【大人の読み聞かせ】大人向け朗読『久坂葉子/入梅』

〜あらすじ〜

『私』は夫を亡くし、幼い一人息子の行雄と『私』が小さい頃から世話をしてくれている、じいやの作衛と暮らしていた。そして昔習っていた絵皿を役立てて、テーブルセンターや日傘やネクタイなどを描き生計をたてていた。
次第に仕事が忙しくなり、おはるという手伝いの女を雇うことにしたのだか、おはると同名の妻を亡くしたじいやの作衛は、親子ほども年が離れたおはると親密な関係になっていく。
そして、事件は起きた。


『久坂葉子という作家について』
久坂葉子という作家を知って、
私はその作風にすっかり魅了されてしまった。

川崎重工の創始者の曽孫。男爵家の令嬢であり作家以外にも絵や音楽など芸術的な才能に恵まれ、十九歳で芥川賞の候補。さらに美しい容姿でもあったが、二十一歳の大晦日、阪急六甲駅で自ら世を去った人、、。
そして何よりも、天から稀有な才能を与えられた人、、である。
夏目漱石、永井荷風、芥川龍之介、太宰治、宮沢賢治、梶井基次郎、、と、
私が好きな才能の宝庫である作家が多く存在する中ではあるが、
久坂葉子は、他に例のないほどに、
妖しいのである。
『妖しい』という言葉は、非常に不明瞭とは思うのだが、何故だか私は、
彼女の作品に触れた途端に、
いつも別の次元に連れて行かれるのだ。そして、そこで違う私を見つけるのである。
それが楽しくて、ワクワクしながら読んでいる。

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