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演奏のための基礎知識リスト

Chère Musique



最近なぜか中級や上級のレッスンで多いのが、楽典の教本にあるような基礎知識を、初心に帰ってあらためてもう一度教える場面。

私の普段の指導の中での話題は、演奏テクニックに関すること以外だと、歴史、音楽家、概念的なことが多い気がします。
なので少し新鮮な気分。



楽典基礎知識というのは、簡単なこと(整理すればよいだけなこと)から、少し頭を使って覚えたり練習問題をしたりしたほうがよいことまで、いろいろあります。

最近出た話題では、例えばレッスンしていて、ある場面で和音進行による表現(音色)の変化、という話をしている時、説明しているうちにカデンツァや和声やそれにつながる音程の話などにもなりました。

舞曲のテンポがなかなか定まらなかった生徒さんには、古典組曲の構成の話になって、少しだけ踊ってみたり。

ソナタの転調で表現を考えようとした時に、“調”同士の関係の話になりました。



プロやプロを目指している方ではない方々に、どんな話の時にも気を使うのは、「その時に必要なことだけを、受け入れる気になる言い方で」。
楽しく時間を過ごしてもらいたいのです。

でも、そういう一般の生徒さんたちも、たまには専門的なところまで学んでみたいという好奇心を持つこともあります。
そんな時にはなおさら、せめて雰囲気だけでも難しい感じにならないように、伝え方を工夫します。

その生徒さんがその時に習っている曲の演奏に直接役立つからこそお話しするのです。
でも今の曲に関係なさそうでも、生徒さんがどこかで小耳に挟んだなどで知りたくなったことが出てきて、質問してくれることもあって、それはとても楽しいことです。



歴史、音楽家、概念的なこと以外に、演奏するのに最低限必要な基礎知識とはどんなものがあるのか。
私なりに考えてみました。
基準は「音楽が自分の頭の中で、自分の呼吸と共に流れていく」こと。
それが前提であり、すべての項目の目的です。

〈どんな流れなのか〉
音符と休符
拍子
速さの設定とその変化(テンポ)

〈場面がどう進むのか〉
楽譜の進行
音楽形式

〈どういうイメージの音楽なのか、音楽の色や温度〉
音名
音程
音階と調
和音

〈どう弾くのか、どんな場面を作るのか〉
音を繋げる、切る、はっきり、重く、軽く(アーティキュレーション)
音の大きさとその変化(ダイナミクス)

〈更に本物にするために〉
装飾音の弾き方
ペダルの踏み方とその目的
楽語の意味と使われ方



こんな感じかな。
順番はいろいろだと思いますし、このグループ分けもいろいろな意見があると思います。
あくまでも私見です。


こういうことを、なるべく全部、でもなるべく曲のレッスンの中でお伝えしなければならないと思っています。



Musique, Elle a des ailes.

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