カープダイアリー第8583話「意気揚々、開幕右腕の背後にまた新たな呪縛霊?」(2024年4月12日)

九里vs戸郷。初の開幕投手を務めた右腕同士の投げ合いは予想だにしなかった結末を迎えた。

戸郷は5回8安打4失点で早々に交代。九里は4対2、2点リードで迎えた六回に7点を失ってまた勝てなかった。

実は微妙な局面がその直前にあった。

六回、巨人は二番手の泉。先頭の坂倉は前の打席で1号ソロ。この打席では死球の“大当たり”。その後、二死となったが八番宇草の初球で坂倉が二盗に成功!そしてネクストには松山の姿があった。

3日前に出場登録された宇草は「毎日が勝負」と自身に言い続けてきた。2月のキャンプでは一軍に縁がなく、3月になってオープン戦でスタメン一番を試されるなどチャンスはもらったが4試合で11の3はアピール不足。再び二軍で調整を続けて結果を残して再昇格した。

守備に難があるだけに、その打力を期待しての起用であることは、もちろん本人も分かっている。だが二回の第1打席では戸郷の真っ直ぐを3球続けてファウルにしたあとフォークに空振り三振。四回の第2打席も同じようにして捻られた。

迎えた第3打席は打つことよりも、つなぐことを求められた。“もう1、2点あれば九里がグッと楽になる”というベンチの思いに応えることが一番の仕事だった。

しかしフルカウントからのアウトローツーシームを打ってショートゴロ。チャンスを広げることができなかった。

九里はおそらく様々な重圧と戦いながら投げ続けていたはずだ。二回、坂本に許した3号ソロはスライダーが真ん中に入った。四回、岡本和に運ばれた3号ソロは真っすぐがやはり真ん中に入った。開幕投手を任された、その特別な立場で、あってはならいことを続けたくはない、と…

六回、萩尾、佐々木の一、二番に連打されて無死一、二塁。1年目の佐々木には初球がまた真ん中に入った。

一死一、二塁となって岡本和を迎えた時、もう腕を振れなくなっていたのではないか?ストレートの四球で満塁…。続く坂本には押し出し死球。内角を突いたシュート回転する球がユニホームをかすめた。

開幕投手目指してあらゆる努力を重ねてきた右腕も、こうしてマウンド上で“しまった”というような場面を迎えてしまえば波の投手以下になってしまうことだってある。

そのあと二死満塁からオコエに適時打されてとうとう4対5と逆転を許すと、吉川にも適時打され、岸田にまたぶつけたあと打者一巡で萩尾に2点二塁打されて“白旗”となった。

開幕から12試合を消化して先発で勝ちがついているのはアドゥワ(2勝)だけ。九里は3度挑戦して失敗。床田と大瀬良も2戦未勝利、あすの森下はどうか…

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