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先輩と僕

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#掌編小説

先輩と僕5 初詣

 遠くから、何度目になるかわからない除夜の鐘の音が聞こえる。

 焚き火の周りで暖を取る人、知り合いと出会い新年の挨拶を交わす人。初詣に訪れた人で、年が明けたばかりの神社は賑わっていた。境内の脇では自治会の人が参拝客に甘酒を配っている。

 そんな中、僕は一人で参拝の列に並んでいた。昨年までは恋人との恒例行事だった深夜の初詣。彼女はもう隣にいないのに、自分のなかで半ば習慣となっていることに胸がちく

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先輩と僕2 独りと慣れ

エンターキーを一度押して、僕はゆっくりと伸びをした。誰もいない、静寂に包まれた事務所。時計はすでに11時を回っている。ここ最近、こんな日が続いていた。

 きっかけは、恋人にフラレたことだった。

 とても忙しい職場に勤めていた彼女は、休みもなかなか取れず、会える機会も少なくなっていった。いつしか自分の寂しさだけを押し付けるようになり、相手を困らせた。なんで会えないんだ。仕事がそんなに楽しいのか?

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先輩と僕1 食欲の秋

会社の昼休憩、いつものようにコンビニ弁当を広げて、僕は一人、資料室で昼食を食べていた。

 季節は秋。食欲の秋フェアだなんて謳い文句で売り出されていた弁当だが、疲れた体と、乾いた食材に箸はなかなか進まない。最近こんなことが続いているものだから、体重がすこし落ちていた。

 不意に資料室の扉があき、女性の先輩が顔を覗かせた。僕が先に弁当を食べているのを見つけると、笑顔で手に持った弁当箱を見せてくる。

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