カープダイアリー第8590話「九里vs戸郷と両右腕の力投引き継いだ救援陣、4時間勝負はスコアレスドロー」(2024年4月19日)

カーブを振り上げたら、打球がグングンと伸びていった。「打球が飛ぶようになって調子がいい」というだけのことはある。ライト佐々木がフェンスを背にして跳びついたが及ばず、跳ね返りが転がる間に「三番野間」は三塁に達した。

打たれた戸郷は、さぞかし肝を冷やしたことだろう。

一週間前の東京ドームで戸郷は5回8安打4失点の不完全燃焼に終わった右腕は、プレーボール直後の初球を野間にライトフェン直二塁打され、三回にもセンターオーバーの二塁打を打たれ、そして二度ともとこから失点した。

だからこの日は同じ轍を踏むまいとギアをすぐに入れ直した。続く堂林は真っすぐで空振り三振。四回には一死から野間のピッチャー返しを直接、左ふくらはぎ付近に受けた(強襲ヒット)が、この回も耐えた。六回、3度目の対戦では二死無走者でも勝負せず。そして八回からは勝負をブルペン陣に託した。

前回、開幕投手対決の名にふさわしい投げ合いができなかった九里もまた、ガッツ溢れるピッチングで六回までゼロを並べた。6回だけで7点を失った東京ドームでの悪い流れを自らの右腕で断ち切ることができた。

ただ、打線の援護がないから、けっきょく3時間58分のせめぎ合いは延長12回スコアレスドローに終わった。

巨人救援陣からチームとして放ったヒットは2本だけ。二股が八回の高梨からプロ初安打を記録したあとは、延長十二回、横川から坂倉の内野安打で二死一塁とするのがやっとだった。

九里は横浜スタジアムでの開幕戦(DeNA戦)で7回3失点。度会に許した3ランが致命傷となって勝てなかった。翌週にはマツダスタジアムで中日・柳と投げ合って8回1失点、自責0で負け投手になった。
 
当然、タイトルのひとつやふたつは奪う勢いでシーズンに入ったはずなのに、89+92+94+109=384球投じても未勝利。しかも昨季、両リーグトップを記録したイニング数(174回1/3)も伸びてこない。
 
前日18日には先発で2勝していたアドゥワの出場選手登録が抹消された。これで現在の先発ローテの中で1勝しているのは床田だけ。長いシーズンの中で貯金していくために、先発陣の安定した力が必要なのは言うまでもない。


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