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【アラサーフリーターの読書記録】キャリアデザイン入門[Ⅰ]基礎力編

こんにちは。
IT業界への未経験転職を目指し勉強しながらも、ふと
「私が今やっていることは、未来の自分へのプレゼントになっているのだろうか…」
と不安になっているKです。


未経験業界への転職を目指すにあたり、具体的に必要な準備は(実際に私が転職できるかどうかはさておき)インターネットがあれば手に入れることができます。学習ロードマップをまとめてくださる現役エンジニアの皆様と、手を伸ばせば情報を得られる時代に生まれたことへ感謝します。

ただ、積み木(エンジニアになるための具体的学習内容)の形が分かっても、その重心(自身の価値観や人生観)を理解できていないと、好きな形のお城(キャリア=人生)は組み立てられませんね。
また、配色や柄のパターンについての知識(少し旨い例えじゃなかったかも知れません)を得ることができれば、今思い描くものよりもっと素敵なお城をつくることができるかも知れません。

今の私には具体的方法と同じくらい、自分自身についてや価値観を知るための自己分析と、汎用性のある考え方を身に着けることが重要だと考えました。

過去に芸術家を目指して仕事を辞めた経験がある私には、刹那的な思考回路が身についていました。しかし人からの勧めでファイナンシャルプランナーの資格勉強をする機会があり、長期的視点で人生を見つめる必要性を理解しました。
今度はお金周りのことではなく、キャリアについて長期的視点を持てるような考え方を取り入れていきたいと思っています。


本記事は、気になった部分の引用と、取り入れたい考えの要約で構成されます。文章としては味気ないかもしれませんので、書籍紹介というより、私のメモ書きを覗く気分でお読みいただければ良いかと思います。



書籍情報

今回読んだ本はコチラ。

キャリアデザイン入門[Ⅰ]基礎力編〈第2版〉
著  :大久保 幸夫 氏
    一橋大学経済学部卒業、リクルートワークス研究所所長

1刷:2016年3月16日

あくまでも2016年時点のまとめ方ということを念頭において読む必要がありそうです。



キャリアを展望するということ

キャリアの成功とは、自分らしく仕事をしている状態であり、キャリアにフィット感・納得感がある状態である。(中略)仕事を通じて自分が活かされていると実感でき、幸福感を味わえる状態である。



キャリアデザインの考え方

キャリアには客観的側面(職務経歴)と、主観的側面(仕事に対する自己イメージ、職業アイデンティティ)がある。

仕事における ”自己イメージ” の確立
・自分の得意なことは何?(能力・才能に関する自己イメージ)
・自分は何がやりたい?(同期・欲求に関する自己イメージ)
・自分は何をすることに価値を感じる?(意味・勝ちに関する自己イメージ)

キャリアデザインは、内省と行動を繰り返すこと。


キャリアアンカー(キャリアの錨)

マサチューセッツ工科大学名誉教授エドガー・H・シャイン 氏(組織心理学生みの親)が提唱

キャリアアンカーとは、自身の中の不動の価値観・欲求のこと。具体的には下記の8つがある。

①専門・職能別コンピタンス*
②全般管理コンピタンス
③自律・独立
④保障・安定
⑤起業家的創造性
⑥奉仕・社会貢献
⑦純粋な挑戦
⑧生活様式(ワークライフバランス)

*コンピタンス=専門的能力・力量の総称


節目またはトランジションという考え方

メリーランド大学名誉教授ナンシー・K・シュロスバーグ 氏

自信の役割、人間関係、日常生活、考え方を変えてしまうような人生における出来事をトランジションと捉えた。どんなトランジションでもそれを見定め、点検し、受け止めるプロセスを通じて乗り越えることができる。

乗り越えるための資源 4s
Situation 
状況
Self 自分自身
Support 周囲の援助
Strategies 戦略

トランジションには「予期していたもの」「予期していなかったもの」「予期していたのに起こらなかったもの」がある。
自分自身がそれをトランジションと認識しなければトランジションではない。

アメリカの心理学者ブリッジズ 氏

曰く、トランジションには3段階がある。
①何かが終わる
②ニュートラル・ゾーン
③何かが始まる

第2段階において一人の時間、静かな場所、言語化、休息などを意識的に確保して、改めて自分と向き合うことが重要。


能力の構造

Amebaブログ TK好奇心研究所


はじめての評価格差を経験する

人間は一般に自分を過大評価している。そのくらいでちょうど幸福なのだ。自分と同じ実力の相手は下に見える。少し上の相手は同等と思う。少し上かなと思う相手は相当に上である。そのためきちんと正当になされた評価では不満なのである。


出産とキャリアデザイン

出産前後のキャリア意識変化(リクルートワークス研究所 子供を持つ女性の就業に関する調査 2005年)

【出産前後で低下したキャリアコンセプト項目項目】
責任感、専門性志向、キャリアビジョン、学び志向(正社員→正社員)、仕事優先の時間配分、仕事側にある自己実現、仕事を通しての成長、仕事の充実感・達成感

【出産前後で増加したキャリアコンセプト項目】
役職意向(就きたくない)、学び志向(正社員→非正社員)、子供ができても仕事を続けたいという就業意欲

出産後にキャリアルートから外れてしまった人たちは、生活基盤の不安定さから、何かしらもっと学習に打ち込めばよかったと後悔するパターンがあるんだろうなあ。

2015年に女性活躍推進法制定!?10年弱かかっても性別間のあれこれでバランスを測りかねているのに。
勝手な想像だけど、最先端の研究から当事者の声が社会に広まるまでに5年、法として整備されるまで2~3年、社会全体が変容を許容するまでに15年くらいかな。社会が変わるのに20年以上はかかるということを覚悟しなきゃいけないかも。



