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【書きとめ】Silver Nanorings:New Generation of Transparent Conductive Films
自分用に書きとめ
https://doi.org/10.1002/chem.201804788
概要
銀ナノリング(リング径約15μm, 厚120nm)の新規合成法を開発。銀ナノワイヤー合成に類似した方法で、アンモニウム塩を添加し加圧条件下で液相還元合成することにより、ナノリングの高収率合成を達成。
バックグラウンド
これまでにもナノリングの合成例はあった。しかし、低収率だったり、形態の制御ができなかったり、方法が特殊で高価だったり、、満足のいくものではなかった。これらの例としては、特定の高分子やポーラス粒子をテンプレートとしてナノリングを合成するものである。そもそもテンプレートの精度が無いと、収率や制御が伴わないのは言わずもがな。生産という観点からはあまりよろしくない。
おいしい部分
この論文にある合成法のミソは、「アンモニウムイオン添加」と「加圧」にある。リング形状になるメカニズムは詳細に検証されていないが、加圧することにより収率が5→90%に跳ね上がる。結晶成長の初期はワイヤー形状で伸長するが、アンモニウムイオンの吸着によって伸長方向に制約がかかり、さらに加圧によってそれが促進され、終端で閉じるという。
感想
ナノワイヤーが曲率をもって終端結合した形状が"リング"というのは、トポロジカルな視点で面白い。アンモニウムイオン種を上手く選定/組合せすれば、サイズの異なるナノリングを合成できるだろうな。本方法のような液相還元合成では、ミクロに見たときに溶媒の分子構造が効いてくる可能性もありそう。
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