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国会議員は、祖父として孫に何を遺したのか。【元参議院議長・江田五月】

7月28日、祖父である江田五月が他界しました。

江田 五月(えだ さつき、1941年〈昭和16年〉5月22日 - 2021年〈令和3年〉7月28日)は、日本の弁護士(登録番号:15935)、政治家、元裁判官。立憲民主党岡山県連合顧問。父は日本社会党委員長代行を務めた元衆議院議員の江田三郎[1]。衆議院議員(4期)、参議院議員(4期)、科学技術庁長官(第50代)、法務大臣(第86代)、環境大臣(第16代)、参議院議長(第27代)、社会市民連合代表、社会民主連合代表、民主党参議院議員会長、民主党・民進党最高顧問などを歴任。
<Wikipediaより引用>

参議院議長を3年ほど務め、菅直人政権下では法務大臣、環境大臣を歴任して、5年前に国会議員を引退してからも、常に政治のこと、社会のこと、日本の今と未来を考えていました。父(僕にとっては曾祖父)である社会党書記長を務めた江田三郎の急逝を受け、裁判官を辞めて政界に飛び込んでからの議員人生40年、「リベラル」を地で行く政治家として、地元岡山はもとより、全国、そして世界各地の本当に多くの方々と関係性を築きながら、自身の理想とする政治の在り方を現実のものにしようと戦ってきた人だったのだと、他界してからの世間の反応や葬儀までの一連のプロセスから改めて感じることができました。

詳しくは、より政界について詳しい弟のnoteもお読みください↓

江田五月 新たな出発
NHK「江田五月 元参議院議長が死去 80歳」

もちろん、そんな社会における立場よりも何よりも、僕にとっては一人の大切な祖父でした。

幼少期には一緒に釣りをしたり、土いじりをしたりと、自然の中で遊ぶことの楽しさを分かち合える家族の一人で、国会でどれだけ難しい顔をしていても、孫の前ではいつも満面の笑みで一緒に遊んでくれるおじいちゃんでした。

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小中高は、学校の発表会などの行事ごとにいつも足を運んでくれていました。高校3年生時の卒業論文発表会では、『現代版里山コミュニティの実現』というタイトルの僕の発表に対して、「コミュニティについての考察は甘い。歴史的文脈やコミュニティの本質的な価値を理解したうえで、日本の未来においてそれをどう生かしたらいいかを考えてみるといい。」とアドバイスをしてくれました。

振り返ってみると、今年で6年目に入る宿&コミュニティ“もちがせ週末住人”の実践、そして慶應義塾大学大学院・SFC研究所でのコミュニティ政策学系のアカデミックな探究につながっていて、祖父として、人生の先輩として、そして社会イノベーターの大先輩として授けてくれた、思索のヒントだったのだと思います。

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僕が江田家に生まれて良かったと感じているのは“世の中では偉いとされている人でも、家ではビールを飲んで下らないダジャレをいって笑っているタダのおじさんである”ということを幼いころから知れたことです。“人はみんなすごい”という自分の根底にある思想を形成してくれた環境のひとつだと思います。

社会でのあり方も家族にしか見せない一面もひっくるめた、江田五月という一人の人間から僕が学びたいことを、大きく以下の3点にまとめてみました。

① 常に理想主義で、歴史を踏まえ未来を見据えた大局観から、現実に取るべき判断を熟考していたこと
② リベラルを地で行き、党派や業界を超えて人と人との対話を重視し、穏健な革新を目指していたこと
③ 議長や大臣を務めていたころなどどんなに激務でも、孫の発表会や食事を囲んだ一家団欒など、家族の時間も常に大事にしていたこと

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幼いころも今も、祖父のことを知っている人からは特に、「いくるくんも政治家になるかもね」と言われてきました。その大変さも身近に見てきているからこそ“政治家は身内に一人いれば十分。自分は別のアプローチで社会をより良くしていこう”と思ってきました。

その思いは変わりません。(ただ、30代後半以降なら政界もあり得るかなとぼんやり思ってはいます)
地域住民の一員として、未来を創るZ世代の先頭を走る一人として、地方地域から全国にネットワークを築き、あらゆる側面で持続可能な社会を創るべく「次世代のホンネをワクワクに」できるようなチャレンジを重ねていきます。
この夏には会社を創ることにしました。(乞うご期待!)

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「もともと地上に道はない。みんなが歩けば道になる。」

曾祖父・三郎から受け継がれてきた魯迅の言葉で、僕にとっても指針となっている信念です。祖父が逝った喪失感はまだまだ実感を伴っていませんが、未来を見据えた今のための社会の仕組みづくりをZ世代の視点から進める事業構築を、今日からさらに気合を入れてどんどん加速します。

2021.8.2 まつうらいくる

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