【黒歴史】リアル中二病時代の妄想をさらけ出そう!!

※注意※
本記事は、中二病黒歴史を扱います。人によっては、心の中の何かを刺激され、体調に異変をきたす可能性があります。危ないと思ったら、迷わずブラウザバックするよう自衛してください。
俺も書いてて辛くなってきた。息切れがする。逃げるなら今のうちだぞ!!!

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渡葉です。普段はゲーム会社でシナリオを書いております。

基本的には既存キャラにフォーカスし、いかに魅力的に見せるか……という仕事が多いですが、たまにキャラクターの設定から製作する事もあります。最近では、舞台設定・世界観みたいなものから作るお仕事をいただき奮闘しているところです。

で、久々に「設定」というものをゴリゴリ書いていると、思うわけです。「黒歴史ノートじゃん!」と。もう、ちょっと笑っちゃったよね。とある国の成り立ち、民族、勢力について書いてある資料……これが黒歴史ノートでなくて何なんだ!?

いやまあ、数分前に書いたものに対して歴史ってのもおかしな話なんですが、その言葉がしっくりきすぎる。

いわゆる黒歴史ノートって、大半は設定資料集だと思うんですね。実際に物語を書いていた人のほうが少数派なんじゃないかな。なぜならストーリーを作るのはクソほど手間だから(本職の人間でもそうです)。「俺は今日一日、黒歴史ノートを書いて給料を貰ったのか……?」と思ったら自然と笑みがこぼれちゃったよ。

思うに、ある人が「これがカッコイイ!」「ワクワクする」「テンションが上がる」と感じる要素が凝縮された、その人の「性癖のイデア」は設定資料にこそ現れるのかもしれません。

セリフや展開に興奮する人も、その断片だけ資料に書いてあったりしますしね。その濃度が、黒歴史ノートが「黒」たるゆえんなのかもしれない。性癖をギュッと煮詰めてSK-Ⅱみたいにポタっと垂れてきたのが設定資料なんですよ。

だとすれば……。上記の俺はなんてヌルい事を!!

自分の書いた設定資料を俯瞰で見て「黒歴史じゃん。フフッ」とか笑ってる場合かよ。もっと本気になれよ。魂こめた設定を……お前の性癖をしっかり資料に焼き付けろよ。お前のSK-Ⅱを見せてみろよ!!

設定を作る仕事を任されたわけですよ。設定ってのは、理屈じゃないんです。脳直で「イイ!!」ってお客さんに思って貰わなきゃいけない。お前は自分で「最高!」と思ってない設定をお出しするつもりなのか? 向き合えよ。それが! お前の! 仕事だろうが!!!

えー、わかった。わかりました。

こうなったら振り返るしかない。実際に自分が中二病だった頃、どんな設定を思い描いていたか。そこには自分の初期衝動が、俺自身が脊髄反射で「イイ!!」と思っていた要素が眠っているはずです。

というわけで、見さらせ! 本邦初公開。今までツイッター等で語ったこともない、十年来のフォロワーにも教えたことがない……これが俺の黒歴史だ!!

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1.はじめての一次創作

初めてイチから設定を考えたのは、高校一年生の時だったと思います。中二病とか言いつつ、自分の中二の全盛は高校時代なので。

それまで創作といえばKanonの二次創作をBBSにカキコするくらいだったわけですが、当時ラノベをたくさん読んで刺激されたのか、自分で何か考えてみたくなったようで。そうして生まれたのが、「人造兵器の少女」の話です。いいね、中二っぽい単語だね!!

