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本日私がいただくのはフランスの白ワインです、のとき3分でいいから聞いてみてくれ ラヴェル作曲「夜のガスパール」
帰り道の足どりがすこぶる軽い。手にはデパートで買った小さなオードブルセット、頭の中は最寄りのスーパーでのお買い物とお料理のシミュレーションがぐるぐる。だって冷蔵庫に美味しいシャルドネが冷えてるんですもの!
美味しいワインにぴったりな音楽も一緒にいかが?ラヴェル作曲「夜のガスパール」はとても美しいピアノソロ曲。1曲目のオンディーヌとは水の精のこと。ピアノが奏でる美しい水の流れは、ほのかな果実味とミネラル感のある上品な白ワインそのもの。
とっても軽やかなのに骨太なラヴェルの音楽は、テロワールに誇りをもって作られたワインの味わいを気持ちよく引き立ててくれます。そして色彩感あふれるラヴェルの音楽は絵画的でもあり、繊細なピアノの音色を聞いていると私たちの自由な想像力の中からオンディーヌが浮かんでくることもあるのです。
水の流れをバックにして、ゆったりと歌われるオンディーヌの魔的なメロディに心地よくゆっくりと酔っていきましょう。若者を誘惑して溺れさせるオンディーヌ。溺れないように気をつけてね(酒に、か⁉)。
消すのも面倒だから続きも聞いてみようか、と思うなら2曲目絞首台、3曲目スカルボに進んでください。絞首台、題名はエグいですが、ぜひ聞いてほしい。さすがラヴェル、美しい曲なのです。曲中ずっと響く低音は鐘の音。フランスの夕暮れのようなメロディに不気味さが加わり、大人のサスペンス感たっぷりです。最終曲スカルボは、すばしっこく動く醜い小妖精のこと。俗に言う“小悪魔”なんじゃないかな、と思います。スカルボはケラケラ笑いながら動き、飛び回り、ピアニストは大汗かきながら演奏する超難曲。さんざん暴れた挙句にスカルボはスッと消えます、お見事!
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