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【短編小説】猫語を話してみよう

俺は猫語が話せる。
そんなわけないって?
本当だぜ。披露してやるよ。

「にゃにゃんんにゃにゃむにゃ、にゃにゃななにゃにゃんにゃーんみゃん。みゃむにゃにゃにゃ~ん。にゃーにゃにゃにゃん、にゃにゃむにゃなにゃむにゃにゃ~んにゃ。にゃなにゃんにゃんみゃ?みゃんにゃんにゃーんにゃ~んみゃにゃにゃにゃ。にゃにゃみゃ。」

もし、君が猫を飼っているのなら今表示しているディスプレイを飼い猫に見せてやって欲しい。文字を読めない猫もいるので、猫思いの優しい君が代わりに音読してくれ。きっと君の愛おしい猫ちゃんは感動に打ち震えて、スキとフォローしろ!とうるさく催促するだろう。しかし君は猫語がわからない。ただいつものようにおやつをおねだりしていると君は勘違いしてしまうに違いない。悲しいね。

ん?何?俺がふざけてるって?そんなわけないだろ。
君はいつも自分が理解できない事をふざけてるとか馬鹿げてるとかって見下してるのかい?そういう態度は君を徐々に無知で傲慢な人間に変えてしまうだろう。いわゆる老害だね。
俺が愛する女性にこのことを話したら、今度猫語を教えて欲しいと言ったんだ。素晴らしい。俺は再度恋に落ちたね。

え?日本語に訳してくれって?
残念だけど、内容は猫界の秘密に関わる事なんだ。申し訳ない。
いいかい?大事なことはそう簡単には教えてくれないんだよ。だから君たちは物事に常に真摯に向き合うことが肝要なんだよ。そうでなければ世界がめちゃくちゃになってしまうんだ……。

いいかいもう一度言うぜ。
何事に対しても真摯に向き合うんだ。
でなければ、この世界の秘密を知ることは出来ない。

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