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細田高広「コンセプトの教科書——あたらしい価値のつくりかた」

この本とは書店で出会いました。まずタイトルにひかれ、裏返すと、帯に「現実を書き換えようとする人たちへ」と書かれていました。

コンセプトメイキングの基礎をみにつけると、新しいことをたくらむ作業をいま以上に楽しめるようになります。こんな生活ができたらいいのに。あんな社会になったらいいのに。そのままならバカにされるような妄想であっても、説得力のあるストーリーや、1行のフレーズになった瞬間、周囲の反応が変わります。
一緒に実現したいと名乗り出る人や、投資したいという人が現れます。
いつしかユーザーやファンがついてきます。
こうして、コンセプトという名の設計図が現実に変わっていく。
その感覚を1度でも味わってもらうことが、本書の究極のゴールと言えるでしょう。

本書 はじめに より

この「説得力のあるストーリーや、1行のフレーズになった瞬間、周囲の反応が変わります」という言葉に特にひかれました。
そんなこと、自分にもできるんだろうか、と思いながら、やっぱり体感したいな、と思って、たまたま書店で見つけたこの本を買うことにしました。

読みながら、岩手県紫波町のオガールのことを思い出しました。私はまだ行くことができていないのですが、公民連携の聖地といった感じで、私もいつか行きたいと思っています。

このプロジェクトが始まる際に、描かれたビジョンは、まちの景色、そこにいる人々の様子が描かれて、日が昇り、夕方になって暮れていくまで、どんな動きがあるのかが詳細に書かれていました。情景が浮かぶだけでなく、音さえ聞こえてきそうな感じでした。
まだそこにないのに、既にあるように感じられました。

優れた経営者の多くは未来を可視化することにこだわってきました。京セラ創業者の稲森和夫はビジョンのことを「現実の結晶」と呼び、達成した状態が白黒ではなくカラーで見えるまで考えるように説いています。

本書 第4章 未来面世で設計する「ビジョン型ストーリー」

カラーで見えるくらいまでなったビジョンには、人を巻き込み、行動を起こさせるだけの力があるということなのです。自分もこんなことをやりたい、という気持ちを持った人たちが集まってきて、結果として、ビジョンの通りの姿になるというのです。

とりあえず、一通り読んでみたのですが、でも、一番大切なのは、読むだけではなく、実際に考えなければいけないということも同時に分かりました。
読んだだけでは、何もできません。

そういえば、以前、ドリームマップ、というのをやってみたことがあります。

3年後の自分が、どんな風になっていたいか、具体的な数字なども入れながら作っていきます。雑誌の切り抜きなどを貼り付けたりして視覚的な要素も入れて作るので、とても楽しかったのを記憶しています。
本当は壁に貼るべきなのだけれど、家族に見られるのが嫌で、たまに見ている程度でした。
でもその中のいくつかは叶っていて、少し違う形だったりもしました。

多分これだって、ドリームマップってこのようにやるんですよ、と手法を聞いただけでは、意味がなかったと思います。実際にやってみて、本当は壁に貼った方が良かったけれど、そこまでやらなくても、一度目で見ながら手を動かし、言葉を書きつけたからこそ、いくつかが形になったのだと思います。

ビジョンの話だけをしましたが、本のタイトルにもなっている「コンセプト」についても、もちろん詳しく書かれています。
まず、ビジョンを描き、物語を膨らませた上で、そぎ落とし、1行化し、最適化することで、力のあるコンセプトができるのだ、ということがよく理解できます。

教科書、というタイトルの通り、具体的な方法が書かれています。
私もあるテーマについて、この本に書かれていることを一つ一つやってみようと思います。



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