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重房

みなさんの中で最強の牛刀は何ですか?
人それぞれさまざまな意見はありますが、重房は必ず候補に上がってくることでしょう
世界的な評価も高い重房のもとにどうしても行きたくて行ってまいりました。もう数年も前のことになります

タイミングがよく何と工房を案内してくださいました
もろもろ撮影は禁止とのことで記録に残したい気持ちを抑えてお話を聞かせていただきました
当時の写真はペペロッソでは見ることができるので、包丁好きの方は一声お声かえくださいませ

ひとしきりお話を終えて、大好きな気持ちを伝えて牛刀を作っていただくことになり2年待って完成した1本

結果的に造っていただいた1本は縁あって敬愛する池尻大橋の熱燗番長のもとで活躍中です

重房は、新潟県三条市にある著名な包丁鍛冶屋で、職人・飯塚時房氏がその名を広めた工房です。重房の包丁は、その切れ味の鋭さと職人技が結集した美しいデザインが特徴

飯塚時房氏は昭和17年に生まれ、地元の刃物製作所で技術を磨き、その後独立して「重房刃物」を立ち上げました
彼は、三条市の伝統的な鍛冶技術を守りながら、現代に適した包丁を製作しています
平成19年には「にいがたの名工」に認定され、平成24年度には伝統工芸士の称号を授与されています

重房の包丁は、徹底した手作業での鍛造技術により製作されています。特に「鍛地」と呼ばれる技法を駆使し、鋼材を丁寧に打ち込んでいくことで、鋭い切れ味と耐久性を実現しています
これにより、包丁は使用者の手にしっくりと馴染む絶妙なバランスを持つことが特徴です
また、100種類以上の砥石を使い分け、微細な調整を行うことで、包丁の研ぎにおいても卓越した精度を追求しています

重房の包丁は多岐にわたる用途に対応しており、特に「柳刃包丁」や「出刃包丁」が有名です

これらの包丁は、刺身や魚の処理に最適で、職人の手による精巧な作りが、プロの料理人たちに愛用されています

また、近年ではその入手が非常に難しく、数年待ちの状態が続いていることも少なくありません 。
ちなみに今回の牛刀は2年待ちでした

重房の包丁は、その圧倒的な切れ味と耐久性から、包丁という道具を超えて「芸術品」としての評価も受けています
しかし、飯塚氏はあくまでも「包丁は使われてこそ価値がある」と述べており、実用性に重きを置いています
彼の包丁は、料理の仕上がりに大きな影響を与えるとされ、多くのプロフェッショナルが信頼を寄せています

今回の牛刀でいえば、押し切りを多用する牛刀ならではの包丁の動かし方を最適化するために包丁の重心が後ろの方になっています
和牛刀等の場合は引き切りなので重心は前にしているとのこと

重房の包丁は新潟三条の伝統と現代の技術が融合した最高峰の包丁だと言えるでしょう


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