バイトを始めたら右脳の存在が分かった話
3年前に看護師を辞め、占いやレイキヒーリングなど、全く畑違いのサイキックな仕事を始めた。
私にとってカウンセラーも占い師も同じ事。
前職の看護師を選んだように、私の本質「助けたがりのヒーラー気質」がそう導いただけ。
そんな手探りで一歩一歩進んだ占い師稼業だったが、「はい!占い師です!」と宣言すればそれはもう占い師…。
誰かに認めてもらう以前に、自分自身が己を信用できなければ成り立たない。それが「占い」の仕事だった。
ところが、私は自分のカードを引く能力がどこからくるのかさっぱりわからなかったのだ。
私のカードは、お客様の悩みを聞きながら現状として初手のカードを出すのだが、質問と全く違うカードを出してくることがある。
例えば、「仕事の悩みを相談したい」に対して出てくるカードは「恋愛」だったり、「子供との関係」を聞いているのに「自分の父親との関係」が出てきたりする。
初めの頃は私自身が面食らった。
しかし、打ちひしがれながらもカードで出た以上そう伝える。すると根っこ(潜在意識)の部分ではそこが一番の相談どころだったりする。
経験を積んで来た今なら分析できるのだが、顕在意識(頭の中)では羞恥心や、罪悪感など本当の心の内を明かす事ができないものだ。
カードリーディングでは、この本人も意識をしていない深い潜在意識(心の声)が出てくる。
でも…なんでだろう(・・?)
私は、見えたり聞こえたりするサイキック能力はない。
ただ、初手のカードを説明すると、お客様がハッとされて「隠せないものですね…」と、そこから本質に向かってセッションが展開する。
これまでの反応から、どうやら間違ったカードは出ていないようなのだ。
だけど、霊感もない私がなぜその心の声を拾うのか?
霊感占いやサイキックタロットと名乗りたいわけではない。
ただ、リーディングは自信があっても、何のエビデンスもないのはお客様に失礼な気がして、いつも私自身がソワソワしていた。
そんな牛歩の3年を経て、飲食のバイトを始めた今年の夏、やっとやっと私に答えが来た。
3年のブランクを経て、社会(三次元)で働く事は緊張甚だしい。
なぜなら私には懸念材料があったからだ。
それは根本治癒しない腰痛と、もうひとつ私はコロナ後遺症ではないかと疑っていたのだ。
俗にいうブレインフォグ。
記憶力低下や頭の回転が悪い事。
日常生活でとっても困るという事はないが、ボケたのではないかと一人不安になっていた。
友人に聞けば「加齢です!」と笑われ、年若いママ友は皆年寄りに優しいが、その甘やかされた環境が私を腑抜けにしているのか?とも思ったりしていた。
だけど現実、どうも看護師をしていた時の「バリバリ」とか「ピリピリ」した視界のクリアな感覚がなかった。
そんな不安の中、なけなしの勇気で初めたバイトだったが、私の中で占い稼業とはまったく別のベクトルであって、この経験がカードリーディングに繋がるとは思っても見なかった。
このバイトからの氣付きは、初回のオーダーを取った時にやってきた。
ご年配の4人組が来店され、奥のテーブルをご案内した。
雰囲気から初めての来店の様子。
オーダーは伝票に書く順番が決まっている。
シェフに伝える内容は正確でなければならない。
時間差で提供するタイミングがあるからだ。
さらにはオーダー時はメニューとは別の隠語があり、私のポンコツな頭にさらに混乱が起こる。
お客様の注文に一言一句集中する。
メニューにはアルファベットが符ってある。
オーダー表にはそのアルファベットを書けばいい。
仕切っていた女性は、その4人組の中で一番ご年配の婦人に気を遣いつつ、メニューの中で最も重めのクリーム系を注文した。
「よし、オーダー取れたぞ!」
と、そこそこの自信を持ってキッチンに戻りシェフに通す瞬間、
え…そんなわけないわ…
急に不安になったのだ。
私の文字は明らかに一個のアルファベットを書いていて、それを伝えればいいだけなのに、なぜか私は違和感があったのだ。
もう一回聞いてきます!
結果は同じだった。シェフも阿呆を雇ってしまったと思っただろうが、私も相当ショックだった…
こんな事もできぬのか!!!!
意気消沈のまま、お客様が帰られ下膳に行った。
そこでテーブルを見た時に、何かが全部クリアになった。
やっぱりそうでしょ!
テーブルの上には相当量の食べ残しがあったのだ。
このご年配の4人組の中で一番気を遣われていた方は、病後かな?というるい痩(痩せ)の進んだ方で、その伴侶か二人の男性もオーダーの時点で空腹の雰囲気がなかった。
痩せ型のご婦人は、聞かれれば快く返事をしていたが、やはり重かったのだろう。
取り分けられた小皿もほぼ残されていた。
そういうことか!と、なんとこのオーダーポンコツ事件からカードが読める理由の答えを知ったのだ。
カードを読むときは右脳を使う。むしろフワッとしていたほうがいい。
このオーダーの時も緊張で相当フワッとしていたのだろう。私はチャンネルを自然に切り替えて、心の声を読んでしまったのだ。
この話を看護師の友達にした時に、
「アセスメントじゃないですか笑笑」と笑われた。
そうなのだ。
看護師時代はこの初見でデータを取れる事は大事なスキルだ。
が、如何せんデータに基づいた考察が必要な職において、直感でこう思いましたは邪道なのだ。
私の場合、直感の右脳チャンネルを使いがちだが、なんとか左脳の思考優位で看護師をしていたらしい。
そのうち3年のカードの修行を経て、心置きなく右脳優位で生きていたのだと思う。
バイト生活は相変わらずポンコツだが、新しいチャレンジは面白い。
そして汗を流して働く事と、何よりカードを読む自分に自信が持てた事で運氣が回り始めた。
皿洗いとカードリーディング。
遠いようで私のとっては同じタイムラインだった。
3年目にしてやりたい事を突き進む先は、なるほど何も無駄な事はないのだと知った感謝の夏。
そんな四方山話を残暑も恋しい季節に書き残す。