基礎力

基礎力に似たもの

IQ IQg Intelligence Quotient General

コンピテンシー
ある職務において高い成果をあげるための行動特性であり、採用基準

EQ Emotional Quotient
H・ガードナーの知能の多重性という考え方が原点
EQという概念にまとめたのはP・サロヴェイ 氏、J・メイヤー 氏

基本定義
①自分自身の情動を知る
②感情を制御する
③自分を動機付ける
④他人の感情を認識する
⑤人間関係をうまく処理する

人間力
政府閣議決定の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2022」で提示された



対人能力

親和力

認知的不協和理論
アメリカの心理学者L・フェスティンガー 氏が提唱

矛盾した二つの認知があると、不協和の一方を変えて協和の状態にしようとすること

第一印象の重要性の根拠


協働力

ボスマネジメント
MBAの講座の中にある授業

部下が自分自身や上司、同僚などの周りの人々をマネジメントすることで、より効果的なチームワークや生産性の向上を目指すこと。
【必要なスキル】
1.コミュニケーションスキル
2.プロジェクトマネジメントスキル
3.リーダーシップスキル
4.分析能力と問題解決スキル
5.協調性とチームビルディングスキル
6.プレゼンテーションスキル

参考 法人営業ハック

日本は上司を認めてもいないし、また対話も行っていない。上司を身内だと思うから上手くいかないのではないかと思う。上司を顧客だと思って、いかに信頼させるか、いかに自分の提案に共感してもらえるか、適正な評価を得るためにいかにプレゼンテーションをするか、というように考えて行動する方がよいだろう。


統率力

統率力の展開段階
①他者の意見に耳を傾けつつ、自分の意見を主張する
②他者の意見の上に自分の意見を積み上げる(建設的な議論
③異なる意見を調整し、合意を形成する(場のリーダー
④他者を説得する(プレゼンテーション
⑤優位な結論を導き出せるように交渉する



対自己能力

感情抑制力

発展の段階
①セルフウェアネス
 自分の感情や気持ちの揺れを理解、言語化できる
②ストレスコーピング
 自分に合ったストレスの処理法を身につける
③ストレスマネジメント
 緊張感やプレッシャーをむしろ力に変える


自信創出力

自己効力感 self-efficacy
A・バンデューラが提唱

人がある行動をとるときに働く効力予測
①結果予測
 自分の取る行動によってある結果が生じるという予測
②効力予測
 上手く行えるかどうかという自分の遂行行動に対する予測



対課題能力

計画立案力

目標設定

対課題能力としての目標設定は、「イメージング」である。どうなればいいのか、どういう状態に至れば課題がクリアされた状態といえるのかを現実的に設定するのである。

シナリオ構築
事業戦略立案のためのシナリオ・プランニング

シナリオ・プランニングの手順
①幅広く情報を収集する
②大きなインパクトを与えるドライビング・フォース(推進する力となるもの)を抽出する
③未来のストーリーを描き複数のシナリオにまとめる
④シナリオ毎に戦略のオプションを決める


実践力

実践の中での、調整・微修正を柔軟に行えるということは、制度の運用力があるということ(中略)マニュアルでは想定していなかった事態について、現場での適切な判断をして、「運用」でカバーするのである。


処理力・思考力

思考力

思考力は、論理的に考えよう(論理的思考力)とか新しいものを創造しよう(創造的思考力)という「志向・姿勢」と具体的に思考するための「思考技術」とによって形成される。

【思考法の例】
演繹法 エンエキ

一つの絶対的真実から多くの新しい真実を生み出していく方法で、論理学や数学などの形式科学で用いられる方法である。演繹法で導き出された真実は誰も否定することができないものだが、現実を説明するには十分ではない。

帰納法

多数の個別的な事柄から一つの一般法則を導き出そうとする方法で、観察や実験、調査など、経験できることを通じて研究する自然科学や社会科学の広い分野で用いられる。内容的にはさまざまな知見が得られるが絶対的に正しい結論を導き出すことは不可能である。

仮説推論 abduction

前提① a である
前提② b と仮定すると a がうまく説明できる
結論  たぶん b である
論理的思考でありながら、創造的な要素を多く含んでいる。

創造的な思考のプロセスには、発散のプロセスと収束のプロセスがある。

発散のプロセス
ブレインストーミング

収束のプロセス
KJ法
川喜多次郎 氏が開発

もともとは文化人類学の研究手法であり、膨大な量の質的情報から創造的結論を導き出すための方法。もとのアイデアを一つずつラベルに書き込み、それをグループ化して、グループ同士の関係性を見るというもので、最終的には平面的に配置されたラベル・グループをにらみながら文章化してゆく。



読後感

前述の書籍内容には盛り込まなかったのですが、「20代は筏下り、30代からは山登り」というキャリアに対する向き合い方が紹介されていました。高学歴や大企業に勤めることが正義だともてはやされる時代においてはその考え方に沿うことはあながち間違いではないかもしれません。
ただ、私が目指すIT業界の技術は数か月単位どころか数週間、数日単位で目まぐるしく発展するため、「石の上にも三年」のような考え方を鵜呑みにすることは的外れなのではないかと思いました。

この本を読んだことは、内容が薄っぺらい自己啓発本を読むよりはよほど良い選択だったのではないかと思います。能力や性格をフワッとしたものとして捉えるより、分解とラベリングをするのに適している書だと感じました。

自己効力感や自己信頼は後天的に獲得できるのかどうか、調べてみようと思います。


今回の記事にもお付き合いいただき、ありがとうございました。
ご興味がある方は是非読んでみてください。

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