[書きとめ] Ascorbic acid stabilised copper nanoclusters asfluorescent sensors for detection of quercetin

https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2020/RA/D0RA01265C

概要:

Cu2+イオンをアスコルビン酸を水溶液中で加熱することで、銅ナノクラスターが合成できる。このナノクラスターは水中で安定であり、青色蛍光を示す。液中にケルセチンを含む場合、この蛍光の消光が認められた。ケルセチンの検出プローブとしての応用できる可能性がある。

背景:

金属ナノクラスターの合成には、様々な手法がこれまでに研究されている。ナノクラスターの金属種は、安定性や生体適合性の観点から金もしくは銅を利用するケースが多い。一方、コスト面では金や銀よりも銅のほうが優れている。
銅ナノクラスターの合成方法も様々研究されているが、ここではアスコルビン酸を用いたシンプルな手法を報告している。

美味しいところ:

この報告の銅ナノクラスター合成方法では、Cu2+イオンと
アスコルビン酸の水溶液を70℃で加熱するだけでよく、汎用的で低コストの材料のみでOnepot合成できる点で優れている。アスコルビン酸は還元剤として機能し、ナノクラスターの保護分子としても機能している。ケルセチン共存下での蛍光消光に対してはNa+, K+, Mg2+, Ca2+, Cu2+, NO3-, CO3 2-, ドーパミン, 没食子酸, グルタミン酸, プロリン, システイン, グルコース, BSA、これらのイオン種とアミノ酸およびBSAタンパク質を用いて選択性を評価しており、この範囲ではケルセチンで特異的な消光がみとめられる。消光のメカニズムとしては、FRETのようなエネルギー移動を伴う動的なものではないと結論付けられている。また、ウシ血清にケルセチンをスパイクして定量検出した場合、定量の確度は95%以上で検出限界は0.19μM。

感想:

ケルセチンの選択性がどこでもたらされてるのか?そこが気になる。銅ナノクラスターの表面はアスコルビン酸で被覆されているが、アスコルビン酸と相互作用しているんだろうか。もしそうなら、ドライビングフォースは水素結合かな。イオン強度の条件振って蛍光強度と相関取ればもっと深掘りできそう。

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