一話くらいは小説(と呼ぶのもおこがましいが)も書いたんですが、早々に挫折してやめたので物語はほぼ存在しない。設定はこんな感じ。

神崎愛美(仮)

主人公の少女。普通の女子高生。両親の記憶はなく、「ハカセ」と呼ばれる男との二人暮らし。飄々として怪しいが優しいハカセに心を開いていた。

しかしある日、学校から帰ると、謎の男にハカセが射殺されていた。そこで彼女は己に秘められた力を知る……というところからストーリーが始まる。

ある研究機関によって体内に「ウェポン」を埋め込まれた改造人間。通常一人につき一つしか使えないウェポンを、彼女は五つも体内に宿している。ウェポンは血中の酸素をエネルギーとするため、強化人工心臓も埋め込まれている。

当時の友人からは「ARMS(皆川亮二)みたい」と言われました。そうだね。ちょうどこの時期、キミから借りてた漫画だからね……。

ウェポン(仮)

超常的な力を持った武器。パオペエとか魔道具とかダークブリングみたいなもんだと思ってください(当時、斬魄刀ってもうあったっけ?)。

普段は小さな球体の姿をしているが、それを飲み込むことで実際に武器が体のどこかに顕現する(愛美は体内に球体を埋め込んでいるため、飲み込む手順を省略できる)。

出現する武器は体の一部、または延長の形をとる。たとえば愛美の最初のウェポンは右腕に接続された籠手のような形状で、大きなツメが二本生えている。ツメからはかまいたちを発生させる。

…………。(このへん、まんま烈火の炎の風神だな……。)

前述の通り、酸素をエネルギーとする。愛美のウェポンは五つ全て考えてあって、右腕、左腕、足、背中の羽根などの形で顕現する予定だった。具体的な武器名や能力もあったはずだけど忘れました。

† † †

……という、ね! 大丈夫ですか。ついてこれてますか。俺は早くも限界が近いです。既に後悔し始めてる。恥っず!

でも、主人公にちゃんと特異性があって、同じ能力体系を使う登場人物の中でも違う設定を持たせているのが、今よりもしっかりしてますね。ラノベ作家デビューした時にすごい悩んだからな。主人公をチート設定にしたくなくて……。

しかしアレだな、癖の記事でも語った「女主人公好き」この頃からなんだな……。実は愛美に惚れている少年とかも登場するんだけど、普通そっちを主人公にしない?? でも、うん、そう。それが個性だから。


2.掲示板に投稿していたキャラたち

上の創作と同時期に、自分のサイトの掲示板で、何人かとキャラクターを作って、共通の舞台で動かす遊びをしていた。PBMみたいなシェアワールド遊びを、個人でやっていたのは先進的だったかもしれないな。

そこに投稿したキャラも、かなり脳直で作っていた覚えがあるので参考になるかもしれない。そのぶん痛々しいけど、我慢してほしい。一緒に乗り切っていこうな!

市長(仮)

物語の舞台である「沖人市」の市長。自分の操作するメインキャラクター。長身のイケメン。……長身のイケメン!?!?(自分で自分に驚いている)(そんなキャラを作ったのは、これが最初で最後かもしれない)

非常にフランクかつ軽いノリの人物で、セクハラ常習者。大変に性欲が旺盛で、すぐナンパするオープンスケベ野郎。「スカートは膝上〇〇cm」などの規則を条例で定め、市内の学校で施行していた。各地に現地妻がたくさんいた。息子や娘が登場したこともある。

強力なサイキック能力者で、過去に悪の組織に改造された事をほのめかす(真相は不明)(考えてなかった)。両手をポケットに入れたまま戦場を掻きまわしてしまう。「フルーツバスケット」の紫呉さんの見た目で、「ARMS」のクリフの戦闘スタイルだと思ってくれ。ARMS好きだな!!

秘書(仮)

上記の市長の秘書。いつも振り回されるかわいそうな女性。なぜか市長はこの子に対してはまるで性的興味がなく、唯一セクハラを受けることがなかった。信頼の証だろうか? 市長に泣かされたり、逆にガミガミ説教したりする。渡葉作品には珍しい非戦闘ヒロイン。

オタクの侍(仮)

敵組織の実力者。和服を着て、刀を持ち歩くサムライ。だがその実態は重度のオタクで、アニメショップで大量の漫画を買い込むなどの行動をする。

戦闘スタイルは特殊で、実在の漫画を取り出し、開いたページに書かれている技をそのまま使うことができる。刀を持っているので、剣技も再現可能。どうせネットの掲示板だという事で実在作品を使いまくり、るろ剣の牙突や縮地も使っていた。「ハンターのクロロじゃん」と言われたが、まったく意識していなかった。

