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令和四年 冬晴れのトーハクと古今のお宝       ~もしかして150年後これを読んでる人へ~

起草(下書):2022/12/19,公開:2022/12/25

#タイムスタンプ

まえふり

2022年12月、上野の東京国立博物館(トーハク)で開催された「国宝全部出し」展を見てきました。


人気殺到でチケットはとれないと随所で耳にしていたので、正直諦めていたのですが、なんとか。ありがとうございました。


当日は天気も最高で、国宝展だけでなく、トーハクのあちこちに目移り
撮った写真も、作品より風景の方が多い。


この展覧会のレビューは既に山の様にnoteになってるので、フォーマルな堅苦しい内容はそれら先輩方にお譲りし、全くの個人的視点で書きます。

また、国宝展だけでなく、今回トーハクで 見た/知った もの/こと 全般に触れます。

実は国宝展はトーハクの150周年記念事業の一部で、他にも何やら沢山同時開催されており、そんなことを知ったのもトーハクに入場してからのこと。この記事のサブタイトルはそれをもじりました。



「国宝 東京国立博物館のすべて」

これが、今回のメイン。しかし予習ほぼゼロで臨んだのが、仇になりました。多種多様な国宝が述べ89点(出品目録)も公開されていたので、事前に自分なりに注目するモノをハッキリさせて臨まないと、ただ雑踏に流されるのみ。ひとえにかぜのまえのちりにおなじ

注)さすがに国宝だけあって、作品保護が厳重。出品目録を見れば分かるが、展示替え(入れ替え)がかなりきめ細かい。そのため、厳密には国宝全点を一度に拝めたわけではない。特に素材が繊細な古い絵画は、出入りが細かい。まぁこのあたりは察して、ということなのだろう。ちなみに刀剣は全19振り出ずっぱり。さすが観られてナンボのお宝役者

#モノローグ


国宝一点一点、モノとしてもストーリーヒストリーとしても、とんでもないアイデンティティをお持ちです。それら全てをみな等しく熟覧するかぶりつくのは、ムリというもの。サッカーだったら試合時間ずっと全力ダッシュし続けるみたいな。ムリです。さらに、今回「試合時間」は下記の通り90分に制限されております。なので、「自分的にこれは目に焼き付けるぞ」という目星を数点つけて臨むのが、この展覧会の場合は正解でした。

ででん。


そんなことで、正直雑踏に流されボウフラのごとく会場を漂っただけなのですが、それでも印象に残ったモノをいくつかご紹介します。

★★★
この特別展は場内の撮影はNGでしたが、国宝の画像や解説は
有り難いことにe国宝でまるっと公開されています。
ということで、そことリンクを貼りました。
また、以下の画像は展覧会公式Twitterのものをお借りしました。
厳密な照合はしていないので、間違いがあるやも知れません。
なにとぞご寛容にお願い申し上げます。

#ナレーション


no.7 地獄草紙(じごくぞうし)

※千年ぐらい前の人の世界観。いまどれほどそれとかけ離れてしまったか。
※同名同時代のモノが、奈良国立博物館の方にもある。そっちも国宝。ちょっとややこしい。


no.18 洛中洛外図屏風(船木本)

https://www.tnm.jp/uploads/r_collection/LL_203.jpg

※展覧会公式Twitterに画像が見当たらなかったので、代わりにトーハク公式HPから辿れた画像のリンク

さすがにこれはあまりに高名。いわゆる「教科書で見た」

なお、これの高精細複製品「プリマグラフィ」なるものが、制作販売されています。お値段300万円。


no.61 扁平紐式銅鐸(へんぺいちゅうしきどうたく)

※日本有史以前の歴史ロマンを感じさせる一品
※実物はもっと色鮮やかだった印象。展示照明効果の為せる業?


今回このnoteを書くためe国宝と出展目録(会場配布)を見比べ知ったこと。展示名と国宝としての正式名称が、実は結構違う。。たとえばこれ、
袈裟襷文銅鐸(けさだすきもんどうたく)が「国宝指定名称」らしいです。

#ドキュメンタリー「国宝とはなんぞや」より(ウソ)


no.63 埴輪 挂甲の武人(けいこうのぶじん)

なんというか、いま求められている造形(フォルム)です。


no.70 八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)

尾形光琳、蒔絵、螺鈿。
もうひれ伏すしか無い組み合わせ。
ジャパニーズ・トレジャー。


no.71 梨地螺鈿金装飾剣(なしじらでんきんそうのかざりたち)

後半日本刀がコーナー展示で沢山陳列されていましたが、
個人的にはそれらより、滅多に目にすることのないこのような
奈良・平安時代貴族の礼刀・宝剣の方に、惹かれました。

