2018.09 島の果物あれこれ ◼️ 八丈島

島に来る飛行機の中で近くにいた学生の女の子たちが
「着いたら、何食べる？」
「果物有名だよね？」
「フルーツパーティーしよう、きゃー」なんて
とても素敵な提案をしていて、わたしもそれがいいなと思った。
暖かい場所というのはおいしい果物がたくさんある。
台湾の屋台でパイナップルやグアバを買って食べたことを思い出してわくわくした。
あれはとてもおいしかったのだ。

それから着いたその日の夕方、スーパーあさぬまに行ったら
なんと八丈島産の果物などどこにも見当たらなかった。
置いてある果物はほとんど輸入物で、本州より50円くらい高かった。
彼女たちは一体何を食べたのだろうと思った。あんなにはしゃいでいたのに。
わたしは一人がっかりした。
スーパーあさぬまにはいつ行っても置いてなかった。

少し離れた八丈ストアにはパッションフルーツが売られていた。
他の果物は見当たらなかった。

1個　￥300　高い

酸味があっておいしかった。が、果肉が少なかった。
そういうものなのだろう。

そうして、しばらくは南国の果物への期待が満たされぬ日々を過ごした。
時には植物公園の温室に行って、バナナやレモン、ジャックフルーツなどが
実っているところを指をくわえてみていた。

けれど、その日はやってきた。
「えこ・あぐりまーと」という産直で色とりどりの島の果物たちを見つけたのだ。

バナナ　¥250　レモン　¥300

ある日はバナナとレモンを買った。ネリはたまたま居合わせた生産者のおじいちゃんがくれた。
青いバナナが手に入ったのがうれしくて茹でてサラダにして食べたけれど、バナナの風味がまるでなくなってイモのようになってしまったのは、つまらなかった。

２週間ぐらい置いておいたほんのり青いバナナ。
これでも十分熟していたが、後味は青いバナナの渋みがあった。

ドラゴンフルーツ　¥500　マンゴー¥250
ある日はドラゴンフルーツとマンゴー、手作りアイスクリームを買った。
マンゴーは思わず一人で笑ってしまうくらい甘くておいしかった。

派手な見た目とは裏腹にごまのような種の感じが馴染み深くなぜか落ち着く。果肉がいっぱい詰まっていたけれど、味は気の抜けた梨のようだった。

彼女たちはここにたどり着けただろうか。
わたしはもうしばらく南国の果実を味わえそうである。