双子(仮)

まだ幼いショタとロリの兄妹。……ショタキャラ!?!?(自分で自分に驚いている)(そんなキャラを作ったのは、これが最初で最後かもしれない)

兄は大型バイクを乗り回す活発な少年(ショタなので明らかに無免)。バイクに搭載されたガトリングガンで戦闘を援護する。妹は無口クールなロリ。銀髪。大剣を操り、前線でガンガン戦う。やっぱり女の子が前衛なんだ。好み出てるな……。

エージェント(仮)

「LAWMAN」「ジオブリーダーズ」に登場した入江省三みたいなのがやりたくて作ったキャラ。物腰はやわらかく、抜けているようで残虐。邪魔者は躊躇なく銃殺する。入江省三のような見た目で、入江省三のような性格。

† † †

……はい。そんな感じでした。彼らを書いていたのは二十年くらい前になりますが、思い出そうとしたら余裕で思い出せたので、自分の記憶力キモイなと思いました。

意外だったのは、イケメンやショタがいたことですね。なんせ無垢な高校生だったので、男キャラも、自分がカッコイイと思えば純粋な気持ちで作れていたのでしょう。この十年後には、こじらせて男主人公が作れなくなります。かわいそうですね。

ゲームの仕事を始めてからは、男もたくさん書いたのでもう苦手意識は前ほどないですが、魅力的だと思ったものは魅力的だと、脳直でお出しする姿勢は今からでも大事にした方が良いかもしれないですね。


3.寝る前の妄想軍団

さて、ここまで紹介してきたものは、黒歴史とはいえ、一度はインターネットに投稿したことがある内容ばかりです(レンタルサーバーのサービス終了によって全ての記録は藻屑となったので、二度と読めませんが……)。

ここからは、さらに深いところへ行きます。当時ですらオモテに出さなかった、自分の頭の中だけで動かしていたキャラクターたちの話です。

寝る前に、フトンの中でキャラクター妄想をした人も多いでしょう。自分もそれをしていました。オリジナルキャラを多数作り、ずっと動かしていました。その内容です。きっと、性癖のさらに深淵を見ることができるでしょう。逃げるなら今のうちだぞ!!!

カナ(仮)

ある国で王女の地位についている少女。小柄で可愛らしく、内気で優しく、周囲からは好かれる。命にかかわる重病を患っており、心臓の激痛と吐血に悩まされている。他人を癒す力を持っているが、自分自身に対してだけは効果がない。

体調を崩すたびに周囲に迷惑をかけることに痛烈な罪悪感を抱えており、自らの命をゴミ同然に考えている。死にかけてでも他人を治そうとする。侵略者相手に単身飛び出すことも。一方で、自分などいないほうがマシと考えて失踪したり、自殺を図ることもあった。

後に「相手の攻撃そのものを癒すことで無効化する」という反則じみた能力使用法に目覚め、前線での戦闘にも役立てるようになる。

最終的に、周囲に愛されていることを受け入れ、姉と「ぜったい長生きする」と約束したのは名シーンだった(妄想の中で)。死亡エンドも妄想したことあるから、多分どこかに分岐がある。

現パロ時空ではカフェでバイトし、マスコット的存在だった。

ハルナ(仮)

カナ(仮)の姉。妹を異常なまでに溺愛している。年下のカナが王位についていたのは彼女が妹のほうを激推ししたから。活発で姉御肌。イケメン女。でも妹が体調を崩したらボロボロ泣く。

今で言う異世界転生みたいなオープニングも考えたことがある。カナとハルナが見たこともないファンタジー世界に飛ばされ、そこにはハルナの銅像が建っていた! そこから王位に祭り上げられそうになるが、妹に譲る展開に。のちにタイムリープして救国、銅像は本人のものであったと明らかになる。妹の銅像がなかったのは、途中で病死したからだった。

