産声なき出産について、流産の過去を思い出しながら考える時

先日、南明奈さんのニュースをご覧になった方は多いのではないのでしょうか。

妊娠7ヶ月で、お腹のお子さんが空に旅立ったという一文を目にした時、全くもって彼女と関係のない自分も、心臓がぎゅっとなる感覚を覚えました。

流産や死産について、あまり知らない人が多いと思います。それは、その体験をされる人は一定数いると思いますが、表立ってその話をする機会がない、その話をする気になれない、誰にも言いたくない、ずっと昇華できずにいる、などの理由できっと話せずにいるのではないかと思っています。

私自身の流産の経験は、言葉で表すなら、知らなかった事の連続による恐怖と、自分では制御できない感情の渦の中。

といった感じだった気がします。

体外受精により、着床し妊娠周期約7週での流産。

最初は微量な出血があり、翌日に検診を控えていた日の朝、通勤前に動揺しながらも病院へ連絡。出血が続くなら来てくださいというものでしたが、その電話の2時間後には生理痛の20倍くらいの痛みに襲われ、トイレに駆け込むと大出血。

そのまま早退し貧血状態で、震えながら夫に職場に来てもらい病院へ直行。

すぐに流産が始まっていると聞かされ、まだ妊娠の喜びよりホルモン投薬による早期からのツワリに悩んでいた自分にとって、これが流産なのか、となぜか他人事のように思った事を覚えています。

流産というものが、実は激痛と大出血を伴うものだという事前情報がなく何も知らなかった私は、陣痛と同じ位とも言われる痛みにただただ耐えて、たった7週でも出来上がっていた子宮内の組織を体外へ排出する事になり、何が起きているのか分かりませんでした。

あとから調べると色々と情報がネット上にはあり、流産は、それまで赤ちゃんのために作られた子宮の組織がもう不要だと体が判断して外へ出そうとするために陣痛のような痛みがあること、その組織が全て綺麗に出てこないと手術が必要な事などを知りました。

流産の後、それまで張っていた胸の痛みが消え、ツワリも消え、何もかも無かったことのようになること。この喪失感は、本当に言葉で表すことはとても難しいもので、心が体の変化に追いつかずに、勝手に溢れ出る涙を抑えることもできず、自分を制御できないという状況を初めて経験しました。

たった7週でも、壮絶な体験だったなぁ、と今でも思うのですが、胎動も感じ、産後の準備もし、周囲の祝福も沢山あったであろう中での死産というのは、本当に心を痛めていらっしゃるのではないかと思います。

改めて、妊娠して出産する、ということがどれだけの奇跡の重ね合わせなのかを感じました。

表に出る仕事をされている以上、全世界に悲しみの発信をしなくてはいけないというのも、とてもお辛いだろうなと思います。

空の上にいってしまった赤ちゃんが、また次も、南さんのお腹に宿ってくれますように。願いを込めて。

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