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自分語り【とあるHSS型HSPの人生〜小学校消しカス事件編〜】

1年生の冬に差し掛かる頃、クラスに馴染んだ私は女の子とも、男の子とも話すようになっていた。その頃は特にクラスの班の子たちで、おかあさんごっこをするのにハマっていた。

おかあさん役になった時、私はひらめいた。

消しカスを、ごはんにしたら楽しそう!

私は何も書かれていない机を消しゴムで消して、消しカスを作った。手元にあるもので、何かできないかと考えたのが、これだった。

どうぞ、ごはんだよ〜!

私はおとうさん役と子ども役の子たちに配った。

これが意外にも好評で、消しカスづくりは瞬く間にクラス中に広まった。中には定規を消しゴムの上でノコギリのように動かして消しカスを作る強者もいて、私も真似をして取り入れた。

しかし、この流行は思わぬ出来事で幕を閉じる。

学級会だ。

先生が議題にしたのは、消しゴムの扱い方だった。

最近、消しゴムのもったいない使い方をしている人をよく見かけます。消しゴムは、鉛筆で間違えて書いた字とか絵を消すものだよね?

(沈黙)

誰がやり始めたの?

(沈黙)

幾慈納さんがやりました。



一緒に遊んでいた男の子がそう答えた。

自分に集まる視線。言い訳をしようとして立ち上がったが、名指しされたショックと、あんなにみんなで楽しく遊んでいたのになんで?という気持ちが混ざり、ただただ泣いた。しくしく泣いた。工夫して遊んでいただけなのに。そう思っていたので、たぶん謝りもしなかった。

しかし、吊し上げは効果的面で、さすがにその後は一切やらなかった。先生の言う事は理解していたし、悪いことをしたと思い、反省した。

自分の子どもには消しゴムも鉛筆も大切に使ってね。と教えているが、そのような話をする度に、当時の消しカス事件が頭をよぎるのだった。

つづく

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