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ワシのことかい!を気づかせる落語

落語は不思議な芸だと思う。

面白い噺には前のめりにさせられる。上手い噺家さんだと、さらに前のめりにされられてしまう。

この噺の展開はどうなるんやろう、と興味わくわくして入り込んでしまうのです。

が、物語の中の噺だから、おもしろおかしく観ていられるのだけど、ふと、実はこの噺って自分のことだと気づかされる瞬間があるのです。

えっ、これって、ワシのことかい!って、他人事の噺が自分事に転換される。こんな瞬間をよく味わされるのです。そのたびに、落語にしてやられた、他人事やと思って笑ろてたのに。自分のことやなんて、と天に唾はいたような気持ちにさせられる。くそ~。

だけど、実害にあっているわけではないので、また寄席に足を運んでしまうという、精神衛生的に浄化が生まれる良いサイクルが落語にはあるように思うのです。

転換と浄化が落語の魅力ともいえます。あ~、また寄席に足を運んでしまう。


もし刺さる根多でしたら、木戸銭歓迎です。寄席代にして、さらなる刺さる根多を仕入れてきます。