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最初のきっかけ

良く質問されます。
旭山動物園のポスターを撮影したきっかけを。

旭山動物園は市の施設ですので、基本的には予算上限がある中でのプロポーザル(提案型)か、最もお値打ち価格を出して受注に至る入札型があります。

旭山動物園の告知物は後者の入札。
広告代理店が受注した後、代理店がカメラマンなどに発注します。
ですので最初のきっかけは代理店からの発注です。

「今津さん、動物撮るの好きですよね〜?」
「はい」
きっかけはこれです。これだけです。

根回しも計算も利権もありません。
今でこそその香りを想像されそうですが、開始当時は商機とは全く無縁の地域のいち動物園。

いたってシンプル。
楽しそうだから「はい」と即答しただけです。

約22年前の会話ですが鮮明に記憶しています。
営業担当だった一谷さんには感謝しかありません。

当時、冬の開園は週に2回休みがあるなど年間の来園者は50万強でした。
ただ、閉園の危機から脱却し始め、行動展示と呼ばれた施設が少しずつ増えていた頃でもあります。

さあ、楽しい撮影が始まりました。
本来腕に着ける腕章はアクリルなどで写り込む可能性大ですので、カメラバッグに着けました。

撮影時に使用する腕章

私が撮り始めた時、ほっきょくぐま館の建設中で、来園者もそれほど多くはないため、今よりもゆったりと動物たちを撮影できました。
業務ということもあり、やはり来園者には気を遣います。

技術面では、使えるスペックのデジタルカメラは存在しなく、フィルムでの撮影です。
柔らかく表現できて、コスト的に安価なネガフィルムを使用。

屋外での撮影は感度100か400を使用。
水槽のポスター写真は800でした。
光量が少ない中で動きを止めるからです。
1600というのもありましたが、粒子が荒くなり過ぎてポスターには不向きでした。

なんとかかんとかで、初仕事を終えました。
その時、何故だか分かりませんが、田舎の動物園の田舎のカメラマンが撮ったポスターみたいに思われたくない、と若者特有の思いがありました。
何故か、全国の方々がポスターを見ると思い込んでいたからです。

2003年度ポスター写真

その後、最初の写真たちを気にいっていただいたのか、毎年お仕事を頂きました。
今ある最新のポスター(2023年度)はライオンです。


そして、次が22回目となります。
33歳から初めて55歳を過ぎました。

(こちらの私の公式shop商品説明欄に様々なエピソードを記述しています)

きっかけは、シンプルでした。
今もシンプルに同じ返答をするでしょう。

「今津さん、動物撮るの好きですよね〜?」
「はい」

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