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博士課程で実践ヲ花ヒラカせるの巻

はーい✋いくらちゃんです。
なんと、あっという間に梅雨明けだそうですね。
昨年よりも20日も早い梅雨明けで、夏到来!!

今日のnoteも激アツにいきましょう。
心を燃やせ。

前回は、看護学の修士課程にちっぽけなプライドと共に進学した話でした。
動機が不純でも、目的意識はちょっとあったので、成果が出たよ!
ってな話でした。
まだ見ていない人は、ぜひ、ご覧ください。

看護学部で教員をされている先生方からも嬉しい引用リツイート!
共感を得られて嬉しい。



今日は、需要は少ないかもしれないけど、表に出てくることがほとんどない話。
博士課程の進学についてのお話です。

自分には関係ない話と思うかもしれませんが、実は、これからの時代、博士課程進学は、もしかしたらトレンドになるかもしれないので知っておいて損はないかもしれません。


大学院博士課程の進学動機も不純そのもの


自分の極めし分野を深掘りして、研究者として、もう一皮向けたい。
本来は、そんな動機で進学することが好ましいでしょう。
博士課程進学者の多くの人は、研究を極めるために、進学するのだと思います。

いくらちゃんの場合も、一側面としては、研究の発展は目論んでいました。
しかし、タイトルの通り、いくらちゃんの動機は、「出世」でした。

看護学部の教員は、先輩たちの世代は、修士課程卒でも教授や学部長になることができました。
そもそも看護学部は、国内に博士課程が全然なかった時代です。
私たち世代では、出世しようと思うと、やはり博士課程修了、学位が必要だという時代になってきました。
当時はいくらちゃんも大学教員でしたから、せっかくならできることも多いし、教授目指して頑張るぞー!おーーー!!となっていました。
当時の上司からも、「博士の学位は、若いうちに無理してでも取りに行った方が良い」と言ってもらっていました。

ただ、研究があんまり好きじゃない笑。
現場向き、現場好きの異端児教員でしたから、看護の研究をガッツリ掘り下げること、そのしんどさは、留年した修士課程で十分に味わっている。
(実践の発展は楽しかったです、研究は大変苦労しました笑)

いくらちゃん、論文、めっちゃ書いてんじゃん!!ってツッコミがよく入りますが、これは、ほんまに、現場をちょっとでも良くするために書いたもので、コテコテの研究者の先生から見たら、邪道なんですよね。
本質を極めるというより、実態を明らかにしたり、アレンジする示唆を得たり、そんな研究が個人的にも好みなんです。


地域イノベーション学研究科への進学決意



看護でも、保健でも、福祉でも、医学でもない。
三重大学大学院「地域イノベーション学研究科」に行くことにしました。

社会人学生は地域課題の解決を目指します
学位取るとすごい人材になれそうです

研究だけじゃなく、実践も発展させて、自らプロジェクトを興し、それをマネジメントするんすよ。
そして、その後は、国際社会でも活躍する人材になるんです。

OJTも充実 指導教員も2人


事前の研究室訪問では、予防医学/ゲノム解析の指導教員に相談していました。担当教員と相談して、地域での産後うつの支援方策の検討をしようと思っていました。倫理審査の書類も入学前に作ったよ。
大学院入試のプレゼンも、産後うつの地域支援でOKもらって、無事に合格しました!!

しかし、入学直前の3月31日の20時すぎ。
一本のメール。
「4月1日から、私、他大学へ赴任することになった。あなたのことは、別の先生に託したので、よく相談してね。頑張ってね、バイバイ。」
こんな感じのメールでした。
入学前半年間お世話になったことのお礼のメールを翌朝送りましたが、宛先不明で返送。
前途多難な、ドクターコースの幕開けです。

実は、このメールをもらって、入学辞退しようか、本気で悩みました。
別の先生に託したってなんなん?
専門外の先生に見てもらっても大学院での学び深まらんでしょ。

後を託されちゃった先生、ほんと可哀想だな、面倒な学生をなすりつけられて。専門外を指導するの大変なのは、めっちゃわかるから、超不憫。とか失礼ながら思ってたんですよね。

今ならわかる。
これは、絶対に失礼。
そして、このとき、指導教員がチェンジして、ほんまによかった。
4月1日にして、指導教員に捨てられた、みなしごいくらちゃんになってよかった。


