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歳をとるのもいいもんだと、たまに思う

しばらく前の話。
大学時代の仲間たちと久しぶりに集まりました。

教育学部の国語科。総勢たったの12人。

仲間の一人が大きな職に任ぜられたお祝いのため、
というか、
それをネタにして久しぶりに集まろうということになったのでした。

お世話になった担当教授のお葬式のときに、数名が顔を合わせたことはありましたが、学科メンバーほぼ全員が集まったのは卒業以来かもしれません。

よく集まれたものです。
ちりじりになって38年も経っているというのに、全員がまた生きてつながったのです。
(実は最後まで行方不明者として捜してもらっていたのはわたし…ごめんなさい)

そうやって昔の仲間たちとともにいると、その頃の自分の顔を思い出してしまいます。

大学時代の国語科のメンバーの中で自分がどんな人間だったか、
というか、
どんな顔を見せながら過ごしていたのかを私は忘れて生きてきました。

38年ぶりにその場に戻ってみて思いだしてしまいました。


今身近にいたら避けて通りたいタイプ。
あんな女にはなりたくない、とずっと思い続けているタイプ。
もし娘がいたらそんな風には育てたくないと思うタイプ。

具体的には、

人の話をひたすら素直に聞き、
言いたいことを言わず、
何もわかりません、というような顔を作ってスキを見せ、
上目遣いに異性を見る。

そんな顔を見せていたことを思い出してしまいました。

え?そんなことないって?出しゃばってたって?好きなこと言うてたって?
ウ~ン、そうかもしれませんが、自分ではそんなふうに振る舞おうとしていたということであります😆

さすがに還暦になる今、
38年前と同じような顔は見せませんが、
そもそも見せたら気持ち悪いですが、
自分で思い出してしまって恥ずかしいったらありゃしない。

そしてふと仲間たちはどうだろうかと見回してみます。

はじめは、思いの外みな若々しく、外見が変わっていないことに驚いたのですが、しばらく話をしていると、醸し出すオーラがずいぶん変わっていることに気づきました。

みなさんあの頃のあの人と同じだけれど違います。

やわらかくて、ふんわりと包容力があって、こだわりがありません。

いろいろ経験されてきたのだろうなぁと、なんだかしみじみしてしまいます。

38年前と変わらぬその人になったり、
アラカンの、昔とは違うその人になったり、自由自在に時空を飛びながら会話が弾みます。

38年間の空白は何の障害にもならず、かえって空白が新鮮です。

大学生の頃に振りまいていた私が大嫌いな私の顔なんて、みなさんにとっては全く意識外。(たぶん)

他のみなさんも、もしかしたら昔の自分は恥ずかしいかもしれないし😆

ただただ還暦のいまを楽しみ、今ここにいる仲間との時間を楽しみます。

なんと心地の良いひとときだったことでしょう。

この歳になると昔とは違う付き合いがまた始まるのかもしれないなぁ。

歳を取るのもいいもんだと、こういうときに思います。

これから先はどうなのかは未知の世界ですけどね。

10年後も20年後も死ぬ前も、たまには「歳を取るのもいいもんだ」と思えるといいなぁ。









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