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義母のスイッチ

明らかに認知症の義母。
一緒に暮らす義兄に1日出かけるからと、土日の留守番を頼まれた私。

土曜日は夫が仕事のため、私一人で訪問すると、ときどき会話がちぐはぐになることはあるものの、「次男の嫁」であると分かって応対してくれました。

そして翌日曜日。

夫とお昼頃行くと、義母はリビングのソファーで座位のまま眠っていました。
うとうとしながら次男である夫を「次男」と認識し、やがて私もリビングに顔を出すと、「次男の嫁」であると認識してくれました。

お茶を飲みながら2時間ほどたったころ、急に義母のスイッチが切り替わり、夫を息子と認識しなくなったのです。

夕方となり、夫が気分転換に外へ連れ出そうと声を掛けるのですが、
「結構です」
という感じです。

以前、私でさえ「他人」と認識された時もショックだったのですから、実子である夫はより辛かったのではないかと思います。

私の時も、疲れてきたであろう夕方から「他人」になったので、昨日調子よかった分、今日はどうかなと気になっていましたが、まさか夫まで分からなくなるとは思っていませんでした。

その夜、23時すぎに義兄から電話があり、今日は次男も一緒に来たのか、と聞かれました。今日は二人で行ったことを伝えると、
「知らないおじさんが来ていたって言うんだよね」
「ときどき、次男のことが分からなくなるんだよね」
と言っていました。

そうか、すでにそこまで進行していたのか…と正直驚きました。
一緒に生活している義兄はちゃんと記憶にあるようなので、離れて暮らす夫は、長くいると疲れてしまうから、記憶に残る短い時間でたびたび顔を見せた方が良いねと話し、その日は眠りにつきました。

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