ペルーでの日々の記録

この町のお金の回り方

任地202日目。水曜日。

今日は1日オフィス。私の配属先は2019年から新しい市長に代わって総動員で入れ替わったのだが、2018年までは別の人が市長で配属先の人員配置もすべて異なっていました。

しかしながらオフィスには前年度からの資料がやまほどあり、その整理を今日一日してました。

その作業を始める前に昨日の女性の手工芸の話になって、プロモーションしたほうがいいよね、だの何かフェアとか開けるかな、だの話していました。

ちょうど配属先の目の前ではとある学校が技術科の縁日みたいなのをやっていて(日本で言う文化祭みたいな感じ)、こういう感じで女性のグループをいくつかあつめてフェア出来ないかなーと上司に相談をしてみたのでだけれど…


上司的には、「お金ない」という反応。どうやら外で行っているフェアも2000ソル(7万弱)かかっているらしい。

もしお金を掛けずにやるなら、こういう学校がやっているフェアに間借りさせてもらって2つくらいブースをもらうとかならできるけれど、一からやるなら2000ソルかかるよ。と上司。

私的には何にそんなにお金をかけるべきなのかがわからず、いや適当に机といす持ってくればええやん…って答えたのだけれど、

そしたらでも太陽とか強いよ?上の屋根とか必要でしょ??というので

パラソル適当に持ってくればええやん…って言いました。


いつも何かを提案するとき、お金ないとか、お金ないからできないと言われるのですが、お金がないならお金がなくてもできる方法をまずは試すしかなくない?と思っていました。

どこかからお金を用意するもありだけど、それは時間がかかってしまうので私はまずお金がなくてもできる方法を頭の中でイメージするようにしています。

そういう話の流れだったので

「お金がないなら、お金がなくてもできることをやる必要があると思うんだけれど…!」と発言してしまった。気悪くしたかな…大丈夫だったかな…?

まあそうだよねってなってこの話は終わり。とりあえずこの件は女性のグループにどうしたいか聞いてみようと思います。


さてそんな前置きがあっての今日の話。(例に習って急にですます調外します笑)


そんなやり取りがあった今日、配属先から帰るとき、

「お~いくみ!」と声を掛けられた。見たらめちゃ知り合いだった。というか、最近仲良くしてくれているアミーゴ(友達の意)。

どうやら今回のフェアの後片付けをしている様子。びっくり。笑

聞いたら、昨日の夜8時から今日の朝5時までこのフェアの設置をしていたらしい。今も片付けとして昼1時から夕方6時までやっているとのこと。しかも男性たったの3名で…。

12万人の町だよ…?ここで彼と出会う?世間狭くない??と思いながら

自分今朝考えていたことを思い出す。


私はもともとケチな性分なのか、今までも必要以上にお金をかけてこなかった。

お金を掛けたいところにはめちゃくちゃかけるので、自分ではケチではなくコスパ女子と思いたいと思っているのだけれど、最近認め始めた。多分私はケチなんだと思う。笑

でも協力隊活動をするなかで自分がそういう性分で良かったと思う部分にめちゃくちゃ出くわす。無駄なものは買わないし。豪遊は嫌うし。

必要なものにはお金をかけるけれど、ちょっとお金が出る予定があるときは少しケチって夕食を簡素にしたり。

洋服もほとんど持っていない。さすがに毎日同じすぎてやばいかなと思っているのだけれど、任地の人の洋服の方がバリエーションが豊富だし、私は仕事場にいつも運動靴、ジーンズに半そで。他の女子たちみたいにヒールなんて履かないし(そもそも畑いくし)、ひらひらしたトップスも持っていない、メイクもそんなしていない。

だからあの子、本当にお金ないのねって思われていてもおかしくはないくらいの姿で過ごしているかもしれない。ちょっとした距離ならタクシー使わずに歩くしね(運動のためもあります!)。まあできたら倹約家って言ってほしいのだけれど…。笑


だから女性の手工芸のやつも、そんなフェアに2000ソルなんてかける必要なくない?適当に必要なもの持ち出せば無料でできなくもないでしょーーーという思考回路が出来上がっていた。

女性グループのものに限らず、役場がお金ないという理由で何かをあきらめるときは、いやいや、こうしてこうすればできるやん、みたいなスタンスだった。


話を戻すが、今日の帰りに片付けをする彼に会ったとき、その思考回路を思い出したのだった。

そう、このフェアを行う際の準備費用は2000ソル。そのうちの半分以上が彼ら3人に割り振られるのだろう。

ちょっと、「しまった・・・」と思った自分がいた。


意外かもしれないが、私の町はお金がしっかり動いている。

12万人住んでいても経済規模は小さい町だし、「つけ文化」や「物々交換」などがあってもおかしくないと思っていたのだが、任地について早々に思ったのはどんな関係であれ、ちょっとしたものであれ、そこに金銭の支払い授受がなされている。

これは任地来て数日で気付いたのだが、意外過ぎて驚きだったのだ。


そうしてみると、配属先が何かやるたびに

「お金ない」

と口をそろえて言うのもわかる気がする。

全てにお金がかかる。

ちょっとお願いするんでも支払う必要が出てくる。

だから私が思うような「お金を掛けずに何かを実現させる」という思考回路はたぶんかなりずれているのだろう。

逆に言えば、何をするのにもお金が動くからこの住民の生活は成り立つともいえる。

定職がなくても、少し家具を運んでみたり、何かを道で売ってみたり、セミナーにお昼を提供してみたり、バイクや三輪バイクで人を乗せてみたり

そういうことをすれば数日生きる分くらいは稼げてしまうのだ。

だからお金を動かさない私の思考回路を客観視した時に「しまった・・・」と思った。

しかもハッと気づかされたタイミングが大切な友人のケースにだったからまた考えた。

彼の生活だって、何かフェアをやるときに外注してお金を払うからこそ成り立つ。

ちょっと大げさに言うと、私はそこにメスを入れようとしたのだと気が付いた。

だからと言って何でもかんでもお金を掛けられるかと言われるとそうもいっていられないから、支払うところは支払って、自分が何とか出来るところは何とかしたいとは思うのだけれどね。


日本は副業(複業)がまだあんまり馴染んでいないから、本業以外では稼ぐ文化があんまりない気がする。お父さんの土日のお手伝いも「サービス」換算だけれど、そういう「サービス」でこっちの人は生計を立てているから物事の考え方が少し異なるのもあるんだろうな。


それに気が付いたところでなにも解決はしていないんだけれどね。笑

でも世間狭くって面白い。まあ相変わらずボチボチ行こうと思います。

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