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『ツイクストをめぐる冒険』#9 ツイクストと他ゲームを比較して考えてみる①

■はじめに

本記事の途中まではお試し無料でお読みいただけます。途中から『アナログゲームマガジン』連載の有料記事となりますので、続きに興味ありましたら購入を検討してください。残りの文字数も表記されますので参考にしてください。

また、この記事は『アナログゲームマガジン』の連載の一つとなります。月額500円(初月無料)の『アナログゲームマガジン』を定期購読いただくと、わたし以外のライターの記事も、購読期間中は読み放題です。あわせてご検討ください。

だんだんとツイクストに限定して記事を書いていくのが難しくなってきました。なのでそろそろツイクスト以外のシリーズも更新して行こうかと思います。内容としてはボードゲーム全般についての内容でタイトルは「ボードゲームよもやま話」とかにしようかと思っています。

そういうわけで僕のツイクストの記事を目当てで読んでいただいてる方には事前に予告として報告しておきます。なるべくツイクストをめぐる冒険をメインで更新したいですが、内容的に難しければ違う記事が出ると思います。無料記事も可能なら出していきたいと思います。

■イントロダクション

今回の記事ではツイクストと他のゲームを比較していきたいと思います。比較することによって、ツイクストのゲーム性やゲームとしての魅力などが読んでいる方に傍証的に伝わっていけば良いかなという所がこの記事の狙いです。そういう内容なので読む方にとっては割と今更な内容をつらつらと書いているように見えるかもしれません。

■ツイクストの「勝敗の決定」と「ゲームの終了」

ゲームにはアートワークやコンポーネントなどその他様々な要素がありますが、ゲームを決定づけるのはそのシステムと勝敗の決定が多きなパートであると思っています。なのでツイクストの勝敗の決定ゲームの終了について説明します。またゲームの終了もまた勝敗の決定と不可分である事が多いのでセットで説明します。

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まずツイクストの勝敗の決定はリンクを対岸にかけ切った方が勝利という決定方法です。いうなれば条件達成型勝敗の決定とでも良い変えてもいいでしょう。

さらに、ツイクストのルールに厳密には書かれていないですが勝利出来ないと分かったら投了することも、ツイクストをよくプレイする人には一般的です。

さらにツイクストではゲームの終了は当たり前ですが勝敗が決定した時に訪れます。ゲームの終了勝敗の決定は影響の度合いが強いのである程度セットで考えるべき要素だと思います。

またこれは、ゲームの終了勝敗が決定とセパレートになっているゲームもあり、そういうゲームにとって終了の仕方もまたゲームのシステムとして大きく影響を与えている部分であるので注目すべき点だということもある。

このシリーズでツイクストと比較するゲームについては、その他のシステムについても考察するが、ひとつの基準として勝敗の決定ゲームの終了とを検討したいと思う。

■バトルラインと比較してみる

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勝敗の決定ゲームの終了

バトルラインをかんたんに説明すると一列に並んだ赤いポーン駒(ゲームではフラッグだったかと)を取り合う2人対戦ゲームです。9個ある赤いポーンを5個取るか、連続した3個を取ると勝利します。勝敗の決定ゲームの終了が同時に訪れる条件達成型のゲームとなるかと思います。

連続したポーンであれば9個のうち3個取るだけで勝利できるけれども、2つ目の条件があるのはそれが相手に阻まれて困難であることを示しています。ツイクストで言えば相手の経路を分断するような動きが起こるということですね。そして必ずゲームが収束して終了するように5個のポーンを取るという条件を2つ目の条件として設定しています。

無理矢理なこじつけのように聞こえるかもしれませんが、バトルラインの3つの連続したポーンを取るという勝利条件はリニア(直線)なフィールドの中でのコネクション(繋がり)を成立させるというシステムであると、要素を分解して説明出来ます。

つまりは、ツイクストよりもプリミティブな形でのコネクションゲームがそこにはあります。加えて、それが不成立だった場合5個のポーンを取るというポイント制へと移行する形となっています。

▼バトルラインのシステム

バトルラインの基本的なシステムとしては3枚のカードを使ってポーカー役のようなものを作っていきます。以下の強さ順でポーンを獲得していきます。

・同スート(同じマーク)のストレート(連続した数字)
・同ランク(同じ数字)の3カード
・同スートでストレートでないカード(フラッシュ)
・ストレート(連続した数字)
・ストレートでも同スートでもない(役無し)

ちなみに、同じ組み合わせだった場合は構成されている数字を足した総数が多いほうがポーンを獲得するというルールなどがあります。他にも、両者が3枚づつ置ききる前にカード構成から相手が役を上回る事が無いことを証明してポーンを獲得出来るというルールもあります。

▼必ず1枚プレイする

バトルラインでは手番が来たらカードを1枚プレイします。パスは出来ず、必ず1枚プレイしなくてはいけません。手番を終える時にカードを1枚補充します。

これにより、弱い役しか作れない場合であってもカードを置かなければならないという自体が発生します。カードは6スートで1~10枚で構成され(だったと記憶)、プレイヤーの両者にはそれが明示されています。つまりは、どこの戦線に注力するか手札に来るカードを取捨選択しながらプレイします。

これはバトルラインがどんなカードが相手の手札にあるのかわからない、次に自分がどんなカードを引けるかわからないという運の要素をマネジメントするゲームだということです。

そこにはカードゲームによくあるカウンティングという(今までどのカードが出てきたかを数え覚えておく)技術に似たようなことをします。バトルラインでは既にプレイされたカードは場に残るので、自分の手札になければ相手の手札か山札にあるか類推することになります。

バトルラインのプレイングはこういったまだ登場していないカードを類推するような所に醍醐味があり、欲しいカードを我慢して待つような所があることから「洗面器ゲーム」(水をためた洗面器に息を止めて潜るようなイメージで)と称されたりします。

▼ツイクストと比較してみると?

以上を踏まえてツイクストとバトルラインを比較してみるとどうでしょうか。

それぞれ勝敗の決定ゲームの終了が同時に訪れる条件達成型のゲームとして共通するところがあると思います。勝敗の決定の仕方には限定的にコネクションゲームとしての共通点が見いだせます。3個の連続したポーンを獲得することで勝利するという部分ですね。

それぞれの手番のプレイングについては共通しない部分が多いかと思います。バトルラインはカードを使うことで運をマネジメントするプレイングになっています。

ツイクストについてはどこにペグを挿すのかは自分で決定します。バトルラインではカードの強弱の運やカードをどうプレイするかによって勝敗に影響しますが、ツイクストではストレートに自分のプレイングが勝敗に影響します。

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