カープダイアリー第8316話「東京ドーム、戸郷熱投!坂倉V打!3時間57分新井カープのベストゲーム」(2023年7月13日)

新井カープ82試合目、巨人との手に汗握る攻防戦は3時間57分のベストゲームになった。1対1のまま延長に入り、迎えた延長十一回の攻撃は無死満塁…

打席には六回、同点内野安打を放っている四番松山。しかし一ゴロホームゲッツーとなってランナーを二、三塁に残して坂倉…

1ボールから内角を狙った大江のストレートが甘く来たところを強く押しこんだ。打球はショート右を抜けてセンター前へ。2点勝ち越した瞬間、三塁ベンチの新井監督は頭の上で6度手を叩きガッツポーズになった。

続く小園も右前打、スタメン七番の羽月は7球粘って四球。左対左は関係なし。たまらず一塁ベンチから出てきた原監督が投手交代を告げても、もう流れは変わらない。

途中出場で2度目の打席が回ってきた堂林が三上から満塁の走者一掃の二塁打を放ち、三塁ベンチ前でまた新井監督が右手を高く掲げた。その横で藤井ヘッドがガッツポーズ。その後ろで朝山打撃コーチが手を叩いた。
 
「ピッチャーも野手もこういう試合を勝てたということはこれから大きくなると思うので、まだまだ頑張ります」(ヒーローインタビューの坂倉)
 
両軍とも7人ずつの継投になり、坂倉が受けた球数合計165。八回の島内は一死一、三塁から二死満塁と追い込まれ、九回の矢崎も一死満塁の大ピンチを迎えたが「腕を振って強気で投げてくれたおかげで」(坂倉)粘る巨人打線を振り切ることができた。
 
試合は九里と戸郷の投げ合いで始まり、投手戦になることは十分予想できた。ただし九里の方は三回に2四球、四回には一死三塁で五番中田翔に死球を与えたあと吉川に先制犠飛を許した。
 
六回の九里の打席で代打を送った新井監督はベンチの九里に何事か語りかけた。勝手にその内容を想像するならば、臭いところを突いての四球は不要、九里らしい投球をして欲しい、というようなことだろう。
 
対する戸郷は7回無四球ピッチング。七回、小園の打球を右膝付近に受けても続投して二死から大盛に二塁打を許したあと、代打の田村俊介を3球で空振り三振に仕留めた。そういう姿こそ「ガッツ」が売りの九里には求められる。
 
六回のターリーから九回の矢崎まで4人にホールドがついき、延長十回の大道に勝ちがついた。最後を締めた中崎には“信頼”を寄せる首脳陣からの労いの言葉があった。失点をできる限り少なくして、つなぎの打線で勝ちをひとつひとつ拾っていく。
 
交流戦明けからこれで11勝7敗となったが勝ちゲームはすべて3失点以下。がっちりガードを固めてここぞという時にジャブを打つ、強烈なパンチを繰り出す。そして若手とベテラン、主力組と控え組の間に生じているライバル関係や旺盛なファイティングスピリット…
 
 
 
龍馬と菊池を2試合続けて欠くオーダーは…
 
サード上本
ライト野間
センター秋山
ファースト松山
キャッチャー坂倉
ショート小園
セカンド羽月
レフト大盛
ピッチャー九里
 
…だった。
 
 
試合後の新井監督

-すごい試合でした。
 
新井監督 (笑顔で)もう、すごい試合でしたねぇ。ほんと、選手のがんばりに頭が下がります。
 
-十一回の攻撃も見事でしたね。
 
新井監督 サクがほんと最後ね、よく打ってくれたと思います。
 
-競り勝った試合でした。何が勝利につながったのでしょうか。
 
新井監督 野手も投手も全員、球際が強くなっているなというふうに感じますね。サヨナラのピンチもしっかり粘ってくれましたし、最後にこうして勝ち切るというところもチーム全員の力だと思いますし、チーム全員球際が強くなってきていると思います。
 
-4位巨人に勝ち越したのは大きい?
 
新井監督 すごく大きいと思いますね。故障者もあり、負傷者もありですけど、若手もそこでチャンスが生まれますし、今いる選手たちもよりいっそうがんばってくれるのでほんとに頼もしいです。
 
-あさってから2位のベイスターズ戦、順位を(2位に)上げることも可能です。
 
新井監督 最後のカードでベイスターズもいいピッチャーが3人来ますので、1戦1戦という気持ちでみんなと戦っていきたいと思います。

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