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デッドベアの陰影

 昨夜はなんとも珍しいことに早く寝た。僕にとって、それはまるで未知の領域への冒険のようだった。探検家のような心境でベッドに横たわると、すぐに深い眠りに落ちてしまった。もちろん、その間、夜中の息子の寝かしつけは全て妻に任せきりだったのだが。

 仕事の帰り道、駅に可愛らしい女子高生がいた。彼女はギターを背負っており、ギターケースにはグレイトフル・デッドのデッドベアのワッペンが縫い付けられていた。なんともセンスの良い趣味なのだ、と、おじさん心にトキメキを覚えた。心の中でミュージシャンの血が騒いだ。僕は突然、その子の父親と話したくなった。もちろん、彼と会うチャンスは来ないだろう。

 そして、今夜は季節外れのモツ鍋をした。久しぶりに自宅でご飯を食べるという贅沢。そのひとときは、まるで時間が止まったかのようだった。ビールも進み、モツ鍋も格別に美味しかった。

 しかし、あれだけ眠ったにも関わらず、今、また眠気が襲ってきた。まるで、睡眠の神様が僕をまた新たな冒険へと誘っているかのようだ。睡眠の冒険、音楽の冒険、美味しい料理の冒険。僕の人生は、そうした日常の冒険で彩られている。そして、それが僕の人生の楽しさなのだと改めて思った。

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