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死にがいを求めて生きているの


今日は学校をサボって6時間以上かけて「死にがいを求めて生きているの」を読んだのでその感想文を。

読んですぐ熱が冷めないうちに書いているので、文章は良いものと言えないかもしれないけど、ご了承下さい。

私にとって読書はテレビを見たりYouTube見るのと同じくらい楽しいものなので、何時間読んでいても苦痛ではないな〜。
この集中力が他の勉強とかにも生きればいいのに、全くそうはなってないのが悲しい。


あらすじ

植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。この2人は性格のが全然違うのに、小学校から大学までずっと友達でいる。その様子を2人の友達であったり、たまたま2人と関わりがあるような第三者の視点から描かれる。2人の小学校から大学、そして智也が植物状態になる現在までを追った物語。時代は平成。



ざっとこんな感じです。
ここからは、感想になるので読み終わった人と共有できたら嬉しいな。


とにかく読んでいて胸がザワザワするような違和感がある。
小学生時代は確かに家が近いから友達になったり、色んな人と仲良くするものだという感覚が1番強い時期だと思うので、自分とタイプの違う友達もたくさんいた。
智也と雄介もそういうものなのかと読み進めるがそうではない。 
中学に入っても高校に入っても2人はずっと一緒にいて、大学も同じ大学に通う。そしてとにかく智也は雄介に甘い。どう考えても注意していい場面がたくさんあるのに気にせず放置している。ゾワゾワした。

最後智也の視点で語られた時全てがわかる。その章を読んでいる最中もとにかくドキドキした。
「絶対に目を覚ましてくれ…。」
そう思わずにはいられなかった。雄介に対する嫌悪がとにかくだんだん膨れ上がる。最初の章と最後の章でこんなに印象が変わるものか。
読み終えた後に最初の章を読み返すと、とにかく胸糞悪い気分になる。「あぁ、自分はなにも見えてなかった。この人の思う通りの思考に陥ってる。」と。

最後の1行まで面白かったなぁ〜。
この本を読んでどうなりたいか、自分は今どういう風に生きているか、考えても考えてもまとまらない。
朝井リョウさんの本はそういうのが多い。決して答えをくれないというか、問題提起されて後は自分で考えて見つめ直してくださいみたいな。
そういう本が好きだな〜。結局自分の中でも答えが出ないけど。


いくつか心に残った場面を。。

・手段と目的が逆転している
「褒められたいからいい子であろうと頑張る」のように手段と目的が逆転してしまう事がよくある。何かを始める時に純粋な気持ちではじめるのではなくて、その先の評価や賞賛に合わせて手段を色々と変えてしまう。
これが良いとか悪いとかではないと思うけど、人間誰しもある認められたいという気持ちが描かれていて、自分の心にもあるそういう気持ちが見透かされた気分になった。

年齢を重ねていく中で、求心力となる要素は変わっていく。自分が持ち合わせていた要素が有効な時代はもう終わったならば、自分の中身を更新していかなくてはならない。                  p.221

与志樹の章。読んでいで辛かった。

過去の栄光に縋り、その時の快感が忘れられず当時のまま時が止まっている。その間もまわりの友人はどんどん前に進みアップデートしているのに。そしてそれに気付いた時にはもう手遅れ。

長所というものは時代や環境によって変えていかなくてはいけないと思った。
小学生時代は足が速い事が長所の人も、社会に出て足の速さをウリに生きていくのは難しい。そんな風に大人になるにつれ自分の武器を増やし、その時々で活躍できるものを長所としていかなければ時代に取り残される。


・ナンバーワンよりオンリーワン
平成に生まれた人は競う場面が昔に比べて減っている。この物語でもあるけど、運動会の棒倒しやテストの順位の掲示板が廃止されていた。誰とも競わなくていい、対立なんてしなくていいとされる時代。
そうすると優しい世界が出来上がるのかと言われたらそうじゃない。
ナンバーワンよりオンリーワンになる方が難しいんじゃないかと思う。
目に見える結果や数字で競うのではなく、目に見えないアイデンティティで他と差別してオンリーワンを目指さなくてはならない。結局どちらも他人と比べることでしか目指す事ができないんじゃないかと思う。
ナンバーワンは他人の評価、オンリーワンは自分の評価によって決められる。

目に見えない幸せだったり苦しみだったり充実度など。こういうものはオンリーワンを目指すしかないし、自分の軸で評価していかなければならないけど、どうしても他人と比べてしまって、けどどちらが幸せなんて決めれるわけもなく。
SNSが主流となっている時代だからこそ、とにかく人の生活に興味が湧いて、それを偉そうに勝手に評価して勝った負けたを決めてしまう。こういう自分がすごい嫌だし、これは誰しも持ってる感情なんだろうなと思った。
早くそういう次元で誰かと勝手に勝負するの辞めたいな。
(めっちゃ暗くなってしまった…。)


以上この本を読んで思ったことです。


あと、朝井リョウの比喩表現が本当に好き。それをそんな風に喩えるんだ、といつも感心してしまう。

焼いている最中のホットケーキみたいに、ぷつ、ぷつ、と色んな感情が湧き上がっては、すぐに消えていく。

特に好きだった、思考がぶつ切りになる様子を表現した文章。

今の私もこんな感じ。
いろんな悩みが頭のなかに浮かび上がってくるけど、どれも深く考えることはなく、けど次々膨れてくる。
銭湯に行ってる時とか特にそうなるな〜。




こんな感じで今日も生きてます。

朝井リョウさんのオススメの本があったらぜひ教えて下さい。
ここ2、3年で出版された本とエッセイは読み終えました〜!


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