躍と国営ダークホース!テト正月ベトナム映画事情あれこれ

      テト正月の大ヒット映画! 明けたばっかりの2024年(旧暦、テト正月)年始早々の私のX(Twitter)投稿は、意図せずして映画の話題が多くなりました。実際にベトナムメディアでも、この大ヒット映画「Mai」の話題は相当盛り上がっています。 実際に観てきました映画「Mai」、純粋にエンタメ映画としてとっても楽しめました。まだまだ絶賛上映中なのでネタバレは避けますが、Xポストの通り、笑いも涙も全部あり、喜怒哀楽てんこ盛りで入っている感じでした。ちなみにちょっと大人のシーンもあ

      • 新春!ハノイの村のお祭りを解説してみる

        西暦ではもう2月の半ばになりますが、旧暦のお正月、テトを迎えたばかりのベトナム。こちらでは、これからがようやく2024年、辰年の始まりです。 今日はこの旧暦テト正月に、うちの妻の実家の村で参加したお祭りについて、「解説」にチャレンジしたいと思います。祭りの概要についてはX(Twitter)で既に発信させて頂いたので、昨年のものなど中心にそれを引用しつつ、それぞれの意味合いや一口メモ(うんちく!?)を文章で添えて、自分でもより深く理解できればと思います。 ビジュアル的にはこ

        • 今年は南部弁ベトナム語を勉強してみようと思う

          ベトナム語に触れて早20年、でも… 今日はベトナム語の話題です。noteやXのプロフィールにも書いていますが、私はベトナム在住が大分長くなり、本格的にベトナム語に触れてからはそろそろ20年近くになります。時にこのnoteでもベトナム語についての文章を書いたりなんかもしてきました。 ずーっと独学ではありますが、長年の努力もあってベトナム語はある程度できる、と思っています。そう、ハノイにいる限りにおいては…。 でも南部弁になるとかなりの苦戦 そんなベトナム在住歴が長い自分

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        メコンデルタは誰のものか?ー映画「ĐẤT RỪNG PHƯƠNG NAM」から見た中華文化とベトナム文化

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        • ハノイで考えたこと・再び
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        • ハノイから旅行して考えたこと
          13本
        • ハノイで思ったこと(エッセイ)
          3本
        • ハノイで読んで考えたこと
          16本
        • (たぶん)月刊「中越関係」
          7本
        • 中国ドラマから考えた中国
          5本

        記事

          世界を席巻するベトナムのお米!ーベトナム産米生産・輸出事情

          今回のテーマは突然ですがベトナムのお米の話題。お米の国ベトナム、っていうのは皆さんご存知のところかと思います。ただ昨年から今年初にかけて、ベトナムメディアでも景気の良い経済・貿易の話題として、ベトナムのお米が取り上げられることが数多くありました。それらをまとめて、実は世界を席巻しているベトナムのお米についても考えてみたいと思います。 世界第三位のコメ輸出国、ベトナム! 2023年のベトナム米輸出は絶好調でした。というのも、ウクライナ戦争に端を発した世界的な食糧需給が逼迫す

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          2023年ベトナムをニュースで振り返る

          2023年ベトナムで話題になったニュースとは? こんばんは、気が続けば2023年もあと2日を残すのみとなりました。そんな中、Youtube動画で急上昇ランキングの上の方(と言っても報道系なのでエンタメ系動画程ではありませんが)に、2023年のベトナム社会・経済・政治・外交を振り返る動画が上がっていました。 自分のX(ツイッター)発信はどの程度これら事件を反映していたかなあ、答え合わせじゃないけど比較してみようかなあと思い、動画内で紹介されていた国内社会事件と、自分がXで発

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          5年ぶりの香港で考えたこと(その1:街の様子と移民の話題と)

          今年2023年は、自分がかつて香港中文大学に交換留学したあの年から何と25年!(ヒェー😆)加えて、前回香港を訪れたのが2018年で、それから5年の間に香港に起きた各種の変化をこの目で見てみたいと、香港に行ってきました。そこで思ったことを「香港で考えたこと」として徒然なるままに書いてみようと思います。少し長くなりましたので、2回に分けたいと思います。 旅の始まりは重慶大厦から まずは宿。もう若いバックパッカーではなくなったけど始まりはいつも重慶大厦(チョンキンマンション)が

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          ベトナム人は「寛容な」人たちか?(国民性を表すベトナム語表現・故事と共に)

          ベトナム人はYêu nước, đoàn kết, chăm chỉ lao động? 今回は「ベトナム人ならではの特長」と題されたTuoi Treのコラムを取り上げ、そこで出てくる表現が色々面白かったところ、そのベトナム語表現と共に、同テーマについて考えてみたいと思います。 まず作者は「国を愛し、団結し、勤勉である」というベトナム人に対して「よく言われる」言い方は、他の国の人にも多くあてはまり、必ずしもベトナム人ならではの特長ではないと論を展開します。 確かに自分自

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          「中国地方都市化」進むシアヌークビルで考えたこと

