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サステナビリティ100

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「サステナビリティ」の観点で優れた事例を収集し解説します。 環境分野だけではなく、社会活動や企業活動、日常生活まで、広い分野で事例収集しています。
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#リサイクル

本だったノート:「昔、誰かに読まれた本だった。」行く末のわかりにくい古紙回収ではなく、身近なものへ生まれ変わらせる意義とは。(CASE: 98/100)

▲「本だったノート」とサステナビリティ 「本だったノート」とは、その名の通り、本として読まれたのち、古本としては値段が付かずに「古紙回収にまわすはずだった本」を材料として作られたノートです。 オンラインを中心として、全国から本の買取・販売を手がける株式会社バリューブックスには、1日に2万冊もの本が全国から届くのだそうです。しかし、そのうちの半分は買い取ることはできずに、古紙回収にまわしてしまっている…その現状に何かできることはないか、別の形で価値を生むことができないか、と募

ドイツの逆自動販売機:ペットボトル を「捨てる」ことにお金がかかるように。「面倒な手続き」が作るサステナビリティ。(CASE: 41/100)

▲「ドイツの逆自動販売機」とサステナビリティ 自動販売機といえば、「お金を入れてボタンを押したらペットボトル飲料が出てくるもの」ですよね。私が住むドイツでは、これを逆にした、“逆自動販売機”とも呼ぶべき機械がスーパーなどに設置されています。これは、飲み終わった後の空の缶・ペットボトルを吸い込み、1本あたり25セントのお金を返してくれる機械です。戻ってくる25セントは、購入した時に飲料の代金に上乗せして支払っていたデポジットです。 ドイツでは、2003年からこのデポジット制

固形シャンプー:液体を固体にすることで容器が不要に (CASE: 34/100)

▲「固形シャンプー」とサステナビリティ シャンプーは液体である、という常識は覆されつつあります。 固形シャンプーとは、その名の通り、固形石鹸と同じ見た目をしたシャンプーです。髪を濡らし、直接シャンプーを頭皮につけたのち、手で泡立てて使います。 私の住むドイツでは、写真のようにすでに多様なブランドから異なる髪質・頭皮向けに商品が開発されており、紙のパッケージに入れられて、ごく普通にドラッグストアの棚に並んでいます。 消費者のエコ意識の高まりからこの数年で普及が進みましたが、日

中古ゴルフクラブショップ:ビギナーへ門戸を開き、エキスパートを奥の間に導く(CASE: 22/100)

▲「中古ゴルフクラブショップ」とサステナビリティ 中古ショップがサステナブル、当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、中古ゴルフショップには、ゴルフ市場の持続可能な成長を支える、驚くべき3つの仕掛けがあります。 一つ目は、何と言ってもビギナーがゴルフを始めるハードルを圧倒的に下げていることです。初心者用のセットといえど、新品で揃えると10万円近く掛かってしまいますが、中古ショップに行けばフルセット(14本)でも3万円前後、ハーフセット(7本)ならさらにお安く手に入れること

びん保証金:少額の金銭的動機付けが良い循環の駆動力を生む(CASE: 19/100)

▲「びん保証金」とサステナビリティ 30年以上前のことです。私が小学生の頃、近所の小売店にコカコーラの1.5Lの空き瓶を持って行くと、30円をくれました。それは当時の小学生にとっては、いい小遣い稼ぎになっていました。 現代のコンビニエンスストアでは、ジュースはペットボトル、ビールは金属製のカン容器が大半です。それらは容器種別を考慮して回収され、リユースが試みられています。一方で、それを行うユーザーの動機付けは、「小学生の頃の30円」ほどには、十分ではないかもしれません。