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【悲嘆のプロセスとは①】

誰にでも大切な方との別れはあります。

それは生きている以上どうしても避けられないことです。

今回悲嘆には「12段階」のプロセスがあることについて書いてみます。

大切な人との死別によるショックから立ち直るまでを見てみましょう。

アルフォンス・デーケン 悲嘆のプロセス12段階

アルフォンス・デーケン先生(ドイツ)は死生学における代表的な学者であり草分け的な存在。司祭であり哲学者であり、上智大学の名誉教授でもあられた方です。

その方が唱えた悲嘆のプロセス12段階というのはとても有名ですね。

1段階 精神的打撃と麻痺状態
大切な人の死に直面して頭が真っ白になってしまいます。
何が起こったのか、起きていることが分からないといった感じです。

2段階 否認(別れや喪失を受け入れられないというもの)
大切な人の死を認めることができず否定する状態。突然死の場合は、否認が顕著に表れることが多くあります。生きている、亡くなったなんて嘘だと受け入れられない状態になります。

3段階 パニック
死に対しては確信しているものの、哀しみが強すぎて恐怖を感じたり否定したい感情が合わさってパニックになったりする状態を指します。

4段階 怒りと不当感(なんで私がこんな目に合わなきゃならないんだ)
死別が避けがたい事実であり、受け入れないといけないことなのだと理解していてもその事実に強い怒りを感じている。

5段階 恨みや敵意
周囲の人や医療従事者に対して、やり場のない感情で相手に攻撃を向けてしまったりします。故人本人が原因だった場合はその怒りの矛先を強く故人に向ける場合もあります。

6段階 罪意識(後悔の感情)
「生きているうちに色々としてあげられたのではないか」と、過去を思い出しては悔やんだり、自分が悪かったのではないかとやり場のない気持ちで自分を責めたりする(自責の念)。知らないうちにうつ病に移行していったり、自殺を考えたりしてしまう場合もある。

7段階 空想形成や幻想
故人がまだ生きているのではないかと思い込んで、実生活でも生きているようにふるまってしまう。
例えば、「故人が帰って来るのではと部屋のそのままにしておく」「食事の準備を変わらずする」などがこれに当たります。

8段階 孤独感と抑うつ
葬儀などが一段落し、急に現実を感じ寂しさが襲ってきます。
手続きなどで追われている時よりも、ホッと一息ついた時に感じるのが特徴とも言えるでしょうか。

9段階 精神的混乱と無関心や無感動
アパシーともいう。本来ならば反応するような感情体験が生起しない状態のことを指します。
生活目標を見失い、どうしていいか分からず、感情が動かない、関心もなくなるような状態のことを指している。

10段階 諦めから受容へ
現状を受け入れながら、つらい現実に向き合わないといけないのだと努力し始める段階へと移行する。

11段階 新しい希望(ユーモアと笑いの再発見)
忘れていた微笑みが少しづつ戻ってくるようになります。
大切な人の死という終わりのない苦しみは変わらないものの、自分なりの新たな一歩を踏み出していかなければと考えるようになる。この頃になると自分の足で進んでいこうという希望に満ちてくる状態になっていく。

12段階 立ち直りの段階‐新しいアイデンティティの誕生
立ち直りの段階。
悲嘆のプロセスを経て、新たなアイデンティティを獲得する。

全ての人が必ずこの12段階を経るわけではないと言われています。そして1~12は順番通りに段階を進んでいく人もいれば、順番通りでは無い人も勿論います。これは私には無かったという場合もあるようです。

また、1~12を行ったり来たりするのも特徴のようですね。

次回はこれを踏まえて、私が各段階でどのようになっていったのかを分析してみたいと思います。



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