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青山ゆみこ「元気じゃないけど、悪くない」

保護猫たちのいる猫カフェに初めて行ってみました。普通は猫が好きな人が行くのだと思います。猫のショート動画を次々とみている娘にせがまれて夫が連れていき、その翌日また行きたいと言ったので、今度は私が一緒に行くことにしました。
娘は早々にお気に入りをみつけてなでなでしています。さわってごらん、と娘に促されましたが、眠っているから、と返しました。そういえば、猫だけでなく動物全般、苦手だったなということに気付きます。誰かの猫だったりすれば、儀礼的になでなでしたりすることもあったと思いますが、ここはそういう場ではありません。そして私はこの本を開きました。ちょうど飼っている猫がどれだけ大切な存在であるか、ということについて書かれていました。
少しずつその場に慣れてきたので、部屋の中のあちこちで自由きままに過ごしている、堂々とした雰囲気や、美しい身のこなしを観察していました。
やっぱりどうしても気持ちが進まなくて、触ることはしませんでしたが、猫たちの美しい写真を撮っているうちに、色んな距離感のとり方、いろんな楽しみ方でいいんだろうな、と感じました。

この本の最初には、著者がまだ子供だった頃に買っていた犬の話も出てきます。たかが動物とはいえ、長く一緒に過ごすので、家族の一員という感じになります。小さかった自分とその兄弟を見守っていた最初の犬リキ、その後、弟が飼いたいと言い始めてペットショップで選ばれ、たくさんかわいがられたロイ、そして14年間も著者と夫の家で暮らし、とても大切な存在であった猫のシャー。

シャーの死とコロナ禍、健康診断の結果が悪かったことで一念発起して始めたパーソナルトレーニング、それに伴う禁酒、締め切りに間に合わせて書かなければいけないプレッシャーとそして、自分の問題に直結していたテーマ、こうした様々なことで、心と身体が一気に不調になっていきます。
読んでいるこちらまで鬱々とした気持ちになりそうなのですが、著者はいろいろと考えながら、進んでいきます。

その進むきっかけになったのが、本と、そして人でした。

実は私も約1年前から、とある方のカウンセリングを受けたり講座を受講したりしていました。その中で、よく言われているのが、〇〇すべき、という思い込みを外していこうとか、自分のストレスを対処する方法をいろいろやってみるとか、いうことです。
本の中でもそういうことがたくさん書かれていて、なるほど、と思いました。
多分、こういう分野では、ごくありきたりのことなのだと思うのですが、そういう言葉が目に留まるようになってきたということは、少しずつ身についてきたということなのだろうなと思います。
知識として知っているのと、自分が試してみて理解しているのとは大きく違います。まだ身につけられている、というほどではないけれど、アンテナにすっとひっかかり近しい感覚を覚えるのは、だいぶいい兆候なのだろうなと思います。

そしてもう一つ、著者は私より5歳年上で、昭和生まれ昭和育ち。家事や育児は女がやるのが当たり前、という時代に育ち、仕事をしていても、基本は女がやらなければいけない、という意識にがんじがらめにされています。
けれど、身体と心の不調で本当に動けなくなって、手放さざるを得なければいけない状況になりました。
先にパニック障害を経験している夫が家事を全てやってくれるのですが、一言も言われないのに、それを責められているように感じるところが、非常に共感を覚えました。
私も何かやってもらっても喜べず、責められているような気がしてしまっていました。今、どうにかそんな風に思わないようにしよう、と頑張っているところです。みんなで外食に行くこと、スーパーで総菜を買ってくること、お弁当屋さんで買ってきたお弁当で食事を済ませることに罪悪感を覚えていましたが、誰も責めてない、というか、何だかむなしくなることに、特に子供たちの食べっぷりが私が作ったものより良いのです。

休日、というのはこれまで、平日を回すための準備の日、と捉えていました。でも私も休まなければいけない、と考えるようになりました。もう仕事も家事も頑張れる時期は終わりました。
最低1食は必ず外食かお弁当を買ってきます。作りたいと思う時は作りますが、結果としてものすごく疲れてしまうので、それも控えめにしようと思います。基本食べることは好きなので、食材を見るとあれが食べたいな、という気持ちが湧き、作りたいな、に変わるわけですが、いやでも片付けも疲れるし、ほどほどにしようとセーブすることにしました。

その代わりに休日は、本を読み、noteを書きます。美容院に行ったり、マッサージ屋さんに行ったり、ということもありますが、必ず欠かさないのは読書と読書日記。旅行に行く時だって、本を持っていくし、スマホで書きます。もうそれをしなければ落ち着かない感じになりつつあるし、やっぱり本は支えになるのです。

著者が、「元気じゃないけど、悪くない」という状態になるまでに読んだ本が、いろいろと紹介されています。いろいろ読んでみたいな、と思っています。また休日の楽しみが広がります。

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