【大人の読み聞かせ】大人向け朗読『夏目漱石/夢十夜』

《あらすじ》
『自分』は腕組をして枕元に座っていると、仰向に寝た女が、もう死にますと言う。間も無く死ぬという女は、「百年待っていてください。きっと逢いに来ます」と言い残し亡くなる。『自分』は女に言われたように墓を掘り、日が落ちるのを数えて待っていた。すると真っ白な百合が伸びてきて、『自分』は100年が既に来ていたことを知る。

第二夜 12:07〜21:41

《あらすじ》
侍の『自分』は、和尚に「いつまでも悟れないならお前は侍ではない。人間の屑だ。侍なら悟れぬはずはなかろう」と言われ腹を立て「きっと悟って見せる。悟れなければ切腹する」と誓い、「無」について考える。しかし、どうしても無を知るに至らず、、。

第三夜 21:42〜31:28

《あらすじ》
『自分』は盲目の子を背負って歩いている。自分の子らしい。しかし何やら恐ろしさを感じて、その子を捨ててしまおうと森へ向かうと子は全て見透しているように思えた。
そして、その子は『自分』に、100年前、御前に殺されたのだと語り始めた。

第四夜 31:29〜41:09

《あらすじ》
爺さんは、手ぬぐいを蛇に変えると
言い、唄いながら河に入っていった。子供の『自分』は、爺さんが向う岸に上がったら蛇を見せるだろうと思って待っていたが、爺さんが河から上がってくることは無かった。

第五夜 41:10〜50:50

《あらすじ》
戦に負けた自分は、敵の大将に、
最後一目、女に会わせて欲しいと頼む。大将は、鶏が鳴いて夜が明けるまでなら待つと言い、自分は女を待っていた。すると女は白い馬を伴って、会いに来ようとするのだが、その行く手は阻まれる。

第六夜 50:51〜1:00:30

《あらすじ》
運慶が仁王像を彫っている。
それを感心しながら見ていた『自分』に男が、「運慶は彫っているのではなく、木の中に埋まっている仁王を掘りだしているんだ」と言う。そうなら誰にでも彫れると思えて、『自分』も彫りたくなった。さっそく家に帰り彫ってみるが、、、。

第七夜 1:00:31〜1:10:13

《あらすじ》
『自分』は何やら大きな船に乗っている。行く先も、行く理由も分からない。心細くなり、さらに他の乗客を見たり話したりするうちに、つまらなくなって『自分』は死ぬことにした。ところが船から身を投げ出した途端に、『自分』は後悔することになる。行く先が判らない船でも乗っている方が良かったと、、。

第八夜 1:10:14〜1:19:53

《あらすじ》
床屋に入った『自分』は、色々な人を見る。女連れの庄太郎、豆腐屋、芸者、金魚売り。餅売り屋の声も聞こえてくる。しかし、そのすべては、鏡にはうつらない。床屋から表に出て金魚売りを見ると、そこには、、。

第九夜 1:19:54〜1:29:35

《あらすじ》
世の中がざわつき始め今にも戦争が始まりそうである時、ある母親が3歳になる我が子を伴い夫が無事に帰るようにお百度参りをしていた。
その夫は、ある日家を出たままであった。

第十夜 1:29:36〜1:39:19

《あらすじ》
町内一の好男子庄太郎は、元来閑人で善良な正直者であるが、一つだけ道楽があった。それはパナマの帽子を被って夕方になると水菓子屋の店先に腰をかけて、往来の女の顔を眺めるというものであった。
ある夕方、身分のありそうな立派な服装をした女が店先に立ち、籠詰の水菓子を手に取ると、重いという。気の良い庄太郎は女の家まで持ってあげると言い、女と一緒に水菓子屋を出るが、そこから行方がわからなくなる。
7日目の晩にふらりと帰ってきた庄太郎は、女とは電車に乗って山に行き、無数の豚と戦い続けていたと話した、、。

『庄太郎』は、第八夜にも登場します。そこでもやはりパナマの帽子を被っています。最終夜である第十夜との関わりも実に気になるところです。

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