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0655 台湾地方統一選挙で与党の民進党が惨敗 日本人のステレオタイプの発想では台湾情勢は理解できない

 ※昨日の続きです
自分には台湾人の友人が
たくさんいますが
皆、口をそろえて言うのは
前回の総統選挙で
「香港のことがなければ
 蔡英文は負けていた」
ということです

誤解している日本人が
多いのですが
日台関係が飛躍的に
発展した時の政権は
国民党の馬英九政権です

東日本大震災の時には
総統自らテレビに出て
支援を呼びかけました

日台漁業協定締結も
飛行機の便数が
大きく増えるきっかけの
日台オープンスカイ協定も
国民党政権の時です

もう一つ、これも
日本人は知らないのか、
民進党はリベラル色の
強い政党でもあります
同性婚や反原発など
日本で言えば立民のような
主張も少なくありません

だから「日本大好き」で
「中国は大嫌い」という
保守的な台湾人の中には
「民進党は嫌いだ」と
いう人もたくさんいます

そして、これが一番
大事な要素なのですが
李登輝さんの時代と違い
今の台湾の経済は
中国依存度が非常に高い、
という現実があります

中国もそれを利用し
蔡英文政権になって
台湾への旅行を禁じたり
台湾からの輸入に
制限をかけたりして
馬英九の時に比べて
経済は落ち込みました

そこにコロナが広がり
厳しい行動制限を
かけたことも民進党には
逆風になりました

そんな中の統一地方選で
民進党は地方選なのに
「対中姿勢」を前面に
出したのに対して
国民党は「生活や経済」
という身近な問題を
前面に出して戦ったので
この結果は「想定内」でした

だから、台湾の国民が
対中融和を支持した訳では
決してないのですが
注意すべきはこの結果を
中国は情報工作の
材料にしてくることです

そして、2年後の
総統選までの間の
日米両国の動きが重要です
安倍=トランプ体制時のように
台湾に安心感を与えれば
最悪の事態は避けられます

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