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施策実行の肝。周囲を「巻き込む」ために人事の私がやっていること。

人事としていろんな場面で重要性を身にしみて感じる、「巻き込み力」について、私が心がけていることを書いてみます。特別なテクニックではなく、ちょっとした心がけレベルのことも多いですが、日々の蓄積で大きな差になると感じています。実践しやすいように頑張って具体的に書いてみたので、人事以外の方にも何かのお役に立てれば嬉しいです!

巻き込み「命」な人事の仕事

想像に難くないと思いますが、日々人事の仕事をする中で、社内のあちこちで人を巻き込まなければ始まらない、ということがよくあります。

しかし、現場社員はそれぞれ本業(営業やマーケティングなどの通常業務)があるため、本業への負担を抑えつつも協力をしてもらえるよう、巻き込みには工夫が必要です。現場社員にしかできないことがあるからこそ、協力してもらいたい。でも負担や迷惑をかけすぎないか心配…。人事の方であれば、同じような悩みを持つ方は少なくないかもしれません。

実際、私が入社して最初にメイン担当となった新卒採用プロジェクトでは、人事 2 名 + 現場 7~8 名 + 経営陣 5~6 名と総勢 15 名程度の関係者を巻き込みながらの業務がほとんどでした。自分一人では到底やりきれないことばかりであるため、プロジェクトメンバーや、時にはプロジェクトに所属していない社員も巻き込み、協力を得ることが不可欠でした。

相手に動いてもらいやすくするために

私が気をつけていることとしては、「相手目線」と「先回り」です。一つ一つは小さなことで、「工夫」と呼ぶには普通過ぎるような些細な気遣いだったりします。ただ、毎日のことなので、小さな心がけを徹底して継続する威力は非常に大きいです。

人を「巻き込む」うえで大事なのは、意見をもらえるだけでなく、実行段階においても協力を得て、行動までしてもらえること。巻き込みたいシチュエーションにもよるかと思いますが、一緒に手を動かしてもらえる方がアウトプットは大きくなります。だから、相手が動きやすくなるにはどうするか?を徹底して考え(相手目線)、こちらができることはやっておきます(先回り)。丸投げではなく、その人にお願いしたい部分に注力して、相手が動きやすいように依頼をすることがポイントです。

なぜあなたにお願いしたいのかを伝える

ここから先は、具体的にいくつか紹介していきます。

まず、巻き込みの第一歩として、声をかけるときに意識しているのが、なぜあなたにお願いしたいかを具体的に最初にしっかりと伝えることです。本業ですでに忙しいメンバーに対して、「協力してもらえませんか?」というのは気を使います。採用では有志のプロジェクトメンバーにはもちろん、それ以外のメンバーにもよく候補者面談をお願いしているのですが、前向きに協力したいと感じてもらうために、こんなことを目指していて、あなたの○○な点で力を借りたいんです、と最初にできるだけ伝えています。

社員がみんな優しく協力的という超恵まれた環境のおかげでもあるのですが(笑)、急な依頼でも快諾してもらえることが多いですし、面談を依頼した人からは自分が出る理由が分かってやりやすいと言ってもらえています。気持ちよく協力してもらうためには意識するとよいかもしれません。

前提情報を共有する

声をかけた後、実際にタスクを実行してもらう段階では、相手がスムーズに動き出しやすいように、前提情報の共有を大切にしています。こんな情報があったらよさそうだな、と考えて準備します

巻き込む側はその活動や業務に対して日頃から考え、ゴールイメージやそこに至るプロセスをある程度思い描いた状態で声をかけます。ただ、巻き込まれる側は途中参加です(である場合が多い)。お願いしたいことの背景が分からないと、後から疑問や不安が湧いてきます。成果に繋げられるように正しい方向性で協力を得るには、ここまでの文脈を共有することが大切です

例えば、社員に候補者面談をお願いする場合は、過去の選考記録や今回の狙いを含め、候補者がどのような流れの中で面談当日を迎えるのかを担当社員がイメージして臨めるように説明します。また最近では、採用広報のネタ発掘のために社員インタビューを実施したのですが、インタビューをする目的や聞きたいこと、回答結果の活用イメージをドキュメントにまとめて依頼時に共有したりしています。

相手の To Do リストを作っておく

いざ、依頼後に動いてもらおうという段階では、先回りとして相手のTo Do リストを作ってしまいます。

特に数週間~数か月にわたってやり取りをするような取り組みの場合は、相手の分の To Do リストを用意することで抜け漏れも起きにくく安心です。相手が自分でやることを考えたり確認したりする手間を省けます。

