見出し画像

白附みくる「Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音」

私はX世代の若めの方、Z世代とだいぶ離れているわけですが、それでもこの本を読んだ時に頭に浮かんだのが、こんな風に扱ってもらえたら、今頃もう少し幸せに生きられていたんじゃないか、ということでした。

この本は2000年生まれのZ世代で、株式会社OMOCHIの代表取締役である白附みくる氏が、上の世代とZ世代の架け橋になりたい、と考えた書かれた本とのことです。
すごく分かりやすく、親しみやすく書かれています。文章から彼女の人柄が感じられ、様々な世代が様々な課題に協力して取り組めば、いい社会ができるはず、と真剣に考えていることが伝わってきます。
多分これまでも、本気でそう考えて、様々な世代と交流してきたのだろうな、と思います。違う世代が、私よりもっと上の世代が読んだとしても、すんなりと受け入れられるような言葉で書かれているのだろうなと感じました。

いえ、もっと言えば、私たちだって、こんな風に扱われたかったよ、と強く思ったのです。当たり前のことじゃないかと。いいよな、今の若い人たちは、若い人たちの意見を尊重することの大切さが浸透していて。
私たちなんか……ともやもやしてしまいました。

デジタルネイティブではありませんが、職場に入った時には、未開の国に来たかと思いました。色んなことが古かったのですが、それを古いといってはいけないような雰囲気がありました。おかしいなと思っても、真っ向からは言わない、少しずつ変えていかなければいけない、そんなきゅうくつな感じをいつも持っていました。

少し上のホリエモンさんや、同年代のヒロユキさんみたいに、ものすごくとがっている人は、自分の意見を言えるのだと思いますが、私たちのような凡人はおかしいと思っても言えないで来ました。
今はいい時代。私だって、こんな風に扱ってもらいたかった。
こんな風に扱ってもらえたら、今頃もう少し幸せに生きられていたんじゃないか、と考えたのです。

でも、やっぱり違うのかもしれない、と思いました。

私たちにはこんな風に扱われなければいけない、と思わせるような何かが足りなかったのかなと思います。

上の世代が多すぎた、とか、言い訳はいろいろあるのですが。
それにもちろん世代としての運みたいなものもあるのかもしれませんが。
でも一番大きなのは、こんな風に、Z世代はこんな世代、こんな風に扱ってほしいというリクエストをその世代自らが発信するような雰囲気があるのだろうな、と思います。もちろんSNSが浸透して誰もが発信できる社会になったということもありますが、職場みたいな小さな社会の中でも、自分はこうです、という感じで自己開示するような雰囲気があるのではないかな、と思ったりもしました。

白附氏はわかりやすくするためにZ世代を3つのタイプに分けています。私も今さらですが、ほめてのびるタイプかな、と思います。ほめて欲しいです。だからこうしてnoteを書いているのかもしれません。
厳しく言われても、一晩寝てどうにか前向きになっていますが、本当は職場でもほめてもらいたいです。家でもほめてもらいたいです。
もうそういう立場ではないので、自分で自分をほめて、家では「ほめて」とリクエストしようかと思います。

本の中ではインフルエンサーの協力を得て、インスタでアンケートした結果なども載っていて、とても興味深いです。
白附氏も分かりやすさのために3つのタイプに分けていたりするけれど、結局突き詰めていけば、一人ひとりと真剣に向き合うことが大切なのだろうな、と感じました。
同時に、私たちはまだ上の世代とも一緒に仕事をしているわけで、上の世代は古いからいうことを聞いても仕方がないなどと思わずに、白附氏のように、上の世代に対しても自己開示し、協力し合っていい社会を作りたい、という気持ちにもなりました。


この記事が参加している募集

#読書感想文

189,685件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?