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Knight & Baby / モンスターガーディアンズ

 私の推したいゲームはモンスターガーディアンズ(GBA)とKnight&Baby(PS)です。シナリオにはあんまり言及しません。


モンスターガーディアンズ

 シリアスな世界観が引き立てるキャラクターの奇妙な愛嬌は、唯一無二である。

 このGBAのゲームはモンスターを使役して戦わせる。彼らに指示を飛ばしつつ、箱庭の中で戦い成長していく。

 世界にはゴーレムやゴブリン、エルフなどいろいろなモンスターが登場し、プレイヤーの代わりに戦ってくれる。野良のモンスターや、敵が使役するモンスターとのリアルタイムな戦闘では、自分のモンスターに命令こそできるものの、その通りに戦闘が進むとは限らない。

 好き勝手フィールドを歩き回るドット絵のモンスターたちは知能が足らなければ命令を理解できないことがあるし、理解できても、その後攻撃されれば怒りで命令を忘れることもある。
 さらに、無制限に命令できるわけでもない。むやみやたらに命令していると、そのためのゲージが無くなって新たに命令できなくなってしまう。そうなったら、もうモンスターの自主性に委ねる他なくなる。
 命令しなくとも、モンスターたちは勝手に、敵を攻撃するために追いかけたり、宝箱を拾ったりする。が、ただのお散歩になることもある。

 この仕様でストレスがたまりそうだと思うなら、プレイしないほうがよいかもしれない。だが、このランダム性が他のゲームとの差異であり特徴だ。

 たまに何回も連続で攻撃してくれるモンスターが敵を一瞬で屠る様。モンスターが敵の移動を待ち伏せして仕留めてくれる時。これらの成功事例が起こり、敵のHPが0になったときの快感は中々他のゲームでは味わえない。
 ドット絵のモーションやサウンドエフェクトも非常に心地よい。そして生き残り勝利したモンスターは喜びを表現する。これがとても愛らしい。

 レベルが上がっていくと、当然モンスターの能力もあがる。それは攻撃力や素早さだけでなく、命令の理解度も高まっていく。それはモンスターとの仲が深まっていくようであり、感慨深いものがある。

 モンスターのレベルだけが上がるのではない。主人公もレベルが上がっていく。するとモンスターへの命令に必要なゲージが増加していく。さらに、このゲージはモンスターの能力値に振り分けることもできる。その分命令に使えるゲージは減ってしまうが、モンスターの1つの能力値を一気に最大まで上げてしまうこともできる。
 また、装備の概念もある。防御力を上げたり、フィールドを歩く速度を高めたり、頭を良くしたりできる。
 これらの戦略性も面白い要素だ。

 育てたり捕獲したモンスターは、2体を用意することで合体させられる。すると元のモンスターのレベルを引き継ぎ、新たなモンスターを手にすることができる。
 最初に手に入れたモンスターの血筋をずっと使い続けることも現実的だ。

 BGMも良い。明るいBGMはあまり無く、全体的にクールだ。戦闘中のBGMも種類があり、数分間モンスター達を眺める時間に飽きがこないように工夫されているのかもしれない。

 唯一残念なのは、今からプレイしても、全モンスターをコンプすることが難しいこと。それにはGBAのモバイルシステムが必要だからだ。中々種類があるため、そこはもったいない。

Knight & Baby

 どこか民族的なその世界は、我々が心の何処かで求めているゲームに違いない。

 こちらはPS1から。

 ジャンルはRPG。それも王道だ。
 村の少年ナイトと妖精ニーニーナ、そして出会った不思議な生物、ベイビー。この三人を主人公にして、やがて大きな敵と戦うことになってゆく。 

 このゲームに魔法や剣術などの特技は無い。シンプルなターン制バトルだ。が、特徴的なバトルシステムとして、リビングトイズという手段が容易されている。

 リビングトイズはその名の通り、ともに戦ってくれるオモチャだ。PP(MPのようなもの)を消費して呼び出すと1ターンに1度攻撃してくれるもの、味方を回復してくれるものなどありがちな効果から、その戦いを実況してくれる、なんて効果もある。リビングトイズは世界各地に落ちているので、コレクション・やりこみ要素でもある。

 ニーニーナは小さい妖精であるため直接は戦闘に参加しないが、ベイビーは一緒に戦ってくれる。コマンドは選択できず、ベイビーの判断で攻撃や防御の行動をとる。

 冒険の途中でベイビーにアイテムをプレゼントしたり、逆にアイテムを取ってきてもらうことができる。仲よくしておかないと、ベイビーに嫌われて戦闘中に攻撃されることもあるので注意。
 また、ニーニーナもただ傍観しているだけではなく、回復してくれること がある。

 BGMも世界感に非常にマッチしており、戦闘や探索を催促してくれる。グラフィックはポリゴンぽい粗めの見た目で、レトロな雰囲気だ。

 探索の話もしておくと、基本的にフィールドを歩いて、町に行って、ダンジョンに行って、というのを繰り返す定番の流れだ。私が好きだったのは、タル等を調べた時のニーニーナの台詞。
 基本的に、宝箱以外からアイテムがもらえることは少なかった記憶がある。民家の棚やタルを調べると、ニーニーナは「人のものを勝手に漁ってはいけない」という趣旨の注意をしてくれるのだが、それのバリエーションが多い。

 基本的にこういうテキストは全ての家で共通しているのが多いイメージだが、このメッセージは町によって差分がある。……といっても、「勝手にタンスを漁ったらダメよ」と「人のタンスを勝手に漁らないの」みたいな微妙な違いだが。それでも全てのオブジェクトを調べたがる私には嬉しい気遣いであった。

 ダメな点としては、移動がいささか悠長である。ワープや海渡りなど、移動手段は進行につれて増えていくが、そのどれもあまり早くない。ストレスに感じる方は多いだろう。
 そして、シナリオの表現は必要最低限な一面があり、人物のことがあまり掘り下げられなかったりする。重厚なシナリオを求めているならおすすめできない。

 王道のRPGの骨組みに、リビングトイズやベイビーといった要素をアクセントにして、硬派に仕上がっている。
 完璧なゲームという印象ではないが、それだけでない不思議な魅力を感じている。


 以上
 chu マイオナでごめん

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