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自分語り【とあるHSS型HSPの人生〜小学校男子VS女子清掃編〜】

3年生の頃だっただろうか。
昼休みの後に掃除の時間があり、私の班は図工室の掃除当番だった。

私の班は、男子3人、女子2人の5人編成。
図工室には掃除用具の入ったロッカーがあり、先着順で、ホウキを使う事ができた。

基本的に掃除の場所に雑巾を持参するが、いつも男子たちが先にホウキを持ち出すので、私と友達はロッカーからバケツを出して、雑巾で拭き掃除をしていた。

班の編成は、学期ごとにしか変わらないが、掃除の場所は1週間ごとに変わる。


その日は金曜日で、図工室の掃除は最後の日だった。

私たちは黙々と掃除をしていたが、男子たちは、ホウキを持っているだけで、ずっとおしゃべりをしていた。

そんな日が5日間続き、友達が声を上げた。


あんたら、話しばっかりしてないで、ちゃんと掃除してよ!


男子たちは、ハァ?といった感じで、言い返した。

ちゃんと掃除しとるわ、ブス!みたいな、いかにも悪ガキな感じの捨て台詞を連発した。


その空気に、全身に緊張が走った。

私は、この男子たちが掃除してくれないのはよくある事だったので、初めから諦めていた。

言い争いもとても苦手だったので、黙々と床を拭き続けていた。

そもそも雑巾掛けは、端から順番に、余すところ無く拭きたい、という自分のルーティンのようなものがあった。緊張している私の思考としては、言い争いを極力気にせず、全面を拭く目標を達成すべく掃除を続ける、という判断に落ち着いた。


その様子が気に食わなかったのか、雑巾掛けで直進する私の目の前に、ひとりの男子がホウキの持ち手を、カッと突き立てた。

私は困惑した。

どうすれば良いかわからず、口の立つ友達の方に向かって、斜めに雑巾掛けをしながら逃げた。

それを見た男子が、

雑巾掛けはまっすぐして下さい〜

と言った。

私は感情がぐちゃぐちゃになって、言葉を出すことができなかった。

代わりに涙が、ボロボロと出てきた。

友達は、

ホウキでそんなんしたら危ないやろ!?
ルリカちゃん泣いたやんか!!!

と、より一層怒りを男子たちにぶつけた。

私はホウキが怖くて泣いた訳ではない。

雑巾掛けはまっすぐして下さい〜


この言葉が、ショックだった。

私は雑巾掛けは直進した方が、拭きあとが綺麗になる事はわかっている。その時までずっとそうしてきた。

それなのに、斜めに拭いた事を取り立てられて悔しかった。

でも、当時の私は感情でいっぱいになって、何も言えない。それがまた、悔しかった。


そうこうしている内に、掃除の時間が終わるチャイムが鳴った。

掃除が終わると、友達と私で担任の先生に報告しに行った。全部友達が話してくれた。男子が掃除をしない事も、ホウキを突き立てた事も。その間、私は何も言えず、やっぱり泣きっぱなしだった。


こういう小競り合いはときどきあって、いつも私は泣くだけで終わった。

このような事があった日は、布団に入って眠りに着く前に、振り返って考えた。頭の中では、次にこう言われたら、こう言い返そう、とか結構思い付くのに、いざ実践となると、何も言葉が浮かばない。感情が飽和状態になって、パニックになる。そして言えない事が悔しくて泣く、の繰り返しだった。


実は、この悩みが解消されたのは、成人から数年経ってからでした。その時の事は、まだまだ先のお話で。

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