※※※
no.115 直刀 無銘(号水龍剣) 附梨地水龍瑞雲文宝剣
の方がシンプルでさらに良かったのですが、Twitterに画像はなく。
代わりにこちらを。


他にも、一部で話題になっていたかもしれません、なぜがキリンの剥製が居たりしました。出処はトーハクのお隣 かはく(国立科学博物館)。何かの番組でも紹介されていたような。。剥製なので、原寸大なので、当たり前ですが、巨大です。

帝室博物館時代に天産(自然史)資料として展示されていた2頭のキリン剥製標本。実は明治40年(1907)にはじめて生きたまま日本にやってきたキリンです。左がオスで名前は「ファンジ」、右がメスで「グレー」といい、上野動物園で人々の人気を集めました。本展では、現存する「ファンジ」の剥製標本(国立科学博物館蔵)を約100年ぶりに里帰り展示します。

プレス資料より
https://www.tnm.jp/uploads/r_press/261.pdf



近世の「チャーム」、根付
~高円宮コレクション~

個人的にトーハクのユニークなコレクションといえば、根付。以前本館に根付だけのコレクション部屋が公開されており、印象に残っていました。

私のざっくり理解だと、昨今女性が鞄やリュックに付けてる「チャーム」の近世版なのかなと。当時誰がどこに付けていたかなどは置いといて。

ひな壇的展示。


1点1点はミニチュアとしての面白さ。それに加え、群(群れ、コレクション)としての面白さ。このあたりが根付の魅力なのかなと思います。小さくて丈夫そうなあたりも、日本の住宅事情に合ってるのかも。といっても江戸時代のそれということになりますが。


たまたま根付を熱く語られているnoteを見つけ勉強になりましたので、勝手ながらリンクを置いておきます。



群生するはにわ
~考古展示室ほか~

今、トーハクは至るところ埴輪だらけ。ややもすると、人類の方が押され気味。


秋○康氏に、「XX塚古墳」シリーズものでプロデュースしていただきたい


あと、NHKに「おーい!はに丸」の復活を希望。何も考えず、ただ地上波で再放送していただければ。そしてその代わり、こーいうお金の使い方は自制していただければ

確かこっちは、ひんべえ。



「150年後の国宝展」
~これからのお宝~

現地で知った企画展ですが、これが結構良かったです。「公募型展示会」とのこと。国宝展(特別展)は12/18で終わってしまいましたが、こちらは1月末まで開催。まだ観れます。


表慶館に足を踏み入れたのは今回が初めて。今までスルーしていた。
ここまで内装が凄いとは、思っていなかった。


新年また恒例の「博物館に初詣をやるらしいので、その時またこれ見にこようかなと。話はそれますが、1月2日から営業してくれるなんて、一般市民の立場からは、ほんと有り難い。博物館の鏡。拍手。



今回の個人的な推し収穫
~トーハクで知るミク~


これが、この日目にした「美術品」の中で一番美しい映えると感じたモノ。特別展・企画展ではなく平常展の方だったりする。

前田青邨筆《唐獅子》。個人蔵。


そしてこれが、総合的にこの日1番興をそそられたモノ、というか、コト。初音ミク。


メディアの露出が凄いので否応なしに視界に入るものの、ここまでこの方と特段関りなく生きてきたのですが、今回「150年後の国宝展」で遂に正面から対峙。覚悟を決めて、「読む」。何気なく添えられてたパンフレット(下に写真)が要領よく、大助かり。ものすごい頑張ってるんだな~と素直に関心しました。持続可能なサステイナブルアイドルとして、関係者の情熱を称えたい。

左:今回買った絵葉書
中央:今回「150年後の国宝展」で配布してたパンフレット
右:以前トーハクで、なんとなく買った絵葉書
超分かりやすい
超分かりやすい


また何かのタイアップで、トーハクで初音ミクに会えるのかもしれませんね。



おわりに

陽が落ちた後のトーハク。こんなに綺麗だとは。
前からこうだったっけ?
それとも2020年のJR上野駅改修時同時にランドスケープを再設計した??


★★★参考情報(リンク)★★★
東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
※平成館2階で、2022.12.18まで(2022.12.11までだった会期を延長
同展特設サイト(外部サイト)

150年後の国宝展―ワタシの宝物、ミライの宝物
※表慶館で、2023.1.29まで
同展特設サイト(外部サイト)

創立150年記念特集 高円宮殿下二十年式年祭記念
根付 高円宮コレクション

※平成館企画展示室で、2022.12.25まで

日本の考古
※平成館考古展示室通称はにわ部屋

《〈冬木小袖〉ミク》と《見返り美人ミク》の展示
その会場光景(アーカイブ動画)
※平成館1Fで、2022.10.2まで

#あとづけ


ダラダラした内容ですが、
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


また新年もよい展覧会に巡り会えますように。


以 上


誠にありがとうございます。またこんなトピックで書きますね。