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「世界を、“Wa”でいっぱいに」三和酒類 焼酎製造所(大分県宇佐市大字)訪問記 2/3

麦焼酎でおなじみのいいちこをはじめとする、清酒・ブランデー・リキュール等、幅広く展開している大分県の酒類メーカー「三和酒類」。
その三和酒類へIMADEYAのスタッフで研修に行ってまいりました!
研修で学んだこと、感じたことを三部作にわたって紹介していきます。

第二部のテーマは【三和酒類の代表銘柄「いいちこ」】

1958年に3つの酒蔵が1つになり、翌年もう1蔵が加わり誕生した「三和酒類」。
調和を意味する「和」という字を社名に入れている通り、今でも各蔵の代表の方々で話し合い、全員が納得してから物事が進んでいくそうです。

そうして調和を大事に創り上げられた三和酒類の代表銘柄「いいちこ」を醸す蒸留所にお邪魔してきました

■いいちこ■

大分県の方言で「いいですよ」という意味の「いいちこ」。
日常に嬉しいお手頃価格の紙パックから、特別な日に飲みたいスペシャルまで、幅広いラインナップが揃っています。

「いいちこ」の名前は発売当時に新聞広告で募集した中から選ばれており、名付け親はどこかの看護師さんだそうです。
ちなみに紙パックにも印象的に書かれているいいちこの通り名「下町のナポレオン」も、この公募の際に誕生したそう。
ブランデーの最上級クラスの等級「ナポレオン」に「下町の」と着いた愛称は、日常にあるのに高級感も併せ持っているいいちこにぴったりですね!

工場の廊下にあったいいちこ柱

同じ味で提供することを目指しつつ、「その時流行っている味」への調整も加えており、今のいいちこは数十年前に比べると飲みやすくなっているのだそう。
昔ながらの焼酎づくりの良さを活かしながらより高い品質をもたらすシステムを構築できるような、「高品質のもの造り」をテーマに新しい試みも加わっているようです。

■「西の星」■

焼酎づくりに向いている大麦を目指して育成された「ニシノホシ」という大麦を使い醸された本格麦焼酎が「西の星」。
病気に強く、焼酎を醸すにも扱いやすく、安定した収量が得られ、さらには5月に収穫できるため米との二毛作に向いているニシノホシ。
なんとも素晴らしい大麦です。

収穫時期の5月は、畑の穂が揺れる様が大変きれいなのだそう。

今回の訪問を機に初めて西の星を頂きましたが、その飲み方が驚きでした。
200mlは裕に入るグラスに、ロックで並々と注ぐ豪快な飲み方
少し戸惑いつつ口に含むと、ふわっと上品に香る爽やかな香りとツルっとなめらかな喉越しで、むしろおかわりしたくなるような飲み心地。
地元ではこれが定番のという話にも納得の飲み方でした。

ちなみに「西の星」には20度と25度の2種類があり、25度は九州限定。
25度を割り水で20度にしているのではなく、ブレンドを変えることで20度を造っているそうです!

■ポスター■

地下鉄の駅などでもよく目にするいいちこのポスター。
壮大な景色と、物語を感じる1文と、ポツンと写るいいちこのボトルという構成は40年前から貫かれてきたスタイルです。
ご縁で繋がったデザイナーさんが長く手掛けているそうで、その方のいいちこへの想いや願いが溢れているように感じました。

社員食堂の前に連なって飾られていたポスター①
社員食堂の前に連なって飾られていたポスター②

施設

営業担当者より研究者の人数の方が多いという、人の技により醸され新しい試みにも挑んでいるいいちこの製造所は、敷地内の各建物を車で回るほどに広大でした。

■いいちこが生まれた蔵「壱號蔵」■

壱號蔵 外観
壱合蔵 内部

学校の教室より少し広い程度の大きさ。
初めていいちこを醸した時はこの規模感だったそう。
なんと今でも従業員の研修の場として現役で使用されており、新入社員は自分の目指す酒質になるよう、試行錯誤しながらここでお酒を造ることから始まるそうです。

■"酒の夢"を形にする「酒の杜21製造所」■

酒の杜21製造所 内部

壱合蔵の近くにあり、ぐるりと内部全体を見渡せるサイズ感。
こちらは試験醸造や限定品の醸造を行う施設。
海外の麦も含めた様々な麦が実験的に醸造されていました。

三和酒類のもつ焼酎の1銘柄「杜の翁」は全て、昭和53年から使われているここの蒸留機で蒸留されています。
自動コントロールの機械も多い中、こちらは全て人の手による操作が必要な蒸留機。操作する人によって味も変わそうです。

杜の翁の蒸留を一手に担う蒸留機


■いいちこも西の星も醸す「焼酎製造所」■

焼酎製造所 外観

入口から入ったその時から、麹の香りがふわっと漂っていました。
厳選し3割~4割ほど精白した大麦と、地下深くから汲み上げる地下水を使用し、自然のゆりかごの中で醸されるいいちこが蒸留されている場所です。

季節や仕込み方、温度で味わいは変わるものです。
その中で同じ味で販売していくことを目指すいいちこは、減圧蒸留したものと常圧蒸留したものを現場がブレンドすることで、安定した味の提供をかなえています。
同時にお客様からの声にも耳を傾けており、類似した指摘が続く場合はそれを踏まえて見直すこともあるそうです。

■全ての商品を充填している「ボトリングファクトリー」■

可愛らしいいいちこパックと、ありがたいお出迎えのメッセージ

"完璧な安心"が守られた充填工場の、パックのいいちこを充填しているパックラインを見学させていただきました。

安心して飲んでいただけるようにと、本当に様々な工夫がされています。

1.工場内の陽圧管理
→室内の気圧を室外より高めることで、空気の流れを利用し室内への虫等の侵入を防いでいます。

2.制服の工夫
→ポケットはなしで手足の袖口は2重。異物が持ち込まれないようになっています。

制服の写真撮影をお願いすると、笑顔でピースしてくれました♪

3.充填後、一晩寝かせて漏れがないか確認
4.充填ラインの金属探知機、シュリンク外観検査機
→探知機が正常に機能しているか確認するため、定期的にダミーの非正常パックを流してチェック

見学通路から見える充填ラインの様子

効率的に機械を導入し、人と機械によって何工程にも及ぶ厳重なチェックが行われている様からは、三和酒類の掲げている”品質第一”という理念をひしひしと感じます。

次々運ばれていくいいちこパック
充填工程の図解


■最後に■

今回の訪問で数多くの施設や設備を見学させて頂きましたが、そのほとんど全てが見学する人向けに整えられていました。
また案内してくださった皆さまはもちろん、各施設でお会いした方々も温かくご対応くださり、節々で三和酒類の「和」に触れられたように思います。
皆さまのとっても丁寧で優しい雰囲気が丁寧なお酒造りに繋がっているような、そんな和を感じた訪問でした

三和酒類の皆さま、素敵なお時間をありがとうございました!

本社の皆さまとの集合写真


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