変えようとしない。一緒につくる その2
前回(その1)は、よかれと思って進めた「高年齢者の雇用延長」により、職場のコミュニケーションが難しくなった、と言う話をしました。
職場や組織を変革する場面では、何か一つ問題を解決すると、そこから新たな問題が生じてくることがよくあります。
一方、「変えようとしない」で「一緒につくる/職場を育てる」意識でいると、特に苦しいことや辛いこともなく、いつの間にか成果が出るものです。
「変えようとしない。一緒につくる」について、とても小さな話ではありますが、私の経験から具体的な事例について書いてみようと思います。
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■ 高年齢者の社員に若手の「先生になってもらう」
・袋とじ
・工具の使い方
・図面の読み方と数量の拾い方
・積算の仕方 等々…
社会人は、会社に入って仕事の経験を通じて、様々なスキルを身に着けていきますが、少ない人数でたくさんの業務を回すようになってから、先輩が後輩の「練習」や「失敗」に付き合える時間が急激に失われていきました。
そうこうする内に、以前なら当たり前のように継承できていた職場の知識とスキル、お互い様の精神が、いつの間にか「危うい」状況になっている、と言う経験をしました。
そんなとき、経験も知識・スキルも十分にある高年齢者の社員に時間を作って「先生」になってもらい、具体的な手の動かし方はもちろん、根拠となる資料、季節ごとの注意事項などについても教えてもらったことがあります。
そうすると…
・若手社員が先生役の年配社員を見る目に尊敬の念が加わる
・若手社員が年配社員に作業を手伝ってもらうようになる
・若手社員のスキルに対する不安が減り、安心して業務にあたれる
・年配社員のやる気が復活する、進んで若手社員をフォローする
→ 皆の「得意」を持ち寄ることで、職場の生産性向上につながる。
しかし、先生役の年配社員の態度や若手社員側の心構えによっては、お互いの心がさらに離れる事態になることもありました。成果を急がないこと、若手社員が困っていることを取り上げるなど、やり方には注意が必要です。
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■ 見返りを求めず、とりあえずやり続ける
・雑古紙の片づけ
・加湿器やポットに水を補充する
・コピー用紙の補充
・納品対応
・疑問に感じたことを口に出す
職場で「雑用」と呼ばれることは、係や担当者を決めても、「気が付いた人、皆がやるんだよ」としても、忙しいとついつい後回しにしたり、忘れてしまったりと、そんなことが多いものです。
不思議なことに、管理職が交代しても、気の利く新人が入っても、やれない職場はいつまでもやれないものです。
私は試しに、異動した際に「自らやり続ける」を実践したことがあります。役職を頂いていましたが、その職場では一番の新人でしたから、「雑古紙は、どのタイミングで誰が片付けるの?」や、「コピー用紙は何箱ずつ補充するの?」など、職場でのやり方を確認しながら、朝一番に状況を確認して地道に整え続けました。
そうすると、正社員・パート社員を問わず、手伝ってくれる人が一人、二人と現れ、私が居なくても物が片付いていくようになりました。何人かで取り組むようになると、「できないときもあるよね、忘れちゃうときもあるよね。今回はやっておくから、私がいない時はお願いね」と、とても自然にフォローし合えるようになりました。
雑用をきちんとやれる職場になっていくと、「明日、私はお休みをいただくので、○○の確認をお願いできませんか?」などの相談ができるようになっていきました。
無理をして職場のルールを変えようとせず、気持ちの良い職場を一緒に作ろうとしたことで、結果として生産性の高い職場を作っていけたと思います。
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あまりにも小さな事例ですし、どこの職場でも「そのくらい当たり前」と言うことかもしれません。
私には、こういう小さなことも「組織開発」であり、「(ちがいを超えて関わり合い)一緒に作る/職場を育てる」と言う解釈がしっくりきます。
あなたにの職場での組織開発はどんなものでしょうか?
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職場での組織開発の事例検討会をします。
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日時:2019年1月24日(木) 19:00~21:00(開場18:30)
会場:ヒューマンコラボレーションセンター(HCC)
(名古屋市天白区原一丁目2304 ライオンズマンション原)
参加費:2,000円(当日お支払いください)
持ち物:筆記用具、学ぶ心(+お酒・おつまみ・お菓子などを少し)
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