戦闘スタイルは徒手空拳だが、なんかドラゴンボール的にオーラを扱えた。凝縮したオーラに圧倒的な硬度を持たせることで貫通力を増すのが得意技。味方最高レベルの戦力だが、それでも敵幹部にはまるで及ばないくらいのバランスだったので、妄想の中では撤退戦ばかりしていた(ひどい)。

現パロ時空ではタバコに酒にバイク通学と、とんでもない非行少女だったがこの設定は後に是正されて無かったことに。たぶん尖らせすぎて後悔したのだろう。

エリ(仮)

カナ(仮)の主治医だった少女。医者のくせに脳筋。天才肌で、知識ではなく「感覚的に相手の症状を理解することができる」異能感覚の持ち主。常に強気だが、王女の主治医という立場には責任を感じていた。ハルナによく懐いており、彼女を悲しませないためにも懸命に頑張る。

得物は双剣。二本とも両刃の短剣で、片側の刃は普通に相手を切断するが、もう片方で斬ると逆に傷が治るという妙な設定の剣だった。回復役なのに前衛。そういうアンバランスさが好き。

ミキ(仮)

上記のエリの相棒的存在。カナのメイドになる。その仕事量は異常で、おっとりしていると見せかけてめちゃくちゃデキる女。エリとデキている。百合の人。タチ。

得物は巨大なビーム銃。「ポータブルな戦艦」がコンセプトの武器で、複数の大小さまざまな銃器やバリア、小型自律機動兵器などを備えている。急にメカ。技術体系とか世界観とかどうなっとるんや? まあ妄想なので。

マコ(仮)

カナから見て年下にあたる子分みたいな少女。元気で頭は悪い。カナにとても懐いていて尽くしたいと思っている。

得物は剣。途中でその剣は折られてしまうが、死の淵で、折れた切っ先を光の鞭で繋いで操る術を身に着ける。今思うと死の淵のわりに地味だな。のちに、自らの肉体を光と化し、光速で移動する能力に目覚める。そっちが死の淵じゃないんだ。

サク(仮)

上記のマコとセットで登場。理知的で冷静。年下キャラだが人格的には一番大人びていた。

得物は銃。銃口にさまざまなアタッチメントを取り付けることでバリエーション豊かに用途が変化する。拳銃、ショットガン、マシンガンなど。スナイパーライフル形態で狙撃手として運用されることが多かった。

† † †

………いかがでしたでしょうか。これまでと比べても散漫で、整合性とか統一感とか投げ捨ててるあたり「妄想」でしかない事がうかがえますね。

なんか、妄想の世界で数年以上ともに生きた、付き合いの長いキャラたちなんだけど、いざ設定として書き起こしてみると……薄くない?? なんとなく性格の方向性と、関係性さえ定まっていれば、ひたすら似たパターンを繰り返すだけで続けられるんだな……。

めちゃくちゃ色んなパターンのストーリーを毎日妄想し続けたはずなんですけど。現パロ不良高校編とかね、いやー、アツかったですよね。バトルロイヤル編とトーナメント編もね。なんだかんだ、十代~二十代でずっとこんな事してたのが、今の職業にも繋がってたりするのかね。そうだといいな。


というわけで! 色々見てきましたが、どのキャラ・設定も自分の素直な「カッコイイ」が搭載されてて、こういうの大事だなと普通に思えました。どの黒歴史も、一人一人に戦闘スタイルが設定されてるの地味に凄いな。最近、あんまりそんなこと考えたりしてないや。

これが俺のSK-Ⅱだったのか。まあ書くだけでなんか憔悴したので、お肌は潤うどころかむしろボロボロになった気もしますが。でも、創作を志して、自分が何を目指しているかわからなくなった人は、黒歴史と向き合うことで得られるものもある! という事を、伝えたいと思います。

あと2時間で3X歳を迎える節目に、気持ちを新たにできたなー!!

(本エントリは、2022年の誕生日記念記事です。昔は誕生日に必ずブログを更新していたので、数年ぶりに復活してみました。よければ祝ってやってください)


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