指導教員のご紹介


別件ですが、私のSNSへの出演もOKしてもらっていますし、
メディアへの露出がひどいので、オープンになっている情報だけでも十分記事ができちゃう。

筑波大学農学部卒で民間研究員を複数経験。
35歳でベンチャー企業の代表取締役就任。
40歳で三重大学医学部特命教授就任。
49歳で三重大学副学長就任。
今は、宇都宮大学の特命副学長も兼務している。。。

ベンチャーの立ち上げ&社長から、医学部教授、そして大学経営層へと
次々に新しい働き方を模索し、新しいキャリアを作り出している先生です。

開業保健師として、看護職の新しいキャリアを歩み出そうとしている私にぴったりの指導教員に、偶然、指導してもらうことになったのでした。

ゼミの先輩からの刺激


三重県のビジネススクールの様相を呈しているゼミでした。
おにぎりせんべいで有名な製菓メーカー(株)マスヤ社長を始め、
辻精油(株)社長、万協製薬(株)社長、河田フェザー(株)社長などが学んだ、伝統ある超刺激的なゼミでした。

いくらちゃんが在籍しているときに、ゼミでゑびやの小田島さんや浅井農園の浅井さんの話聞いた時は、マジでおったまげたな。

小田島さんの記事

Microsoftさんと一緒にAI使いながら、店の前の客通り、じゃらんの予約客数、天気、過去の来店者数、etc。。。(これ以上は、企業秘密らしい笑)を重回帰式にぶち込んで、定食屋の注文数予測をたて、食材の発注までを完全自動化。


浅井さんの記事

デンソーさんと組んで、自動ミニトマト収穫機の開発。
AIが画像解析して、甘いトマトを発見し、収穫しちゃうロボットができたよって話。

先輩方の分野を超えた、超横断的な躍進から見たら、土地と建物買って、障害者に家貸すだけのいくらちゃんの開業保健師活動は、超ちっぽけに感じました。
ゼミ、マジこえー。
まわり鉄人ばっかじゃん。


ちっぽけ活動からの脱皮のきっかけ



すげー先輩たちの背中をゼミで見てたので、内心はビクビクしていたのですが、狭い狭い保健師の業界では、一風変わったことをやっていたので、それなりに、自分の活動にも自負があったんですよね。
やっている規模は小さいけど、開業保健師としては、それなりに実績もある。活動も目立ち始めている。開業保健師協会の副会長にも就任したし笑。

保健師大家の記事はこちら。

あるとき、いくらちゃんがゼミで発表した後、指導教員の先生が、顔を真っ赤にして怒ったことがあるんですよね。
後にも先にも、彼に本気で怒られたことは、このたった1度きり。
平たくいうと、
「障害者に家を貸す開業保健師の活動、自分にしかできない事業だと、おごってないか?地域イノベーションに来て、自分しかできないってドヤりたいだけなら、ここから出ていけ。ここは、社会課題を解決することを目指す研究室だ。他の人にも役立てるようにするために、たくさんの人に貢献するための方策を提案しないなら、今すぐ大学院を去れ。」

30歳も後半になって、本気で大人に怒られるとか、マジで幸せ。
完全に見抜かれていました。きっと、慢心していたんでしょうね。
こんなことは自分にしかできないんだって。

この一件もあって、ついに本気出します。

博士課程在学中の2018年8月には、学生アイディアブラッシュアップ支援(学生起業コンテスト)にエントリーして、入賞。
これまで取り組んでいた個人事業主の活動を一部引き継ぐ形で、2018年12月には、NPO法人三重ナースマネジメント協会を在学中に立ち上げました。

「住居の課題を解決するための社会実験」と称して、大学院の後輩と一緒に、在学中にクラウドファンディングを実施しました。

家賃無料住宅を提供!

社会課題を解決するためのプロジェクトを興し、そのマネジメントに取り組むという、博士課程のミッションに真面目に取り組みました。

本気で悩んだのですけど、このミッションをクリアするためには、実際に行動しなければいけません。
なんと、博士課程の公開審査会(これで学位が取れるかどうか決まる大事な発表会)の際、ちょうどクラウドファンディングの真っ際中だったので、発表資料とともに、クラウドファンディング募集のチラシを配りました。地域イノベーションの先生たち、大爆笑!!
こんな公開発表会は初めてだ!とのコメントをいただきました。
↓当日、実際に配布したチラシはこちら↓

