教員の在宅勤務とデータ
今回は、教員が扱っているデータのお話です。大きく分けると3つです。この3つはどれも日々使う、業務に欠かせないものなのですが、扱いが大変な今日のご時世なのです。3つというのは
・教科指導のためのデータ
・行事等のための段取り資料
・生徒の個人情報(機微情報)
です。これと在宅勤務との関連について考えていることをお話ししたいとも居ます。
データの種類
教科指導のためのデータは、授業中に生徒に提示する図であったり、プリント資料です。これはある程度扱いが緩いことが多いです。そのため、個人で契約しているクラウドサービス上に保存しても、特に問題は無いと思われます。著作権には気を遣う必要がありますが。
行事等のための段取り資料は、例えば、学園祭の要項であったり、大掃除の手順であったり、模擬試験や課外の日程であったりといったものです。これは、教員の個人名が入る(場合によっては生徒名も入る)ことがありますが、機微情報とまではいかない内容です。
最後に、生徒の個人情報です。これこそ学校で扱うもっとも大切なデータです。生徒の成績、保健室の来室状況、面談記録、受験データなど、流出させたら懲戒免職相当でしょうね。そうならなくても、信頼は失われること間違いなし。
データの管理
文部科学省もインターネットが普及しているこの現代にあわせて、データの扱いには注意を払っています。「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」なるものを策定して、方向性を示してくれています。私の所属する自治体もこれに準じた形態で、校務系と校務外部接続系、学習系に切り分けています。
校務系とは機微情報を扱う領域で、生徒の個人情報を保存します。校務外部接続系とは、いわゆるインターネットに接続した環境で、メールなどが利用できます。学習系は、わかりやすく言うと学校のパソコン室のようなネットワークで、生徒が入ることの出来るネットワークです。
一般企業では当たり前なのかもしれませんが、これらのネットワークをリモートデスクトップなどを利用して切り替えながら業務を行っています。自治体によっては、ネットワークを物理的に完全に切り分けて、PCを2台使っているなんて話も聞きます。結構面倒になってきていますが、情報担当者の私がそう感じているっていうことは、ICTリテラシーの低い先生方は…怖くて考えたくありません…。
在宅勤務とデータの扱い
さて、そこで在宅勤務です。在宅で出来る仕事って考えても、私には教材を作成するか、会議資料の概略作成くらいしかできません。在宅勤務をしていても、インターネットには繋がっていますから、生徒とTeamsでやりとりすることは可能です。
しかし、何が一番の問題かというと、Teamsで生徒が提出した課題って機微情報なのでは???ということ。でも機微情報が保存出来るのは、インターネットに繋がっていない校務系。そこには私の所属している自治体では在宅からは接続できません。大きな壁があるわけです。
今のところ私の中では、「Microsoftを信じる」ことにしました。教育委員会がこれを使って遠隔授業などを行って良い、と言ったということは必然的にここに個人情報が集まる訳です。個人のミスによる情報漏えいは別にして、文部科学省が言っている情報セキュリティポリシーには一部抵触するかもしれませんが、Microsoftが何とかしてくれるはず!と信じることにしました。
在宅勤務のこれから
別の記事でも書きましたが、私は現在は在宅勤務ではありません。普通に近い形態で授業もできています。ただ、今後のことは分かりません。
今考えている(期待している)ことは、在宅から機微情報にアクセス出来る環境を構築して貰うこと。5年ほど前に、南足柄市が行っている指紋認証付きのUSBキーを使った在宅勤務の話を聞いたことがあります。現在はどうなっているのかは分かりませんが、この分野はGoogleも商品を出してますし、MicrosoftもWindows HelloにFIDO認証キーを使えるので、ぜひ何とかしてもらえると良いなぁと思う今日この頃です。
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