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シモキタのとなりのハコネ

シモキタのとなりのハコネ
10月の労働時間、実に220時間超。
心も体も勤怠システム上もこれ以上働いたらヤバい、でもどこか遠くに行く気力もない、ということで、下北沢の隣の駅・代田にある旅館に泊まることにした。

結縁別邸 代田(ゆえんべってい だいた)。
以前Twitter(当時)で系列の由縁新宿がちょっとバズっていたが、新宿も代田も、箱根の温泉を汲んできている、という旅館だ。当然ながら、いわゆる源泉掛け流しとは違う。掛け流しではないだろうし、循環濾過加温式というやつだと思う。温泉には詳しくないが。
代田の駅からはすぐだが、下北沢に用があったので下北沢から歩いて行ったところ、坂を下り細い道を抜けたところで急に、ここは京都の八阪神社から祇園に抜けるあの辺りか?みたいな、石畳、低層の日本式家屋、そしてやたらと細いまだ若い木々、灯籠。立派な門に暖簾。和モダンな綺麗な建物。露天風呂には青紅葉。ただ、土の匂いや青臭い草の匂いはしない。虫もいない。虫の声や風の音の代わりに、ヨガスタジオのようなアンビエントっぽいBGMが聞こえてくる。それを薄っぺらいと思う人は箱根に行ったらいいし、私は一周回ってなんかいいなと思ってしまった。歌舞伎町タワーのサイバーパンクな日本に通じるものがあるというか…作り物っぽい日本が今っぽいというか。
ちなみに、お風呂を出るとフリーのアイスキャンディーがあったり、21時を過ぎてフロントに電話するとお茶漬けを持ってきてくれたりする。あと部屋のお茶のティーバッグが美味すぎる。茶師十段の何とかいうやつ。こういうのを飲むと、しばらくペットボトルのお茶とかが飲めなくなってしまう。朝ごはんも和朝食でかなり美味しい。3,500円くらいだったと思うけど、お値段分は十分楽しめる。量は多い。おかずの量と種類のわりにごはんが少なめで、でも絶対量が多いからおかわりはできない…という感じで、私はごはんマネジメントが大変だった。サラダに入ってる、皮をむいてだしにひたしたミニトマトが異常に美味い。塩納豆も初めて食べたけど美味しかった。あと今朝の塩鮭はかなり脂が乗ってたな。不満といえば、ミストサウナ(女湯)があるのに水風呂がないことくらい。
オーセンティックではないけど、東京での仕事に疲れた私のような人間がちょこっと現実逃避するには十分すぎる。古臭さとか不便さに良さを見出す余裕すらない時は、ただひたすらイージーで心地好いのがありがたい。外国人観光客に人気なのも頷ける。紹介している海外媒体の都合なのか、アジア系はほとんどおらずほぼ欧米系(公用語が英語)だった。

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