          前回書きましたプノンペンで考えたことに引き続いては、シアヌークビルで考えたこと、です。プノンペン編でも触れましたが、このシアヌークビルは中国人がより目に見える形ですごい勢いで移民し、街の姿を変えていることで有名なところ、その浸透ぶりを是非この目で見たかったことから訪れてみました。コロナ発生直前のシアヌークビルの様子は、こちら山谷剛史さんのルポ記事に詳しいですが、この記事が書かれた2019年の2年前ほど、つまり中国化への激変は2017年頃から進んでいたようです。 今回シアヌー

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          バスで行ってみたプノンペンで考えたこと

          今回はホーチミンから陸路でカンボジア・プノンペンまで行ってみました。久しぶりのカンボジア、駆け足ではありますがここで見たこと、聞いたことについて、考えてみたいと思います。そもそも最近は、海外旅行としては日本に帰ることばっかりだったので、日本以外の国にベトナムから行くのは、コロナ以降初めて、遡れば2018年以来になりました。 バスで行ってみた! 今回は初めての試みとして、ハノイからまずホーチミンに飛び、そこから陸路バスでプノンペンに行ってみました。バスチケットは9月23日公

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          【読書記】北関東「移民」アンダーグラウンド;ベトナム人Bộ Độiから見える日本社会の変化

          毎回読ませる!安田峰俊さんのルポ 今回ご紹介するのは、これまで自分の読書記で何度も紹介している安田峰俊さんの最新作、「北関東「移民」アンダーグラウンド」です。彼が元々得意としていた中国関連から、現在はその取材力を発揮し、在日外国人、特にベトナム人に関して、多くの面白い記事を書いています。今回も読む前から、その刺激的タイトルと表紙からして期待大でした。 ボドイの日常=日本の非日常(けど現実) 自分のnoteを読んで頂いていくれている方には、在ベトナム、或いはベトナム語に何

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          【読書記】シン・中国人:今の中国の若者をリアルに感じるために

          春の読書週間第2弾、今回は「シン・中国人-激変する社会と悩める若者たち」(ちくま新書)です。著者の斎藤淳子さんは、随分前になりますが、北京でインターンをしている頃に仕事を教えてもらった先輩。現在は様々なメディアに発信するライターとして活躍されています。「結婚・愛」といった普遍的な切り口を通して、現代中国社会・経済のリアルがわかる一冊です。 金銭感覚についていけない! ベトナム在住が17年目とだいぶ長くなったとはいえ、かつては都合6年半も中国・香港に住んでいた自分。ちょっと

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          【読書記】「横浜中華街」とベトナムのチャイナタウン

          今回は久々に読んで考えたこと、今回読んだ本は「横浜中華街 世界に誇るチャイナタウンの地理・歴史」です。在ベトナムの華人の人たちに関心を持っている中、この春に一時帰国した機会に「そうだ、中華街に行こう!」という心構えでいたところ、書店でばったり出会ったこの本を読んでみました。ベトナム華人社会との比較の視点でも、とても勉強になりました。 「世界に誇るチャイナタウン」横浜中華街 言わずと知れた横浜・中華街、でも時折帰国時にご飯食べに行ったり、肉まん買いに行ったりという以外、自分

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          ベトナム人(女性)はサザエさんか?

          サザエさんと言えば、日本を代表する漫画、アニメ。もはや説明の必要はないでしょう。しかしその一方で、現在の日本社会と「サザエさん社会」を比べると、実際とのギャップが大分大きい、ちょっと前の日本を観る感じな楽しみ方にもなっている今日この頃…。 そんな中、自分は常日頃「サザエさんは、何かベトナム人女性っぽいなあ、もしかしたらサザエさんはベトナム人なのではないか?」と思索を巡らせてきました(笑)。今回は、暖めていた「サザエさん=ベトナム人(女性)」理論をご披露し、皆様のご批判を仰ぎ

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          再びベトナム人になるには?:越僑とベトナム国籍再取得の悩み

          2023年、noteでは(遅まきながら)明けましておめでとうございます。今年も折に触れて自分が関心のある、気になったテーマについて書いてみたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。 在外越僑とホーチミン市の対話 さて今回は、テト正月前に行われるのが定例の、ホーチミン市と在外越僑(在外ベトナム人)との対話を巡る報道から、ベトナムの越僑、そして国籍取得・再取得について考えてみたいと思います。テト正月を母国で迎えようと、在外に住む多くの(元)ベトナム人がベトナム、特に南部ベ

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          【読書記】越境の中国史 南からみた衝突と融合の300年

          2022年も押し迫ってきました大晦日、師走の慌ただしい時期ではありますが、最後は「ハノイで読んで考えたこと」で締めたいと思います。今日ご紹介するのはこちら、「越境の中国史 南からみた衝突と融合の300年」です。 実は著者の菊池秀明先生の本を読むのは二冊目、この読書記でも紹介させてもらった太平天国の乱を描いた岩波新書「太平天国 皇帝なき中国の挫折」を読んでから、華南からの視点を大事にして中国を考える先生の著作はとても気になっていました。 そこで、同じく独自の視点で中国人・中

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