以前、新卒採用のセミナーに複数名の社員に登壇してもらったことがあるのですが、各自のプレゼンの準備にあたって、登壇者用のやることリストを作成しました。最初の声掛けから 2 か月半くらいのスパンで進めていくものだったので、スライドのラフはいつまで、プレゼンの〇次レビューはいつまで、というようにある程度の期限も決めておきました。経過報告もリストに入れておけば途中で進捗も知れますし、中間期限があることで致命的な遅れも発生前に防げます。どちらにしろ自分からも確認をすべきことなので、自分のための To Do リストでもあり一石二鳥です。タスクが多く細かくなる場合は Trello などのツールを使ってもよいと思います。

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がっつりとしたリストではなくても、相手が動きやすいように時系列にステップを作って伝えるようにしています。個人的には期限を忘れがちなので、ざっくりとでも目安で伝えるように気を付けています。

参考情報を添付する

同じく先回りとして、参考情報の添付です。

参考情報とは、社内の情報共有ツール、過去に同じような依頼をした人のアウトプットなど、あることでその人が作業をしやすくなる情報です。参考にするかどうかは別として、役立ちそうな情報があれば添えておきます。

私は社内で esa という情報共有ツール(上の画像)を使っているのですが、企画を考えた背景や昨年の関連プロジェクトのふりかえり記事などを Slack で送ったりします。そういった情報が整理されていないと結構大変そうですが、私の場合は esa にだいたい格納されているので数秒でできます。

ちなみに、自分でもできていない時がありますが、参考情報は必読ではないので、必読のものと分けて共有したほうが親切ですね。

小さなことでもお礼や感謝を伝える

実際に実行してもらう中では、小さなことでもお礼や感謝を伝えるようにしています。私が担当した採用プロジェクトでは全員が本業(通常業務)が別にある中で採用活動をしていたのですが、以前プロジェクトメンバーと話していた時に、限られたことしかできない中で自分がちゃんと役に立っているのか気になっていると知りました。それを聞いてから、ほんの小さなことだとしても、実はものすごく助かっているんだ、と意図的に伝えるようにしています。(でも最近 Unipos をあまり送れていなくて反省…)

「面接所感のコメントが凄く分かりやすくて助かりました!」
「前回面談した方の選考状況を気にして確認してくれて、心強いです!」

みたいな感じで小さな感謝をこまめに伝えています。

面談や面接は成果に直結するものばかりではないですし、分かりやすいアウトプットが出ない場合もあります。ただ、その人のちょっとした発言や提案によって助けられることは山ほどあるので、しっかりと伝えていくことで余計な不安を減らし、安心して取り組めるようにしたいなと思っています。

個人単位で話を聞く

最後は、巻き込んだ人一人ひとり対して個人的に話を聞くということです。

これは長期的にプロジェクトとして一緒に活動する現場メンバーに対してやっています。

採用プロジェクトは毎年5~6名のメンバーが有志で集まり、「プロジェクトメンバーの皆さんへ」という形でコミュニケーションをとることが多い活動です。定例ミーティングやプロジェクトのチャットなど、自分対複数メンバーの構図でのコミュニケーションが多いので、その分参加者一人ひとりの個人的な感想や意見を引き出しにくくなります。ただ、継続的に巻き込み、関わり方を改善していくには、チームやプロジェクト単位でのコミュニケーションはもちろん、構成員一人ひとりの一人感想がとても重要です。そのため、採用プロジェクトでは、プロジェクトメンバー一人ひとりに初めて面接官をやってみた感想を聞いたり、本業との両立について率直な気持ちを聞いたりしていました。

個人的に話しかけたり、話を聞いてみたりすることで、自分の働きかけによる相手の印象や感覚の解像度が上がります。それによって、翌年度のプロジェクトで現場社員にどう参加してもらうかを軌道修正することができるのです。

小さな心がけが大きな「差」になる

巻き込みが大事だと常日頃から思っているものの、こうして書いてみると、やっていることはどれも小さく平凡なことばかりで、書き終えた後、「普通過ぎる」と悩んで一度はお蔵入りにしたほどです。

ただ、誰かを巻き込むシーンは本当に多いので、これらの小さな心がけを徹底して継続することが、長期的な成果では大きな差になるのではないかと思います。

自分で書いてみて、「ああ、これはあの時あまりできていなかったな」と思うようなこともあったので、明日から自分でも常に実践していこうと思いました!

1つでも参考になることがありましたら幸いです^^

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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