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コントゥム:ベトナム中部高原に広がる違った異国情緒

さる7月ベトナム中部高原の地方都市ザライを訪れる機会があったので、「ちょっと行ってみる?」と仕事相手から誘われた出張先から少し足を延ばしたのがコントゥムの街。中部高原と呼ばれる地域のこの街には、不思議な異国情緒を漂わせる見どころが沢山ありました。

ちなみに場所はこの辺り。ハノイからもホーチミンからもなかなかに遠い、ベトナムの中部高原と呼ばれる地域の地方省です。コーヒーや胡椒、各種ナッツの一大産地であったり、南の方にはベトナムでは高原野菜のメッカであるダラットもあったりと、農業が盛んな地域ですね。

まずはこの記事の表紙にも写真を入れさせてもらった木造建築の教会「Nhà thờ gỗ Kon Tum」。1918年に建造された、ローマン建築と現地バナ族の高床式住居の特色が混ざり合った様式と言われています。中部高原地域の山岳少数民族に対しては19世紀中頃からキリスト教布教が始まったそうで、今もバナ族などにはキリスト教徒(カトリック)が多いそうです。

何となくお寺の境内を思わせなくもないこのような横顔も。教会ということであまり人を撮るのは良くないかとあえて誰もいない瞬間を撮りましたが、この日も多くの地元の方が教会を訪れていたり、或いは教会のある敷地内でおしゃべりをしていました。地域の寄り合い所みたいにもなるんでしょうね。

教会から少し行った先にはDak Bia川を渡す橋「Cầu treo Kon Klor」が。この先にはバナ族の集落や、綺麗な滝もあったそうですが、今回は時間の関係もあって行けず断念。残念!

市内に戻るとこちらに当時の牧師学校、かつ当時ここで活動した神父が住んだ場所がありました。広い敷地は公園のようになっていて、自由に出入りもできます。

建物の中には入れませんが、上まではあがれるので、地元の方か、観光客の方かも、多く訪れていました。当時ここで活動していた神父さんの胸像もあります。今でも外国人が来るにはそれなりに奥地ですが、19世紀、20世紀にフランスから来ていた人たちは、地元住民とどういう風に暮らしていたのでしょうか?当時の「外国人」の心情に思いを寄せます。

そしてこちらは森の中をそのまま使ったようにして営業しているカフェ。中には彫刻や絵画が雑然と、しかし存在感を持って展示され、というかそこにあり、おしゃれに休まる不思議な空間を作っていました。

下の写真には「現在は、3秒後にはもう過去になる。今現在の自分の人生を味わいましょう」という一言。うーん、確かにその通り。今この時を味わい、楽しんで大事に生きていきましょう。

ハノイやホーチミンからの直行便も無いので、中部高原の隣の省、ザライ・プレイクなどまで飛行機で来てから陸路で来ざるを得ず、行きやすい場所ではありませんが、コントゥム市内からすぐでもこれだけ見るところがありました。機会があれば是非訪れるのをお勧めします!



11年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)に滞在。ハノイ在住の目線から、時に中国との比較も加えながら、ベトナムの今を、過去を、そして未来を伝えていきたいと思います。