「耳をすませば」 きたはらいく2thアルバム
耳をすませば
世界に愛と平和を!そして理解が広がりますように。チャオ!!
UKRR-6021 RICE RECORDS(2004) 1,600円 (TAX OUT)
耳をすませば
GIRL’S SUMMER
ギターを弾いて
自律神経失調症
ワルツ ワルツ
きたはらいく。彼女が弾くピアノが好きだ。思い切りが良くて凛としてる。彼女がたどるメロディも好きだ。ためらっても必ず前を見つめてる。でもやっぱり一番好きなのは、歌そのものに宿る魂のようなもの・・・・。
思うにきっと、とても感受性の強い女性なんだと思う。たくさんの素敵な本や映画や街並みに感動し、心を動かし続ける楽しみと勇気を持つ人。わたしが彼女に興味を持ったのは前作のアルバム・タイトルである「…そして、理解を」という文字の並びを見た瞬間だった。その言葉遣いに、込められた想いへの想像が一気に広がったからである。
切実な優しさと、願う力――言葉から受けた印象は、そのまま彼女の音楽世界に広がっていた。アンテナで受信したものを心地良く噛み砕いて、心の栄養にしてきた人が放つ世界。そして、それだけではない。彼女は心のスポンジをギュッとしぼって自らの表現として吐き出す時に自分の腹の底から湧き出るような、どうしようもない慈愛を連れてくる。例えば感受性が強い女性というのは、人と会話してたり仕草を観察していれば相手の考えてることなんかだいたい読み取れてしまうもの。それが好きな人のことならなおのこと。だからこそ傷ついたり、悲しんだり、心配したりすることもある。だけど。
きたはらいくはそれでも愛のある場所から一歩も離れようとしない。悲しみを持って相手を責めたり自分ひとりきりが傷ついた世界で完結した表現にとどまることがない。いつだって愛する人を想い、その人のためになることを一番に考えようとする。だからこそ、きたはらいくが歌うラヴソングは切なくて、いつだってそうありたいと憧れてしまうのだ。(それでもやっぱり、たまに本気でへこんでることもある。かと思えば、威勢良くエールを送ってくることもある)
そんな歌たちの正直な輪郭に触れるたびに思うのだ。ずるいよなぁ。。。。きたはらいくに宿る歌の魂は、もうわたしの心の奥にグッと入り込んでしまったよ。ジャズでもワルツでも天真爛漫に響かせてくれた今作。より彼女の心のひだが忠実にメロディとなって、声のひとつひとつの震えとなって聞こえてくるよ。どんなことがあっても愛のある場所から離れないで――「耳をすませば」。
<ライター 上野三樹>
「弾むピアノと凛とした声――それはまるで、続いてく世界への穏やかなる祈りのよう」「おんなじものを見てるはず、なのにどうしてこんなに“鮮やか”が溢れてるんだろう?切なくて暖かくてびっくりするほど胸を突かれた。まさに女の子だけの特別なバラッド!」
<ロッキング・オンJAPAN編集部 高橋美穂>
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