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自分を大事にしなさい、って言うけれど

これって、ちっとも具体的じゃない。大事にするって、どういうことだろう。

因数分解の考え方や、英語の構文は学校で教わるけれど、自分を大事にする、というのがどういうことなのかは、だれも言葉で教えてくれない。子供の頃からの人間関係の中で、なんとなく感じ取っていくものらしいけれど、この殺伐とした世の中で、守ってくれる大人が必ず近くにいるとも限らなくて、それを知らずに生きている人もたくさんいると思う。

”知っている”人の世界と、”知らない”人の世界は全く違っていて、”知らない”人への風当たりは、結構強い。世の中は”知っている”前提で回っているからだ。”知らない”ことそのものを非難する”知っている人”も一定数いるし、”知らない”ことを痛々しいと笑ったり、都合よく搾取したり、傷つけようとしてくる人だって少なくない。

自分を大事にすることは、自立した大人の責任だ。自分を大切にしなさい!自分を大切にしない人は、他人も大切にできない!言い訳ばかりして甘えるな!
こうした世の中の正論に傷つき、思う。
わかったよ。わかった。自分を大事にしないことが、回り回って、周囲の人間に悲しい思いをさせたり、迷惑になったりすることも。自暴自棄になることが、時に責任を放棄しているように見えるということも。頭では、わかっている。わかっているけど、そう言われたって、やり方がわからないんだ、、と。

でも、わからないのは自分の落ち度だと、自分を責めるのは、一旦やめよう。

人はみんな大事にされる経験をして、大事にできるようになるんだと、思う。そして、大事にしてくれる人に人生のどのタイミングで出会うかは、あなただけでは決められないどうしようもなく運命的なことであって。大事にされたと感じたことがないあなたが、大事にする方法がわからないのは、ごく自然なことなんだ。

わからないのは君のせいじゃない。誰のせいでもない。だからこれ以上、責めるのは終わりにしようって、思えたところが始まりになる。きっと。









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