懐の深い先生方ありがとうございました

そして、学位授与式

これも、本気で悩みました。
だって、おそらく一生に1回。
博士課程の学位授与式ですよ。
後悔したくないじゃないですか。

で、やっちゃんたんですよね。
炎上するかと覚悟してたんす。
アカデミックガウンの後ろ、バックプリントしちゃいました。
なんと、学長賞&研究科最優秀学生に選出されていたので出番多い笑。
でも、医学研究科や生物資源学研究科(農学系)などの方も多いので、ここは、さすが「地域イノベーション学研究科」の優秀学生だ!ってところ見せつけなきゃね。

当時の三重大学長の駒田先生

SNSへの公開もご許可くださいました。最高の学長です。

そして、大好きな指導教員。

副学長の西村訓弘先生

全然炎上しなくて、逆に残念でしたけど、バックプリントを見た方はみんな笑顔でした。
エンタメ保健師の原点、ここにありです笑。


博士課程で取り組んだ研究の話


論文タイトルは、
「メンタルヘルスに関する地域包括ケアシステムモデルの考察」です。

メンタルヘルスについて1次予防から3次予防までを考えると、
1次予防:統合失調症の好発年齢直前の思春期の生徒全員にアプローチ
2次予防:産後うつの好発時期である産後の母親
3次予防:地域で家族を支えるソーシャルサポート家族会&住宅提供の開業保健師活動
この辺りが重要ですね。

それぞれ、学会発表と論文執筆を繰り返して、成果を上げました。
また、開業保健師のところは、社会実装(クラウドファンディング)もしました。

井倉モデル 2019

ちゃんと、オリジナルモデルとして提言しましたよ。
メンタルヘルスの領域で縦横無尽に動き回る開業保健師。

学位取得後、この博士論文を書籍にしました。

無料で全文見たい方は、過去記事に貼ってありますので、こちらをご覧ください。


人付き合いの中で学ぶということ


大学の教員しながら、博士課程に進学していましたので、平日は看護学部助教として勤務していました。
そんな中、2年生の夏くらいでしょうか。
指導教員から、
「いくらさんは筆が早い(論文を書くスピードが早い)から、早期修了も可能かもしれないね。これまでだと、早期修了の規定がなかったんだよ。今回はいい機会なので、教授会で私から提案して、早期修了の仕組み作っといたから。」
って。

あーー(涙)

違うんす、大学の仕事忙しいから、できる時にちょっとでも先に進めてるだけなんす。
D3年生になるタイミングで、距離の遠い大学に准教授で赴任して忙しくなるんす。。。

今、ちょうど学生起業コンテストエントリーしたところですやん。
この冬にはNPO立ち上げまんねん。
いろいろありすぎて、早期修了なんて、もうむりポ

でも、指導教員が私のために資料を作ってくださって、教授会で早期修了の提案してくださって、他の教授からやいのやいの言われながらも、合議したんだろうなということが想像できました。
ここは、期待に応えないと、彼の面子を潰すことになっちゃう。
しんどいけど頑張ろう!!
ってなりました。

あまり弱音を吐かないいくらちゃんも、さすがにこの時期は、マジで死ぬかと思いました。
修士課程に続き、人生2度目の死ぬかと思った(笑)

2年でもいいよ、って先生は言っておられましたが、それはさすがに論文数が足りませんでした。
なんとか滑り込む形で、2年半で早期修了。
なんとか、先生の面子は保てたかな。
授業料半期分(25万円くらい)浮いたので、お財布には優しかったですが、
正直、普通に3年間の修了で全然良かったと思います笑。
こうやって、ネタになるので、まぁここで焦ったことも不安になったことも全部成仏したかな。

結論:
ホント、大学院はマジでしんどい!!でも実践が花開いた!!!

誰よ?
博士の学位は、足の裏の米粒と言ったのは。

(取らないと気になるが、取ってしまえばなんのことはないの意味らしい)
米粒とるの、死ぬほどキツかったじゃないか。


でも、家に帰ったら、子どもたちが心の底からお祝いしてくれて、最高に嬉しかったです!

折り紙の首輪の正しい使い方


さーて 来週のいくらちゃんは


「ベンチプレス、110kg」
「秘技、ちゃぶ台がえし」
「コミュニティのチカラ」

の3本です。

来週もまた、みてくださいね!
ジャンケン、ポン!

ありがとうございます!ご支援いただけると、看護職の未来がちょっとだけドキドキ・ワクワクします!!