見出し画像

【先生にエール】教師が学校に行けなくなったときのこと

もう35年以上前の、「学校」という職場にまだまだ余裕があった時代です。そんな時代でしたが、私は、学校に行けなくなってしまったことがありました。

生徒たちが何を考えているのかわからない。どう声をかければいいのかわからない。

保護者さんからクレームの電話が入っても対応できない。かえって怒らせてしまって、他の先生に代わってもらう。

先輩の先生はアドバイスをくださるけれど、アドバイスどおりにできない。(反抗ではなく、能力的に)

そもそも授業もちゃんとできない。一生懸命時間をかけて教材研究をしているつもりなのに生徒は全然聞いてもくれない。

できない尽くしで焦って余計に大失敗をする。

中学校の時に出会った英語の先生に憧れて先生になったものの、「やっぱりこの仕事は自分に向いていないのではないか」と思い始めました。

そして涙が出て止まらなくなり、どうしても学校に行けなくなってしまいました。

学校に行けなくなって3日後ぐらいだったでしょうか、同僚の先生から電話をもらいました。

「これからどうするの?来ないか、来るかはっきり決めて学校に伝えないとアカンのちゃう?」

そう言われても、その判断さえできなくなっていました。何も答えられないまま電話を終えました。厳しい言葉ではありましたが、私のとっては目の覚めることばでした。

学校に、行っても休んでも迷惑をかける。どっちにしても迷惑をかけるんだから行く方を選ぼう。電話をくれた同僚に、再度電話をしました。

「迷惑かけてゴメン。月曜日から行けるから。」

結局休んだのは10日ぐらいでしたか。

泣きながら学校に行って、門の前で涙を拭いて、職員室に入ったのを覚えています。

新人時代、職場はとても恵まれていましたが、それでもしんどいものでした。私の場合は99%自分があかんたれだったからなんですけれど。

今、35年前とは比べものにならないぐらい、学校に余裕がなくなっています。今、私が新人先生だったら、続けられていないでしょう。そして、今の学校にもっと余裕があったら、私も早期退職していなかったかもしれません。

何がこんなに先生たちの余裕をなくしたのでしょう?思い当たることは山のようにあります。たぶん、みなさん思っておられるだろうと思います。

なのに変わらないのはなぜ?誰か国のえらい人、教えてください。誰に聞いたらわかるのでしょう?

学校は「しんどい話」ばかりになっています。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?