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映画「あのこと」 その音を忘れない

妊娠したことを女性だけが抱える映画がある。
それが現実だからだ。

母にも言えず、膨らむ腹をひとり見つめる。
ひとり黙って苦しむ横顔。

「17歳の瞳に映る世界」「朝が来る」「わたし達はおとな」「ベイビー・ブローカー」……

その時みんな女はひとり。

あと何人の”ひとり”をスクリーンごしに見殺しするのか。

本作でのトイレに落ちた時の音。
あの音を忘れず生きよう。

鋏が切った時の音。
その音を忘れず生きよう。

トイレのチャポンという音を彼女はどう聞いただろう。

安堵したか、情けなかったか、自分を責めたか、すべてを憎んだか。

あのチャポンは本当にチャポンでしかなく、あんな尊厳もない音を出させてはいけないのだ。

かたや男として性欲に翻弄される自覚がある。だから精神論ではなく、具体策が必要だと痛感する。


■避妊意識の強化
多くの人が怒りにまかせて暴力を振るわないのは、繰り返し意識のトレーニングをしているからだ。暴力はなぜいけないのか、暴力はなにをもたらすのか。それを我々は教育やドラマ・小説、報道で刷り込んでいる。性欲に溺れて避妊を怠ってはいけない。それが当たり前という意識になるまで習得する。繰り返しの学習機会に社会も個人も積極的であるべきだ。
 
■コンドームの配布
コンドームがポケットティッシュのように街中で配られ、日常的に携帯される。人間は性交するという前提に立ちコソコソしないで少年期から持たせる。また店頭でもガンガン販売し、ノベルティとしても頻繁に配布する。男性が携帯するのは絶対必須だが、危機管理として女性が携帯することも奨励する。(お前要らないだろとかの突っ込みは相応しくない、可能性の問題ではなく必ず携帯するのだ。)


■女性への社会的支援
望まない妊娠を防ぐ策を講じても残念ながらかなわないケースはある。そこで女性が支援を受けられる体制を強化する。診察、メンタルケア、会社や学校との調整支援、家族など関係者との調整支援、中絶を含む適切な医療、法的支援、ピルやアフターピルの支給など。「ひとり」にしない。 


■男性へのペナルティ
故意であれ過失であれ望まない妊娠に対して男性にペナルティを課す。罰金が徴収される制度。罰金が当事者女性に渡されるより交通違反のように公的なところに委ねられた方が私怨を生まないと考える。痴漢犯罪同様に当事者の特定や言い分の違いなども生じるかもしれないが、手をこまねいていては不幸が終わらない。IT技術やDNA鑑定で解決できる部分もある。抑止効果としても、ルールの厳格化としてもペナルティーを設ける。


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