差し伸べる、ということ

実家に帰ってきた。まあ実家と言うけど大学からたかたが15km程度しか離れていなくて、よく自転車で通っていた程度の距離なのですが……。それにしても両親、二十歳の娘が帰ってくるってのにハイボールとストロングしか用意してないのどういうつもりなんだ。勿論飲みましたけどね。いま少し身体があつくて、セルフ熱帯夜を演出。
どうして実家にいるかというと、介護実習があるからなのです。実はわたし、教員免許を取得するために勉強しているんだよね。先生になるつもりは全然ないけど、学校嫌いだからさ……。その話もおいおい出てくるでしょう。それで、教員になるために必須条件として介護があるわけ。
しかしこの介護実習、なかなか面白い。特段お年寄りが好きな訳では無いと思っていたけど、とてもインタレスティングです。
実習に行くまで、お年寄りって何にもできないからなんでも身の回りのお世話をしてあげるのが介護だと思っていた。実際は違うんだね、「できない」を助けるのが介護であって親切なわけだ。たとえばこちら側が車椅子に載せて歩かせずに移動して、体を洗って口に食事を運んであげたらそれは怪我もないし安全でしょう。けど、それじゃ相手のためにならないんだよね。人によって「これはできるぞ」とか、「ここからちょっと難しい」っていうのがあって、それを手助けしたり、できてないことを教えてあげるのね〜。一人一人にどれだけ介助をすればいいのか、綿密に決められていて、みんなで情報を共有して様子を確認しつつ介護しているらしい。こんなに個人を大切にするのって、小学校ですらないんじゃないかなって思った。先生になる人には知るべき貴重な体験だ、これは。実際できるかは別として、「手を差し伸べる」っていうのがどういうことかを考えました。
そんな実習も明日で終わり。やっと利用者さんの顔と名前が一致してきたところだからなんだか悲しい。
そうそう、今日こんな話も聞きました。「わぁもおめぐらいの頃さもどりてぇじゃ〜」(私もあなたくらいの20代のころに戻りたいなあ)と言ってて、その人は二十歳の頃はもう既に農家として働かなきゃいけなくて、今の時代に生まれたら好きなこと、したかったことたくさんしたいのだって。ちなみにここは田舎だから、みんな自分のことを「百姓」というけど、私にはどうしても抵抗がある。同じように「部落」にも感じる。感じることが一番の偏見ですか? 困ったなあ。
好きなこと、やりたいことばっかりして、この夏はたくさん旅行するつもりだし、ハイスペ集団になぜか属している私はなんとなくセンチメンタルな気持ちになりました。こんな時代に生まれちゃってごめんなさい。やはり、真摯に生きていきます。
さて、家に帰って、たらふくご飯を食べて、親が洗った食器を布で拭きながら妹が携帯を弄っているのをみて、昔に妹はドラえもんを見てるのに私だけ父に手伝いをしろと怒られて泣いたのを思い出しました。今となっては別に妹に羨ましいとかずるいなんて思わないんだけど、なんかな、ドラえもんにあんな執着していた私がいなくなってしまったことが悲しくなってしまった。テレビ、買おうかな。 #日記 #地方 #女子大生 #エッセイ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?