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SbSセミナー:藍染職人が語る 開催レポート(後編)

前回のセミナー開催レポートの後編です。
前編記事はこちら。

さっそく後編に入ります。

藍染職人が語る(後編)


小田さんの起業に対する意識

小田さんは高校生の時、周囲の大人を見て
「もし会社からお給料が出なくなったらどうなるんだろう」と思うことがあったそうです。高校生の時からそんなことを漠然とでも考えていたことに私は驚きを覚えました。
さらに小田さんは、
「自分で稼ぐ力をつけたい」
「起業したい」と働くことに対して意識したそうです。
高校生の時にそんなことを考えながらも、小田さんは、文系の四年生大学への進学を選ればれました。その後に大手アパレルメーカーへ就職します。
会社員1年目、
「業務を覚えることにいっぱいいっぱい。でもその中にある楽しさも感じつつ、その時はその時で全力で努力していた」そうです。
2年目、
自分にも顧客と呼べるお客様が増えてきたときに、ふと、「人の畑(会社)ばっかり耕してるな」と思うことがあり、将来への不安を強烈に覚えたタイミングと徳島移住(藍染職人としての修行)できるチャンスが重なり、一つ目の決断をされました。

徳島への移住

小田さんは、『地域おこし協力隊』という、行政の制度を利用し、徳島県へ移住しました。徳島県には小田さんの尊敬する藍染職人の方がおり、自分が藍染をするならその人のもとで修行したいと思っていたそうです。

小田さんにとって修行とはー

「しんどくて、辛くて、自分の時間も無くて、お金もない」というイメージですが人によっては実際にそうですが、僕の場合はとにかくやりたいことをやりたいだけやらせてもらえるので嬉しくて仕方がなかった。
技術的な部分でも知識的な部分でも、やればやるほど自分の力になっていることも感じながらやれたから全く苦ではなかった。
仕事が終わってから、1〜2時間は自主練の時間を作って、毎日何かはしていました。

と、自ら選択した道に対してやる気、情熱を感じる回答がスラスラと出てくるほどでした。もちろん、その修行全てがポジティブに捉えられるものではなかったそうです。修行を通して自分の気づきがありました。
それは、「やることを指示されて、それをこなすだけに慣れてしまっている」ということです。
また、金銭的な不自由・将来の不安に押し潰されそうになった時期もあり、移住後すぐ、「本当に自分にやり切れるんだろうか」と悩む日もありました。
また、決して徳島での修行の環境は、準備されていたものではなく、自ら良い環境づくりをしなければなりませんでした。
弟子入りを志願し、農地を借り、、、藍染の作業をスタートするための課題は山積み。それでも確実に一歩を踏み出すための行動は全て自分で切り拓いていくことを意識し、現状を変えるのも「自分しかいない」と思いながら毎日を過ごしていたそうです。このマインドが小田さんにとってはモチベーションに繋がっていたそうです。

起業という選択

私は小田さんになぜ、起業を選択したのか、素朴な疑問をぶつけました。
師匠のもとで協働させてもらうのも1つの手段では?と、
すると小田さんは夢について話してくれました。

「夢を叶える」ってすごく響きも良いし格好良い感じがしますが、いざやるとなると結構怖い。
僕の夢は「藍を仕事にする」でしたが、今は「藍の仕事を通してもっと多くのことに挑戦したい」というのが夢になりました。
夢を叶えるための選択はいつもリスクがついています。リスクを理解して選択、意思決定を行うので、脚がすくむこともあるし、「何もしない」という選択をしそうになることももちろんあります。
でも、ここで、「何もしない」を選ぶ人が大多数だから夢はいつまでも夢なんだと考えます。きちんと選択していけば夢は目標に変わり、気がつけば自然と通過点になっています。
あと、チャンスって本当に急に来るんです。
しかも、忙しい時に限って来るんです。
それにしっかり気づいて挑戦できるかどうか。
忙しいから出来ないとか、今じゃない、とかいくらでも言い訳できる時にチャンスはやってくるんです。

「起業したら、やりたいことの前に最低限の売上を立てないといけません。
お金の心配や不安に関しては皆さんがイメージしている通りの不安感です。その不安は売上を上げて払拭するしかないので、とにかくやるしかない。
ここは今、僕ももがいているところなので、偉そうなことは何も言えません。」

起業(ブランドを立ち上げる)という選択は、小田さんにとって、夢を叶える・実現するための手段であり、通過点なんだと私は感じました。
小田さんの夢が「藍を仕事にする」のままだと、師匠のもとで働かせてもらうことが自然な選択肢になっていたと思います。その夢の内容が「もっと挑戦したい」が加わることで選択肢が自然と起業まで広がったのです。

自分の強み

これまでの話を聞いていて私も感じたことでしたが、小田さんの強みは「自分を俯瞰して見ることができる」ことだと思いました。その強みを小田さんは自身で理解されています。
だから、小田さんが発する言葉には一つ一つに重みがあり、どこか説得力を感じるんです。

自分を俯瞰して見れる性格というのは自分でも良かったと思っていて、自分の現状を第三者から見た時にどう見えるのかが結構しっかり分かる。
俯瞰して見れると、今しないといけないこと、やってはいけないこと が明確になりやすい。
独立、起業するとやりたいことは沢山出てくるんですが、実は「やらないこと」を決める方が大事だったりします。俯瞰して物事を考えてみると、自然と選択肢が浮き上がってきて、次のアクションに繋げやすいと考えています。
ここで、僕が最も大切にしていることが「辛い方を選ぶこと」です。
言い換えると、ハイリスク・ハイリターンな方を取る(決定的ダメージがありそうな場合は要検討しますが、今の僕の規模で大したリスクなんてありません。)ハイリスク・ハイリターンですが、決してギャンブルではなく、そのリスクに対して得られる結果がどうかに合わせて意思決定をするように心がけています。

ここまで、小田さん自身は2つの大きな決断をされました。
一つめは、サラリーマンを辞めること。
二つめは、自身のブランド「Indigo Classic」を立ち上げたことです。

どの決断も共通していることがあります。
それは、「夢から逃げられない環境づくり」です。

覚悟を持って退路を断つ。

「やるしかない状況をとっとと作ってしまう」ことが、小田さんにとっては最善策だったそうです。もちろん、覚悟をすることは容易ではありません。そのためには地道な努力も必要です。
ですが、今、小田さんはその決断があったからこそIndigo Classic というブランドとともに活躍されています。

2022年春に地元・奈良市に戻って来られたばかり。
まだまだこれからだと言う小田さんは言いますが、これからの活躍を私も楽しみにしていますし、今回のSbSセミナーを通した小田さんというパーソナルな部分に触れることができ、貴重な時間を過ごしました。

少し長くなってしまいましたが、小田さんの起業ストーリーはまだまだ続きます。


このようなパーソナルな部分に触れながらも、その人自身がどのように決断・行動されてきたのかを聞けるのもこのセミナーの特徴です。

次回は、、、、
5月26日(金)に開催します。

詳細は画像をクリック(タップ)☝︎

化粧品OEMメーカーで培ったノウハウ×冷凍パン で事業を開始された株式会社生駒堂の吉田さんにインタビューします。
イコマドへご来場いただいての参加はもちろん、今回はオンライン(zoom)でのご参加も可能です。

ご参加お待ちしております☺︎

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